ギャン理論 価値ある28のルールを投資のプロが解説

ギャン理論

ギャン理論 価値ある28のルールで特に押さえておきたい5つのルール

(最終更新日:2021/5/24、元記事:2020/8/3)
伝説の投資家ウィリアム・ギャンの遺したギャン理論ギャンの価値ある28のルールを紹介していきます。

あなたは投資やトレードで資産を倍増させていくのに必要なものをご存じでしょうか?

知識?テクニック?情報?もちろん全て重要です。

しかし、実際に大切な資金を投じて資産運用していく際、最も効果的なことは「勝てるルール」に従って売買することです。

「ギャン理論」を提唱したウィリアム・ギャンが考案した「ギャンの価値ある28のルール」は、100年近くも多くの投資家に愛されてきた「勝てる」「負けない」ルールです。

ギャン理論には、「ギャンの価値ある28のルール」「ギャンアングル(ギャンファン)」「ギャンスクエア」などがあります。

なかでも、価値ある28のルールは投資する際に気をつける点をほぼ網羅してくれており、ギャンが活躍した時代から100年近く経った今でも目からうろこのルール。

ギャンの価値ある28のルールは多くの投資家から支持され、現在でも活用する投資家が後を絶ちません。

しかし、28個もルールがあることから、全部のルールを守ろうとするあまり、投資のパフォーマンスがなかなか上がらない投資家もいるのが現状…。

そこで、投資のプロの目から見てギャンの28のルールを紹介し、特にこれだけは守った方が良い5つを厳選してまとめました。

こう聞くと、ものすごく難しいトレードルールではないかと思われがちですが、まったくそんなことはありません!

投資・トレード初心者でも実践できます。
ギャン理論の28のルールの良いところは誰でも実践できるところです。

みなさんもご自身の投資の参考にしてみてはいかがでしょう?

ギャン理論 ギャンの価値ある28のルールとは

ギャン理論とは具体的にどんな28のルールなのか?
ギャンが活躍した時代から100年近く経った今でも愛される、ギャン理論の28のルールを早速紹介していきましょう。

<ギャン理論の価値ある28のルール>
1、一度のトレードで資金の1/10以上損失が出るようなリスクは取らない。
2、常にストップロス注文を使う。
3、取引を重複させない。
4、利益を損失にしない。(含み益があれば、ストップロス注文等で含み損にならないようにする)
5、トレンドが分からない時は取引しない。トレンドに逆らった取引はしない。
6、迷ったら出る。迷ったら入らない。
7、活発な市場でのみ取引する。
8、違う市場間でリスクを均等に分散する。
9、指値注文はせず、成り行き注文で取引する。
10、正当な理由がないのに手仕舞わない。
11、取引で儲けた余剰利益は別の口座に置く。
12、利益の薄い(スキャルピング)取引はしない。
13、損失を平均化しない。(ナンピン買いをしてはならない)
14、忍耐無く市場から抜け出したり、待つのが不安だからといって市場に入ったりしない。
15、小さな利益と大きな損失を避ける。(損小利大)
16、ストップロス注文を出したらキャンセルしない。
17、市場に頻繁に出入りすることは避ける。
18、相場の両サイド(買い、売り)からお金を稼ぐことに意欲的であること。
19、値頃感で取引しない。
20、間違ったタイミングでのピラミッディング※に注意する。ピラミッディングは抵抗線を超えるか、指示線が壊された時のみ成されるべき。
21、ピラミッディングは適切なタイミングでは非常に有益な場合がある。買いの時に上昇トレンドが強く、売りの時に明確な下落トレンドがある銘柄・商品を選択する。
22、負けポジションをヘッジしない。ある商品を買っていてそれが下がり始めたら、ヘッジするために他の商品を売ってはならない。損切りし、次の機会を待つ。
23、正当な理由が無い限り、ポジションを変えない。取引をする時は一定のルールに従って、正当な理由で取引をする。その後はトレンドが変わる明確な兆候がない限り、手仕舞いしない。
24、長い期間での取引で儲けた時は、トレードを避ける。規律ある計画的な取引プログラムを維持する必要がある。
25、天井や底を推測しようとしない。本当に天井か底かは市場が見せてくれる。
26、盲目な人のアドバイスに従わない。
27、最初の損失後は取引を減らす。決して増やさない。
28、間違って入って間違って出てはいけないし、正しく入って間違って出てはいけない。これは二重の間違いである。

※ピラミッディング:順張り投資などで、追加買いをしてポジションを増やしていくこと。

28個もルールがあると、さすがにボリュームがありますね。

ギャン理論の価値ある28のルールは、基本的には短期投資におけるルールと言って良いでしょう。

長期投資の人にも参考になるルールは結構あるので、非常に役立つと思います。

ギャンの価値ある28のルールは、1つ1つのルールを見るとそれほど難しいことは言っていません。

「リスクを取りすぎるな」「ナンピン買いはだめ」「値ごろ感で取引するな」など、リスク管理やポジション管理、感情に流されないようにすることなどを説いたルールが多いのが特徴です。

