移動平均線は多くの投資家やトレーダーから人気のあるインジケーターです。
移動平均線は株やFX、暗号資産(仮想通貨)…どのアセット取引にも使えるのでとても便利。
その一方、移動平均線の設定値を証券会社が提供するデフォルトのままつかうだけで、十分に活かしきれていない方も多いようです。
そこで、
今回は株式投資の初心者向けに、移動平均線の設定を中心とした使い方を解説していきます。
目次
移動平均線とは
移動平均線は一定期間の終値を平均し、チャート上に曲線で描画するインジケーターです。
英語では「Moving Average」と言います。
実際のチャートや書籍などでは「5MA、25MA」のように移動平均をMAと表記することがあります。
その歴史は古く、英国の経済学者アーサー・L・ボーレーが1901年に発行した著書までさかのぼります。
ジョセフ・E・グランビルが考案したグランビルの法則も移動平均線を活用した売買タイミングをはかる手法として知られています。
移動平均線にはとても多くの種類があります。
移動平均線の種類と計算式
移動平均線の種類と計算式をかんたんにご紹介します。
ここでは比較的よく利用されるSMA、EMAにくわえてDSMAの計算式をご紹介。
移動平均線の種類と計算式
★単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)
▼特徴:任意期間の終値を平均化しただけのシンプルな移動平均。大局的なトレンドを見るのに役立つ
【計算式】
SMA(n)=n期間の株価の合計÷n
★指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
▼特徴:SMAよりも直近の株価に比重を置いて計算されるため、相場の変化に素早く反応
【計算式】(日足の場合)
EMA(n)=前日EMA+α×(当日値-前日EMA)
★二重平滑単純移動平均線(DSMA:Double Smoothed Moving Average)
▼特徴:強いトレンド発生時でも、SMAよりも株価との乖離率が大きくならない
【計算式】(日足の場合)
DSMA(n)=前日EMA+α×(当日値-前日EMA)
移動平均線の設定値のおすすめ
移動平均線を使ったトレードは超短期・短期・中期・長期のどの時間軸においても活用できます。
ただ、時間足によって移動平均線のベストな設定値は変わります。
ここでは以下の4つの時間足の移動平均のパラメータをご紹介していきましょう。
移動平均線の設定値
・5分足
・日足
・週足
・月足
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5分足の移動平均の設定
それを踏まえたうえで、本題に入りましょう。
5分足の移動平均線の設定値でおすすめなのは、以下のパラメータとなります。
5分足の移動平均線の設定値
・短期「5」
・中期「8」
・長期「13」
このパラメータの組み合わせは海外のFXスキャルパーがよく使っているみたいなのですが、日本株の短期トレードにも使えると思います。
日足の移動平均の設定
日足チャートの移動平均線の設定値(パラメータ)についてご紹介します。
日足を見たトレードというと、統計データがあるわけではないのですが、おおむね長くても半年程度で決済するトレーダーが多いのかなという印象を持っています。
ここでは、投資期間1~3か月の本当に短期用、そして1~6か月のやや中短期用のパラメータを取り上げます。
日足の移動平均線の設定値
・投資期間1~3か月
短期「5」
中期「25」
長期「75」
・投資期間1~6か月
短期「25」
中期「50」
長期「100」
・短期「5」中期「25」長期「75」
・短期「25」中期「50」長期「100」
週足の移動平均の設定
週足の移動平均線の設定値のおすすめは以下のとおり。
週足の移動平均線の設定値
・短期「13」
・中期「26」
・長期「52」
週足に関しては、クロサキもこのパラメータを用いてトレンドを見ていくのがベターだと考えます。
週足だと大体1年~1年半くらいの株価の値動きを最低でも見ていくことになりますが、このパラメータだと「だまし」も少なく、かといってゴールデンクロスなどの売買シグナルが出にくいということもありません。
