ダイバージェンスは株やFXにおいて“最強”の法則(売買シグナル)といわれることがあります。
株式やFX、仮想通貨トレーダーには、ダイバージェンスを狙ってトレードする人が多くいます。
なぜならエントリーポイントの重要パターンになるからです。
今回はダイバージェンスを株式投資に活用するための解説をしていきます。
「ダイバージェンスとは?」という基本的な部分から、MACDやRSIなどのインジケーターを使ったチャート事例、ダイバージェンスの見つけ方もわかりやすくご紹介。
最強のダイバージェンスともいわれるヒドゥン・ダイバージェンスについても解説していきます。
目次
ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとはどんな現象なのでしょうか?
ダイバージェンスの言葉の意味には「逆行」という意味があり、数学や物理学の世界などで使われる用語です。
株やFXにおいてのダイバージェンスとは、株価のトレンドが出ている時にオシレーター系インジケーターがトレンドとは逆の動きをする現象を意味します。
下の株価チャートはクリーマ(4017)のものです。
※出典:トレーディングビュー


もう少し正確にいうと、クリーマのケースは「ブリッシュ・ダイバージェンス」と言います。
ダイバージェンスには、3種類のパターンがあり、それぞれ名前があります。
価格(株価)が下降トレンドを続ける一方、オシレーター系のインジケーターが上昇する状況。一般的に市場のトレンドが反転、または急反発するシグナルと考えられています。
<例、クリーマ>
ベアリッシュ・ダイバージェンス
価格(株価)が上昇トレンドを続ける一方、オシレーター系のインジケーターが下落する状況。
一般的に市場のトレンドが下落、または急落するシグナルと考えられています。
<ベアリッシュ・ダイバージェンス>
※出典:トレーディングビュー
ヒドゥン・ダイバージェンス
オシレーター系のインジケーターが上下に動くものの、株価のトレンドが継続する状況。ヒドゥン・ダイバージェンスになる場合、現在のトレンドの強さが継続するシグナルと考えられています。
<ヒドゥン・ダイバージェンス>
※出典:トレーディングビュー
ダイバージェンスが最強といわれる理由
ダイバージェンスは時に最強のトレード方法と称されることもあります。
人にもよりますが、ダイバージェンスが最強といわれるのは「ヒドゥン・ダイバージェンス」を指すことがほとんどです。
なぜヒドゥン・ダイバージェンスが最強なのか?
その理由は、ヒドゥン・ダイバージェンスが強いトレンドの継続シグナルだと考えられているからです。
トレンドが続いていく可能性が強いとなれば、順張りで大きな利益につながる確率は高まります。
強いトレンドが続くようであれば、スキャルピングのように超薄利で何度も売買する必要もありません。
上昇トレンド継続なら「買い」、下降トレンド継続なら「売り」と、エントリーしやすい特徴があります。
ゆえに、ヒドゥン・ダイバージェンスが最強といわれるようですね。
・強いトレンドが継続しやすい
・エントリーしやすい

ダイバージェンスは価格(株価)とオシレーター系のトレンドの逆行現象を見つけてトレードする手法であることは説明しました。
たとえば、これに一目均衡表やボリンジャーバンドなどのトレンド系インジケーターを加味することで、さらに情報の確度をアップさせることもできます。
そうすることで、テクニカルトレードにありがちな「だまし」を回避する確率も高まることでしょう。
「ヒドゥン・ダイバージェンス+一目均衡表」の組み合わせは最強かもしれないと個人的には思っています。
先ほどのオリンパスのチャートに一目均衡表を表示させたチャートを見てみましょう。
※出典:トレーディングビュー
オリンパスは下降トレンドとなっており、一目均衡表にも2つの売りシグナルが点灯していました。
下段のRSIではヒドゥン・ダイバージェンスが出現しています。
・一目均衡表の転換線が基準線を下抜けたポイント
・一目均衡表の雲を株価が下抜けたポイント
どちらに空売りで入っても、その後の株価の下落によって利益を上げられた可能性が高いといえるでしょう。
※一目均衡表の見方は下記で解説
↓↓↓
一目均衡表の見方と使い方 “最強”雲チャートとは
ダイバージェンスのインジケーターに強いTradingview
ダイバージェンスを探すインジケーターにはTradingviewを選ぶのが良いかもしれません。
証券会社が提供するツールでも良いのですが、パラメーターの設定や画面の見やすさなどを考えるとダイバージェンスを探すインジケーターにはTradingviewに一日の長があるのかなと思います。
ダイバージェンスの見つけ方は後に詳しく紹介しますが、ダイバージェンスはインジケーター選びから始まります。
ダイバージェンスとは、オシレーター系インジケーターを使って発見するチャートパターンです。
そして、オシレーター系インジケーターの代表格として以下の3つがあります。
RSI
ストキャスティクス
それぞれのダイバージェンスをインジケーターにTradingviewのものを使ってご紹介していきましょう。
ダイバージェンスとMACD
ダイバージェンスを見つけるのに一番よく利用されるインジケーターがMACDかもしれませんね。
なにしろMACDの「D」はダイバージェンスのイニシャルです。
ちなみにMACDは「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」の略称です。
下のチャートはエムスリー(2413)の1時間足です。
※出典:トレーディングビュー
株価は下降トレンドとなっていますが、MACDの方は上昇トレンドになっていますね。
ブリッシュ・ダイバージェンスとなっています。
※MACDの設定と使い方は下記記事で紹介
↓↓↓
MACDの設定値と使い方 MACDだけで勝てるか?
ダイバージェンスとRSI
ダイバージェンスはオリンパスの例でも示したようにRSIでも出現します。
下の株価チャートはルネサスエレクトロニクス(6723)の1時間足です。
※出典:トレーディングビュー
株価が下降トレンドとなるなか、RSIは緩やかに右肩上がりになっているのがわかります。
これはRSIでみたダイバージェンスとなります。
セオリーであれば、株価は今後上昇していく可能性が高まります。
RSIの向きも上向きになっているので、期待できそうなチャートといえるでしょう。
ダイバージェンスとストキャスティクス
ダイバージェンスがストキャスティクスに出現した例をご紹介しましょう。