ルール14では、忍耐の重要性についても説いていますね。
長期投資は元より、短期投資のトレードでも忍耐は重要だと思います。

ギャン理論 28のルールから初心者必見のルール5選

ギャン理論の要、ギャンの28のルールを全紹介しました。

熟練した投資家なら、すでにご自身の投資ルールをお持ちのことでしょう。

しかし、まだ投資ルールや勝ちパターンを見いだせていない初心者は、ギャン理論をどう取り入れたら良いのでしょう。

投資のプロのクロサキから見て、初心者はまずこれだけは覚えておいた方が良いと思うルールを5つ厳選しました。

ギャンの価値ある28のルール:クロサキ厳選5つのルール
ルール5:トレンドが分からない時は取引しない。トレンドに逆らった取引はしない。
ルール7:活発な市場でのみ取引する。
ルール13:損失を平均化しない。(ナンピン買いをしてはならない)
ルール17:市場に頻繁に出入りすることは避ける。
ルール19:値頃感で取引しない。

■ルール5:トレンドが分からない時はNO取引。トレンドに逆らった取引はしない。
トレードの基本はトレンドに乗ることです。チャート分析をするのは、トレンドを探すためであり、上昇トレンドであっても下落トレンドであっても、はっきりとわかるトレンドに乗ったほうが勝ちやすくなります。

「休むも相場」という格言があるように、トレンドが分からない時は取引しない。
あるいは、トレンドがはっきりと出ている銘柄に絞った方が投資で勝つ確率は上昇します

■ルール7:活発な市場でのみ取引する
日本の証券市場には東京証券取引所だけで4市場。
札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所を含めるとそれ以上になります。

しかし、どの市場の銘柄も全部が活発に取引されているわけではなく、出来高が少なすぎて買いたい時に買えない、売れない時に売れない事態になるリスクがあります。

また、出来高が少ないと値が飛ぶことが多くなるため、ボラティリティが高くなることもあるため、東証一部のように活発な市場の銘柄で取引した方が良いでしょう。

■ルール13:損失を平均化しない。
損失の平均化とはナンピンのことです。
ナンピンはトレーダーがやらかす最大の失敗ともいわれています。
ナンピン買いすることで、購入単価は下げられますが、下落トレンドが継続してしまうと損失額が膨らみます。
メンタルにも良くありませんし、メンタルが悪化している時はトレードの成績も悪化しやすくなります。

資産を増やすどころか、減らすリスクの方が大きいのでナンピンは避けた方が良いでしょう。

短期トレーダーにナンピン買いが不向きなことは、塩漬け株の対処法の記事に詳しく紹介してあります。

ご興味がありましたら下記記事をチェックしてみてください。
↓↓↓
塩漬け株の対処法5選【アナリスト解説付き】

■ルール17:市場に頻繁に出入りすることは避ける。

これはルール3「取引を重複しない」、ルール12「スキャルピングをしない」とも重なる部分です。

過剰な取引をすると手数料もばかになりませんし、ずっと相場に張り付いていなければならず大変です。

取引回数が増えることは、それだけ負ける確率も上昇することも忘れてはなりません。
基本的には取引回数を少なく、損小利大がギャン理論の真骨頂だと思います。

■ルール19:値頃感で取引しない。

これは自分の感覚で「安い」と感じただけで取引してはならない戒めでしょう。
株価の安くなっている銘柄には、安くなっているだけの理由があります。

単純にテクニカルだけの問題なのか、それともファンダメンタルズに問題があるのか?

安くなっている理由をしっかりと調べた上で、投資を検討しましょう。

買いから入るにしても、売りから入るにしても、しっかりとした根拠を持つことが大事だということです。

投資…というと、一般的には大儲けするために行う経済行為というイメージが強い傾向にあります。

ところが、ギャン理論の28のルールは大勝するためのルールではなく、負けないためのルールといえます。

ですので、初心者の方が取り入れるのなら、負けない投資法を構築するために取り入れるのがベターだと思います。

負けない=勝ち→資産が徐々に増えていく

このループを繰り返せるようになれば、テンバガー狙いじゃなくても資産は増えていくことでしょう。

ギャン理論「28のルール」はどんな投資に役立つか?

ギャン理論の価値ある28のルールをご紹介してきました。

では、このルールはどんな投資に役立つのでしょうか?

ギャン理論が通用しやすい投資についてお話します。

結論からいうと、ギャン理論の価値ある28のルールは

★スイングトレード
★モメンタム投資
★レバレッジETFの短期トレード

などに使えます。

この3つに共通しているのは、短期のトレードであること。

そして、しっかりとルールを守ってトレードすれば、資金効率よく資産を増やせる可能性があることです。

米国ETF「TECL」に代表されるレバレッジETFは、ギャン理論を駆使すればすれば大きなリターンを得られる可能性もあります。

※TECLをご存じないようでしたら下記の記事で詳しく解説していますのでチェックしてみてくださいね。
↓↓↓
TECL 株価200倍米国ETFの構成銘柄と今後を解説

最後に…ウィリアム・ギャンとは

ギャン理論の生みの親、ウィリアム・ディルバート・ギャン(1878~1955)は、1929年の世界大恐慌の発生時期と規模を言い当てた※とされる伝説の投資家です。
※参照:NTAA認定テクニカルアナリストのテキスト

ギャンは相場予測を的中させるだけでなく、自ら編み出したルール(後の価値ある28のルール)をトレードで実践して成功を収めました。

ギャンが提唱した理論や考え方には、「ギャンの価値ある28のルール」「ギャンアングル(ギャンファン)」「ギャンスクエア」などがあります。

少し残念なことは、ウィリアム・ギャン自身の手によってギャン理論の解説書が書かれなかったことと後継者に恵まれなかったことです。

ギャン本人の手によって価値ある28のルールの解説書を後世に遺してほしかったですね。

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