“MACDの設定値(パラメータ)を変えるだけで、MACDだけで勝てる投資家になるのでしょうか?”
そんな質問を頂きました。
あなたはどう思いますか?
MACDの設定値(パラメータ)を変えることで、 MACDだけで勝てる投資家になる使い方なんてあるのか?
結論からいうと「イエス」。
腕の良いトレーダーのなかには、MACDだけで勝てる人もいます。
MACDに限らず、ボリンジャーバンド、RSI、パラボリックなど…1つのインジケーターだけで勝負して勝ち続けるトレーダーは一定数いるのです。
こういう情報を知るとわくわくしてきませんか?
MACDの設定で悩む人は多いようです。
しかし、そんな悩みを抱える人の話を聞くと、MACDの設定以前に、MACDの見方や使い方もあやふやな人が多いように感じます。
そこで、MACDの設定はもちろんのこと、基本的なMACDの見方、使い方やワンランク上の使い方までわかりやすく紹介していくことにします!
この記事はこんな人におすすめ
★MACD初心者
★MACDの設定方法・使い方に不安な人
★MACDのおすすめの設定値を知りたい人
★トレードで効率よく資産を増やしたい人
目次
MACDの設定をわかりやすく解説
(最終更新日:2022/6/13、元記事:2021/6/15)
MACDは他のテクニカル指標とおなじく、自分で設定値(パラメータ)を変えて利用します。
この章では、
「MACDの設定方法」
「短期・中期・長期のおすすめの設定値」
「著名人のおススメMACDの設定値」
などを紹介していきます。
MACDの設定(パラメータ)を変える方法
MACDの設定を変える方法を解説していきましょう。
ここでは「SBI証券アプリ」と「TradingView」を例に紹介していきます。
MACDの設定方法はSBI証券アプリの例を用いると2つの方法があります。
★設定方法1:「短期EMA」と「長期EMA」のつまみを横にスライドさせて数値を調整
★設定方法2:「短期EMA」と「長期EMA」の▽△ボタンを押して数値を調整
これだけです。
分足・日足・週足・月足とありますが、基本的に同じやり方でMACDの設定を変えることになります。
<MACDの設定を変える:SBI証券アプリ>
無料でチャート分析ができるサイトTradingView(トレーディングビュー)におけるMACDの設定を変える方法もご紹介します。
<ステップ1>
参照:TradingView
★どの銘柄でも良いのでチャートを起動させたら、最上段の「インジケーター」にカーソルを合わせ「MACD」を表示させます。
<ステップ2>
参照:TradingView
★MACDの左上の歯車「⚙」をクリックしてパラメータ設定画面を表示。
「ファスト期間」は短期期間、「スロー期間」は長期期間。
それぞれ初期設定値で「12日間」「26日間」になっているので、数値を変更することで設定を変えられます。
<MACDの設定値の変更例>
参照:TradingView
上のチャートでは、MACDの設定を「短期:12日間、長期:26日間」の初期設定から、それぞれ半分の「短期:6日間、長期:13日間」に変更しています。
比較すると一目瞭然。
パラメータを短くした方が早くMACDとシグナルが変化していることがわかります。
MACD設定値のおすすめ①【考案者ジェラルド・アペル推奨】
MACDの設定値(パラメータ)は、短期投資・中期投資・長期投資でおすすめの数値が異なります。
それぞれの投資スタイルにどんなMACDの設定値が合うのか?