適度に売買サインが出てくれるので、MACDやストキャスティクスなど他のインジケーターと組み合わせて利用することが多くなります。
月足の移動平均の設定
月足の移動平均線の設定値ですが、一般的には12・24・60という設定値の組み合わせが利用されることが多いです。
クロサキの考えるベターなパラメータはそれよりもやや短期的な見方の数値。
月足の移動平均線の設定値のおすすめは以下のとおり。
月足の移動平均線の設定値
・短期「6」
・中期「12」
・長期「36」
・短期「6」中期「12」長期「36」
移動平均の手法
移動平均線を使ったトレード手法をご紹介します。
一般的によく知られるゴールデンクロスとデッドクロスのほか、パーフェクトオーダーと呼ばれる現象をねらった手法を解説します。
移動平均線の手法
ゴールデンクロス
デッドクロス
パーフェクトオーダー
移動平均線のゴールデンクロス
移動平均線のゴールデンクロスとは短期MAが中長期MAを下から上に抜くことであり、買いサインといわれています。
上の定義を補足すると、中期MAが長期MAを下から上に抜くこともゴールデンクロスです。
以下に、移動平均線のゴールデンクロスのポイントをまとめました。
ゴールデンクロスのポイント
・3本の移動平均線(短期、中期、長期)が表示されている場合、短期MAが中期をGC、さらに長期MAをGCすると株価上昇の勢いが強くなる傾向にある
・ゴールデンクロスの角度が浅いと、「だまし」の可能性が高くなる
・ゴールデンクロスした株価があまりに急角度で上昇すると、反動の下落があるので注意
移動平均線のデッドクロス
移動平均線のデッドクロスとは短期MAが中長期MAを上から下に抜くことであり、売りサインといわれています。
上の定義を補足すると、中期MAが長期MAを上から下に抜くこともゴールデンクロスです。
以下に、移動平均線のデッドクロスのポイントをまとめました。
デッドクロスのポイント
・3本の移動平均線(短期、中期、長期)が表示されている場合、短期MAが中期をDC、さらに長期MAをDCすると株価下落の勢いが強くなる傾向にある
・デッドクロスの角度が浅いと、「だまし」の可能性が高くなる
・デッドクロスした株価があまりに急角度で下落すると、反動の上昇があるので注意
移動平均線の最強手法「パーフェクトオーダー」
移動平均線の手法の最後に紹介するのがパーフェクトオーダーです。
パーフェクトオーダーとは
パーフェクトオーダーとは複数の移動平均線(短期・中期・長期)が同じベクトルになっている状態で、強いトレンドの発生を示唆するシグナル。
【特徴】
・順張りトレードの強いシグナル
・トレンドが長期になりやすい
・上昇と下降のどちらのトレンドも現れる
移動平均線との組み合わせ
ここでは移動平均線と組み合わせるのに適しているインジケーターをご紹介。
移動平均線はトレンドフォロー系のインジケーターなので、基本的にはオシレーター系指標を組み合わせるのがベターとなります。
トレンドフォロー系:トレンドが継続するか終わるかをはかるためのインジケーター
オシレーター系:相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を判断するためのインジケーター
なかでも今回取り上げるのは「移動平均乖離率」です。
名称に移動平均と入っているだけあり、移動平均線との組み合わせに適したインジケーターといえるでしょう。
移動平均線と移動平均乖離率
移動平均乖離率とは、現在の株価(価格)が移動平均線とどのくらい離れているかを示す指標です。5MAで10%、25 MAで15~20%以上乖離すると、株価は移動平均線に接近しようとするといわれます。
下のチャートには3本の移動平均線と移動平均乖離率を表示させています。
右軸の目盛りを読むか、左はじの赤で囲った数値を確認して移動平均乖離率をチェックして利用することになります。
出典:SBI証券アプリ
クロサキコメント:
移動平均乖離率はジェイコム男としても知られるBNFこと小手川隆さんがデイトレードで利用していることでも知られます。
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