三角保ち合いを投資初心者にもわかりやすく教えてください。
アシスタントのさくらくんからそんな風に言われ、今回の記事を書く運びとなりました。
この記事であなたが得られる情報
・三角保ち合いのパターンのちがい
・三角保ち合いのブレイクをねらった手法
・三角保ち合いのトレンドラインの引き方
・三角保ち合いのだましについて
ちなみに三角保ち合いを「三角持ち合い」と表記する方がいますが、正しくは「保ち合い」です。
それでは本題に入っていきましょう。
目次
三角保ち合いとは株価が大きく動くチャートパターン
三角持ち合いは英語ではトライアングル、トライアングル・フォーメーションと呼ばれます。
日本テクニカルアナリスト協会の発行する第1次通信教育講座テキスト第1分冊によれば、三角保ち合いの定義は以下のようになります。
三角保ち合いとは数週間(まれに数か月)かけて、上下を繰り返しながら徐々に価格の変動幅を縮小して形成される価格推移
実際のチャートをみるとわかりやすいです。
ステムリム(4599)の日足チャートを見てみましょう。
株価が上下を繰り返しながら、徐々に変動幅を縮小して三角形になってきています。
三角保ち合いの典型的なパターンだといえます。
三角保ち合いは三尊や逆三尊なとど並び、多くのトレーダーが注目するチャートパターン。
なぜトレーダーが三角保ち合いといえば、パターン形成後に株価が大きく動きだす可能性が高いからです。
三角保ち合いでは、トライアングルが完成した後に「ブレイク」という現象が起きます。
ブレイクとは、収束してきた株価が上か、下かどっちかに大きく動きだすことを意味します。
三角保ち合いの上放れと下放れ
三角保ち合いに注目する投資家やトレーダーが重視するもの。
それは上と下のどっちにブレイクするかです。
三角形を形成したチャートパターンが上にブレイクすることを「上放れ」、下にブレイクすることを「下放れ」といいます。
<三角保ち合いの上放れ>
<三角保ち合いの下放れ>
三角保ち合いのブレイクをねらうには、三角保ち合いのパターンを理解しておくことが大事です。
パターンによって、ブレイク後に株価が上と下のどっちにいくのかが予想しやすくなります。
三角保ち合いの種類・パターン
三角保ち合いの種類・パターンを紹介します。
人によって多少の言い回しの違いはありますが、三角保ち合い(トライアングル・フォーメーション)の種類は以下の3つに大別されます。
三角保ち合いのパターン
・対称三角形(シンメトリカル・トライアングル)
・上昇三角形
・下降三角形
三角保ち合いのパターン①対称三角形
三角保ち合いの1つ目のパターンは対称三角形です。
特徴を以下にまとめました。
対称三角形の特徴
・数週間かけて形成される(ごくまれに数か月かかることも)
・節目となる高値を結んだラインが右肩下がり
・節目となる安値を結んだラインが右肩上がり
・パターン形成中の最高値と最安値の中央値に株価が推移していく
・別名「シンメトリカル・トライアングル」
★パターン完成後、上と下のどっちに行くかの判断がむずかしい
★パターン完成後、どちらに動いたのかを見極めてから投資するのがベター
実際のチャートを見てみましょう。
三角保ち合いのパターン②上昇三角形
三角保ち合いの2つ目のパターンは上昇三角形です。
特徴を以下にまとめました。
上昇三角形の特徴
・数週間かけて形成される(ごくまれに数か月かかることも)
・節目となる高値を結んだラインがほぼ水平
・節目となる安値を結んだラインが右肩上がり
・パターン形成中の高値に株価が推移していく(形状は直角三角形)
・別名「アセンディング・トライアングル」
★パターン完成後、上放れするのがセオリーだが、下に行く場合もある
★パターン完成後の値動きを確認した上で追随するのがベター
実際のチャートを見てみましょう。
三角保ち合いのパターン③下降三角形
三角保ち合いの3つ目のパターンは下降三角形です。
特徴を以下にまとめました。
下降三角形の特徴
・数週間かけて形成される(ごくまれに数か月かかることも)
・節目となる高値を結んだラインが右肩下がり
・節目となる安値を結んだラインがほぼ水平
・パターン形成中の安値に株価が推移していく(形状は直角三角形)
・別名「ディセンディング・トライアングル」