MACDの考案者、ジェラルド・アペル氏が推奨する設定パラメータを紹介します。
【短期(ファスト)パラメータ】6日
【長期(スロー)パラメータ】19日
★★中期投資の場合★★
【短期パラメータ】12日
【長期パラメータ】26日
★★長期投資の場合★★
【短期パラメータ】19日
【長期パラメータ】39日
※シグナルは全共通で9日
MACD設定値のおすすめ②【クリス・マニング推奨】
MACDの考案者ジェラルド・アペル氏のMACDの設定値を参考にし、より株価の動きに反応しやすくするように考案されたのがクリス・マニング氏が推奨するパラメータです。
【長期の設定値】17
【シグナル】7
クリス・マニング氏推奨のMACDの設定値は値動きに敏感に反応するように設計されています。
したがって、デイトレやスイングトレードなどの短期投資での活用に力を発揮する設定値となっています。
MACDのデイトレ用の設定をする場合には、大いに参考になることでしょう。
クリス・マニング氏のMACDパラメータの特徴としては、MACDだけで勝てるように設計されていることです。
この後紹介するジョー・ディナポリ氏がほかのインジケーターとの組み合わせを念頭に置いていることと比べ、一線を画しています。
MACD設定値のおすすめ②【ジョー・ディナポリ推奨】
フィボナッチ級数を利用したトレードで知られるジョー・ディナポリ氏も、ジェラルド・アペル氏とは異なるMACDの設定値を推奨しています。
彼もまたクリス・マニング氏同様、短期トレード向けのパラメータを考案しています。
【長期の設定値】17
【シグナル】9
クリス・マニング氏と異なる点は、ジョー・ディナポリ氏が他のインジケーターとの組み合わせを前提にしていることにあります。
とくにディナポリチャートとも称されるDMA(移動平均の一種)との併用を推奨しています。
MACDパラメータの設定を変える時は「だまし」に注意
短期パラメータと長期パラメータの特徴と注意点を解説します。
<特徴>
・短期のパラメータほど売買シグナルは早く出現し、頻度も多い。
・長期のパラメータほど売買シグナルが遅く出現し、頻度も少ない。
<注意点>
・短期パラメータ(ファスト)は、売買シグナルの出現頻度が多いが、「だまし」も多くなる。
・長期パラメータ(スロー)は、出現頻度が少ないので機会損失が多くなる傾向がある。
クリス・マニング氏推奨のパラメータはデイトレなどの短期売買向けなので、「だまし」の出現頻度も多くなりがちです。
「だまし」に遭った時の即時の損切り(ロスカット)がトレードを成功させるカギです。
MACDとは【わかりやすい概要解説】
MACDとは、“短期移動平均線と長期移動平均線の差からトレンドをみきわめるテクニカル指標”です。
MACDと書いて「マックディー」と読みます。
MACDの概要をかんたんにまとめました。
【正式名称】
Moving Average Convergence/Divergence Trading Method
※最初の4つの頭文字を取って「MACD」。
【別名】
移動平均収束拡散法
【考案者】
ジェラルド・アペル(1933-2020)
【MACDが考案された年】
1979年
【MACDの考案目的】
移動平均をより高い精度で分析するため
【MACDの特徴】
・短期移動平均線と長期移動平均線の差からトレンドをみきわめる
・MACDは移動平均線よりも売買判断のタイミングを迅速に判断できる
※アペル氏は移動平均線にSMA(単純移動平均)を用いてもOKとしていますが、一般的にEMA(指数平滑移動平均)が利用される
※※ジェラルド・アペルについて※※
ジェラルド・アペル氏はテクニカル分析の刊行物「システム・アンド・フォーキャスト」を発行し、テクニカル分析とマーケットタイミングの研究に尽力した人物として知られます。
※ジェラルド・アペル氏
SMA(単純移動平均)は、過去の終値の平均から算出された値です。
・5日移動平均線であれば、過去5営業日の終値の平均値。
・25日移動平均線であれば、過去25営業日の終値の平均値。
しかし、SMAは過去の終値の平均から算出される性質のため、トレンド転換後を示すサインを出すのが遅くなる欠点があります
そのSMAの欠点を改善して考案されたのがEMAです。
EMAでは直近の終値を重視するように設計されており、SMAよりも直近の株価の動きに敏感に反応し、トレンド転換を示唆するのが遅れることがほぼありません。
「MACD」は、オシレーター系の代表的なテクニカル指標(インジケーター)です。
オシレーター系ではありますが、トレンド系の特徴もあることから個人投資家の間では人気が高いインジケーターです。
MACD設定値の計算式
MACDがどんな計算式で算出されるのか、参考までに紹介しておきましょう。
短期期間=x
長期期間=y
・EMAx(短期EMA)= 前日のEMAx + [2÷(x+1)×(当日終値-前日のEMAx)]
・EMAy(長期EMA)= 前日のEMAy + [2÷(y+1)×(当日終値-前日のEMAy)]
★MACD = EMAx-EMAy
言い換えると、
★MACD = 短期EMA-長期EMA
になります。
※計算期間のx、yの値は任意。
※x<yであること。
参照:日本テクニカルアナリスト協会「NTAA認定テクニカルアナリストの通信教育講座テキスト(第3分冊)」
上記の数式を丸ごと覚える必要はありません。
MACDとは「短期EMA」から「長期EMA」を引いた値と覚えておけばOKです。
MACDの考案者ジェラルド・アペル氏は計算期間について「短期=12日」「長期=26日」を多用していました。
その影響のためか、証券会社が提供するMACDのデフォルトの初期設定値(パラメータ)も「短期=12日」「長期=26日」になっているものが多いようです。
<MACDの初期設定値の例:SBI証券アプリ>
参照:SBI証券アプリ
MACDは横ばいトレンドに弱い
どのテクニカル指標にも長所と短所があります。
MACDも例外ではありません。
ここでは、MACDの弱点に触れておきましょう。
MACDには横ばいトレンドに不向きという弱点があります。
基本的にMACDの使い方はトレンド転換をねらったトレードになります。
なので、上昇トレンドか下降トレンドの時にこそ威力を発揮します!