ストキャスティクスとはオシレーター系インジケーターの1つで、一定期間の株価の変動幅と終値の関係から、「売られすぎ」か「買われすぎ」を示唆する指標です。
そして、下記のTDK(6762)の株価チャートはストキャスティクスのダイバージェンスの例となります。
※出典:トレーディングビュー
TDKの株価チャートを見ると、株価は上昇トレンドながらストキャスティクスは下降しているのがわかります。
しかし、その後の株価は上昇トレンドを続けたまま。
これはダイバージェンスの「だまし」の事例としても役立つパターンだと思います。
だましにあわないためにも、一目均衡表などのトレンド系インジケーターを組み合わせるなどの対策をすることをおすすめします。
ダイバージェンスの見つけ方
ダイバージェンスの見つけ方について解説しておきましょう。
ダイバージェンスは短期トレードをする際には、絶好のエントリーポイントになる可能性があります。
それゆえ、ダイバージェンスの見つけ方を知っておくと、あなたのトレードでの勝率がアップする可能性は高まることでしょう。


ここではダイバージェンスのインジケーターをtradingviewで表示させて探す方法を解説します。
ダイバージェンスの見つけ方のステップは3つです。
ステップ1:トレンドの出ている銘柄をさがす
ステップ2:3つのインジケーターをtradingviewに表示
ステップ3:時間足を変えてさがす
トレンドの出ている銘柄をさがす
ダイバージェンスの見つけ方の最初のステップは「トレンドの出ている銘柄をさがす」です。
トレンドは上昇トレンドでも下降トレンドでも構いません。
ただし、上昇トレンドの場合には基本的に「売り戦略」になりますので、空売り主体のトレードになります。
空売りしたくない人は、下降トレンド主体にした方が良いかもしれませんね。
※出典:トレーディングビュー
3つのインジケーターをtradingviewに表示
トレンドの出ている銘柄を見つけたら、今度はオシレーター系インジケーターを3つ表示させましょう。
Tradingview(トレーディングビュー)は仕様上、無料バージョンでは3つまでしかインジケーターを表示できません。
ここでは、MACD、RSI、ストキャスティクスを表示させます。
※出典:トレーディングビュー
ローソク足と3つのインジケーターを上下に表示させることで、ダイバージェンスが見つけやすくなるのがわかります。
オレンジの矢印のところはダイバージェンスになっていますね。
時間足を変えてさがす
トレーディングビューにしても、証券会社のツールにしてもほとんどのチャートは日足がデフォルト設定になっています。
トレンドが出ている銘柄を見つけ、3つのインジケーターを表示させてもダイバージェンスが見つからない場合があります。
そんな場合はどうするのか?
答えは
時間足を変えてさがす
です。
以下の伊藤忠商事のチャートを見てみましょう。
まずは日足からです。
※出典:トレーディングビュー
オレンジの矢印を見るとわかりますが、株価(ローソク足)と同じ動きをしています。
つまり、日足ではダイバージェンスが見つかりません。
今度は、1時間足を見てみましょう。
※出典:トレーディングビュー
伊藤忠商事の株価は上昇トレンドを続けるものの、MACD、RSI、ストキャスティクスは3つとも下落しているダイバージェンス状態にあります。
その後、伊藤忠商事の株価も下降トレンドに転換しました。
1時間足なので、長期保有というよりはデイトレで利益を上げたい人向けにはなります。
それでも、このように時間足を変えてみることで、ダイバージェンスを見つけられることがあります。
ダイバージェンスのまとめ
最後にダイバージェンスのまとめをしておきましょう。
<ダイバージェンスとは>
・ダイバージェンスとは、株価(価格)とオシレーター系指標のトレンドが逆行現象を起こしている状況。
・ダイバージェンスはトレンド転換シグナルになる
・ダイバージェンスには「だまし」が出ることがある
<種類>
ブリッシュ・ダイバージェンス
価格(株価)が下降トレンドを続ける一方、オシレーター系のインジケーターが上昇する状況。急反発、上昇トレンド転換のシグナル。
ベアリッシュ・ダイバージェンス
価格(株価)が上昇トレンドを続ける一方、オシレーター系のインジケーターが下落する状況。
急落、下降トレンド転換のシグナル。
ヒドゥン・ダイバージェンス
オシレーター系のインジケーターが上下に動くが、株価のトレンドが継続する状況。
現在のトレンドの強さが継続するシグナル。通称「最強のダイバージェンス」。
<オシレーター系インジケーター>
・MACD
・RSI
・ストキャスティクス
<ダイバージェンスの見つけ方>
・トレンドのはっきりした銘柄を見つける
・3つのインジケーターを表示させる
・時間足を変えてみる

最後に、注意点を1つ。
どの時間足にダイバージェンスが出ているのかを意識しましょう。
1時間足の場合は、デイトレ。
日足、週足、月足の場合には、中長期投資。
このようにどの時間足かを意識することが重要です。
一時間足でダイバージェンスが出ているのを見つけて、長期投資しようとは考えない方が無難です。
時間足に合った投資をしていきましょう。
ダイバージェンスの株の情報が知れて良かった。FXの情報ばかりなので。インジケーターと時間足を変えることを徹底していきます^ – ^