★パターン完成後、下放れするのがセオリーだが、上に行く場合もある
★パターン完成後の値動きを確認した上で追随するのがベター
ここでも実際にチャートを見てみましょう。
ギフトホールディングスの場合、トライアングルが形成される前は上昇トレンドが続いていました。
一方、再掲ですがアララの場合は事情が異なります。
三角保ち合いのブレイクをねらう
三角保ち合いのブレイクをねらった投資やトレードは、トレンドが続きやすい傾向があることから利益を増やせるチャンスがあります。
ここでは三角保ち合いのブレイクねらい時のコツを解説します。
三角保ち合いのブレイク投資のコツ
・ブレイクポイントをねらう
・直近高値or直近安値をブレイクしたタイミングをねらう
★ブレイクポイントをねらう
三角保ち合いトレードのコツの1つ目は、ブレイクポイントをねらうこと。
これはトライアングル完成後、上と下のどっちをねらうにしても同じことがいえます。
下のチャートは既出の日本農薬の日足を拡大したものです。
ブレイクポイントをねらう時に一点、注意があります。
それはローソク足がまるまる三角形から飛び出しているかをチェックすることです。
以下の場合は、ローソク足が完全にトライアングルから出るまで待ちましょう。
×ヒゲだけ出ている
×ローソクの実体が三角形の上辺・底辺にかかっている
ローソク足がきちんとトライアングルから出ているブレイクポイントをねらうのがコツです。
★直近高値or直近安値をブレイクしたタイミングをねらう
三角保ち合いトレードのコツの2つ目は、直近高値or直近安値をブレイクしたタイミングをねらうこと。
直近高値の例は日本農薬のチャートをごらんいただくとわかります。
トライアングル形成前の高値(赤いローソク足)を更新しています。
ここでは、直近安値をブレイクした三角保ち合いについてお話します。
再度アララの日足を登場させました。
その後も下降トレンドが続いていることからも、ブレイクポイントのタイミングで「空売り」を仕掛けていれば大きな利益を取れたことがわかります。
三角保ち合いのブレイク銘柄の探し方
ご紹介するのは「株価アルゴREAL」というサイトです。
出典:株価アルゴREAL
このサイトの「隠れサイン」というコンテンツの中に「三角保ち合い」になっている銘柄をクリック1つで見つけられるページがあります。
画像だと少しわかりにくいかもしれませんが、三角保ち合いの最初にガーラ(4777)がピックアップされています。
検証の結果、上昇三角形のトライアングルになっていることが確認できました。
無料で利用できるサイトなので、三角保ち合いの銘柄をさがしたい場合にはかなり使えるツールです。
三角保ち合いの「だまし」を回避するために
三角保ち合いに限らず「だまし」はいつもテクニカル投資の厄介者です。
だましとは、途中まではチャート分析のセオリー通りに動いているのに、投資家が買って(売って)からセオリーに反して値が動いていく現象のこと。
新興銘柄のように時価総額の小さな銘柄だと、資金力のある機関投資家が一気に資金を入れることで株価を操作できてしまう現状があります。(本当は違法です)
それが「だまし」につながる場合が考えられます。
たとえば
三角保ち合いで上昇三角形の買いサインが出たから100株投資したとしましょう。
ヘッジファンドなどは、そこにわざと大量の空売りを入れて株価を下げてくることがあります。
すると、株価は大きく下がってしまい、上がるのを期待して買った投資家は軽いパニックになって売りが売りを呼ぶことがあります。
そうなると株価は一段と下がり、空売りを仕掛けたヘッジファンドは儲かるというしくみです。
このような状況になると、上昇三角形のチャートパターンが完成したものの、その後の株価は下落して結果的に「だまし」だったということになります。
★だましを回避する方法★
三角保ち合いのパターン紹介のところでも紹介しましたが、完成後の値動きを確認した上で投資することが、「だまし」の回避率を上げる方法といえます。
三角保ち合いでブレイクが発生してすぐに飛びつくのではなく、ブレイク後にセオリー通りに株価が推移しているかをチェックするということです。
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