上横ばいだとトレンドの転換点がわからずに力を発揮できません。
これはMACDの設定をいじれば解決するような問題ではないので、横ばいの時はMACDは使わず、ほかのインジケーターを活用することをおすすめします。
MACDの見方と使い方をわかりやすく解説
参照:TradingView
MACDの見方は3つのラインと1つの棒グラフを読み解くことにあります。
上のチャートはMACDを表示したものです。
それぞれの名称は以下の通り。
★MACD:青いライン
★MACDシグナル(シグナル):オレンジのライン
★MACDヒストグラム(ヒストグラム):棒グラフ
※ヒストグラムは「MACD-シグナル」で算出されます。
※MACDとシグナルの幅が大きくなるとヒストグラムも大きくなり、売買サインが視覚的にわかりやすくなります。
★0ライン(ゼロライン):ヒストグラムの境界線の黒いライン
このMACD、MACDシグナル、MACDヒストグラム、0ラインの情報から株価のトレンド転換を読み解いていくことになります。
MACDの見方:シグナルの上は上昇トレンド、下は下降トレンド
MACDを見る時はシグナルとの位置や傾き、幅が重要になります。
参照:TradingView
★MACDがシグナルより上の位置にあり、上向きの場合は上昇トレンド
★MACDがシグナルより下の位置にあり、下向きであると下降トレンド
★MACDとシグナルの線の幅の大きさは、トレンドに勢いに比例する
ことを表しています。
MACDの見方:シグナルと共に0ラインより上なら上昇、下なら下降
参照:TradingView
MACDとシグナルの0ラインとの位置関係は重要となります。
基本的なMACDの見方と使い方は
★MACDとシグナルが0以下の場合は下降トレンドの継続
となっています。
MACDの見方:シグナルとのゴールデンクロス&デッドクロス
MACDの見方の1つに、ゴールデンクロスとデッドクロスがあります。
MACDとMACDシグナルが交差するポイントがトレンド転換になりやすいのです。
この特徴を利用したMACDの使い方を解説していきます。
かんたんにいうと以下のようなMACDの使い方をします。
★MACDがシグナルを0ゼロラインより下でゴールデンクロスすると上昇転換
⇒買いサイン
★MACDがシグナルを0ゼロラインより上でデッドクロスすると下降転換
⇒売りサイン
それぞれのMACDの使い方のチャートをみていきましょう。
MACDがシグナルを0ラインより下で上抜ける【買いサイン】
<三菱UFJフィナンシャル・グループ>
参照:TradingView
MACDが0ラインより下でシグナルをゴールデンクロスしているのが確認できます。
その後の株価を見ると、上昇トレンドが続いているのがわかります。
このようにMACDが0ラインより下でシグナルをゴールデンクロスしている場合は、「買いサイン」として考えられます。
ポイントはゼロラインよりも下でのゴールデンクロスです。
ゼロラインより上でクロスするよりも角度が急に上がっていくことが多い傾向にあります。
MACDがシグナルを0ラインより上で下抜ける【売りサイン】
<伊藤忠商事>
参照:TradingView
MACDが0ラインより上でシグナルをデッドクロスしています。
その後の株価を見ると、下降トレンドが続いていますね。
MACDの見方としては、MACDが0ラインより上でシグナルをデッドクロスすると、「売りサイン」と考えられます。
なので、MACDの使い方を考える際にはこのデッドクロスを意識します。
ポイントはゼロラインよりも上でのデッドクロスです。
MACDの見方:ヒストグラムが0ラインをGC&DC
もうひとつのMACDの見方に、ヒストグラムと0ラインの位置関係から買いポイント、売りポイントを読むという使い方があります。
ヒストグラムに着目したMACDの使い方は以下のとおり。
★ヒストグラムが0ラインをゴールデンクロスすると上昇サイン
⇒買いサイン
★ヒストグラムが0ラインをデッドクロスすると下降サイン
⇒売りサイン
ヒストグラムを使用したMACDの見方・使い方をみていきましょう。
ヒストグラムが0ラインをゴールデンクロス【買いサイン】
<Cannon>
参照:TradingView
MACDヒストグラム(棒グラフ)が0ラインを境に赤色から緑色に切り替わっています。
ヒストグラムが0ラインをゴールデンクロスしている状態です。
上段のローソク足を見ると、その後のCannonの株価は上昇トレンドとなっています。
MACDの見方としては、CannonのようにMACDヒストグラムが0ラインをゴールデンクロスすると「買いシグナル」と考えられます。
ヒストグラムが0ラインをデッドクロス【売りサイン】
<オリンパス>
参照:TradingView
MACDヒストグラムが0ラインを境に緑色から赤色に切り替わっています。
ヒストグラムが0ラインをデッドクロスしています。
ローソク足を見ると、デッドクロス後のオリンパス株価は下降トレンド転換していますね。
オリンパスのようにMACDヒストグラムが0ラインをデッドクロスすると「売りシグナル」と考えられます。
MACDの使い方【基本戦略】
MACDの使い方と基本戦略は「買いシグナル」と「売りシグナル」に合わせ、以下の4つの方法を選択していくことになります。
・空売りの買い戻し
・現物売り
・空売り
MACDの使い方の基本戦略を下記のチャートに示しました。
<中外製薬>
参照:TradingView
★★MACDの使い方の解説★★
STEP1:買いサインがでた
・0ラインより下でMACDがシグナルをゴールデンクロス
・ヒストグラムも0ラインをゴールデンクロス
このタイミングで「新規買い」
STEP2:売りサインがでた
・0ラインより上でMACDがシグナルをデッドクロス
・ヒストグラムも0ラインをデッドクロス
MACDの使い方:このタイミングで「利益確定の売り」と「新規空売り」を仕掛ける
※関連記事
株の売り時と株式を売るタイミングを見つける方法
STEP3:買いサインがでた
ふたたび
・0ラインより下でMACDがシグナルをゴールデンクロス
・ヒストグラムも0ラインをゴールデンクロス
MACDの使い方:このタイミングで「空売りの買い戻し」(利益確定)
MACDの使い方【ダイバージェンス編】
MACDの使い方の1つにダイバージェンスがあります。
ダイバージェンスはMACDの「D」の部分。
ダイバージェンスとは逆行現象を意味し、ローソク足は上昇トレンドなのにMACDでは下落サインが出ている場合などのことです。
MACDにおけるダイバージェンスは大きなトレンド転換を示唆している可能性があるため、テクニカル分析では重要視されます。
大きな利益につながりやすいMACDのダイバージェンスをチャートで解説していきましょう。
参照:TradingView
このチャートはダイバージェンスの例です。
MACDは赤丸のところでゴールデンクロスし上昇転換を示唆しています。
しかし、ローソク足はやや下降しているのがわかります。
その後、トレンドはMACDが示唆したように大きく上昇していきました。
MACDだけで勝てる人になるお役立ち関連情報
MACDの設定や見方、使い方について解説をしてきました。
最後に、MACDの使い方の補足として、お役立ち情報集をご紹介します。
MACDを他のテクニカル指標と組み合わせる場合や、売買ルールの設定、スキャルピングのコツなどについてご紹介していきます。
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