一目均衡表の見方と使い方をわかりやすく解説していきます。
一目均衡表は“最強”のチャートと多くのトレーダーから称されるほど、愛好者の多いチャートです。
実は、一目均衡表は日本生まれのチャートです。※後述
英語では「Ichimoku」「Ichimoku Cloud」と呼ばれ、2010年にデビッド・リントン著「Cloud Charts」が出版されてから海外でも知られるようになりました。
一目均衡表は、売買の均衡が一目瞭然にわかるとの意が込められており、価格の均衡が「買い」と「売り」のどちらに傾くかがわかりやすく、海外の機関投資家や個人投資家からの支持も厚く、「最強」と称されることがあります。
一目均衡表はとても奥の深いチャートであり、きちんと深部まで理解している個人投資家は少ないのではないでしょうか。
そこで、一目均衡表の見方と使い方をなるべくわかりやすく解説していきます。
目次
一目均衡表の見方・使い方
(最終更新日:2022/1/12、元記事:2021/12/24)
一目均衡表はローソク足と「5つの線」+「3つの理論」から構成されます。
<一目均衡表>
※出典:トレーディングビュー
転換線
基準線
先行スパン1
先行スパン2
遅行スパン(遅行線)
<一目均衡表の3つの理論>
波動論
水準論
時間論
一目均衡表の5つの線の意味と3つの理論…
これをきちんと理解することが、投資家の実力を向上させて資産増につながると思います。
まずは一目均衡表の基本となる5つの線の見方、使い方から解説していきましょう。
一目均衡表の転換線と基準線の見方(好転・逆転)
最初にご紹介するのは一目均衡表の転換線と基準線です。
一目均衡表の転換線とは、当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均値を当日に描き出したラインです。
転換値=(9日間の高値+9日間の安値)÷2
一目均衡表の基準線とは、当日を含む過去26日間の最高値と最安値の平均値を当日に描き出したラインです。
転換値=(26日間の高値+26日間の安値)÷2
転換線と基準線はそれぞれの方向性を重視することを前提にします。
(右上がりか、右下がりか)
そして、転換線・基準線・実線(ローソク足終値)の位置関係から、相場の需給バランスを判断して今後の値動きを予測することになります。
※出典:トレーディングビュー
「好転」
・基準線の下にあった転換線が、基準線を上回ることを「好転」といい、上昇転換シグナルとみなす。
ただし、基準線の傾きが重要で、基準線が右上がりにならなければ「好転」とはいわない。
「逆転」
・基準線より上にあった転換線が、基準線を下回ることを「逆転」といい、下落転換シグナルとみなす。
ただし、基準線の傾きが重要で、基準線が右下がりにならなければ「逆転」とはいわない。
「押し目買いと戻り売り」
・上昇トレンドの場合、一時的な下げがあっても基準線が「押し目」の限界と考えられる。
・下降トレンドの場合、一時的な上昇があっても基準線が「戻り」の限界と考えられる。
一目均衡表の転換線と基準線を見る時、
転換線が基準線より上 ⇒ 買い場
転換線が基準線より下 ⇒ 売り場
というセオリーを頭にいれておきましょう。
そうすれば大間違いをやらかすリスクは大きく減ります。
※関連記事
株の売り時と株式を売るタイミングを見つける方法
一目均衡表と雲 先行スパン1と先行スパン2の見方
一目均衡表の2本の先行スパン(先行スパン1と先行スパン2)の見方を解説します。
なお、海外では「先行スパンA」と「先行スパンB」という言い方もします。
先行スパン1と先行スパン2の計算式を紹介するとともに、「雲」の見方や使い方についても解説していきます。
一目均衡表の先行スパン1とは、転換値と基準値の平均値を、当日を含む26日先に描き出したラインです。
先行スパン1=(転換値+基準値)÷2
一目均衡表の先行スパン2とは、当日を含む過去52日間の最高値と最安値の平均値を、当日を含む26日先に描き出したラインです。
先行スパン2=(52日間の最高値+52日間の最安値)÷2
先行スパン1と先行スパン2の間にはさまれた部分を「抵抗帯」と呼び、雲みたいに見えることから、通称「雲」とも呼ばれています。
※出典:トレーディングビュー
上のチャートのうす緑とうすい赤の帯状になっているのが一目均衡表の「雲」です。
「トレンドの見方」
・ローソク足が一目均衡表の雲より上にあるとき、上昇トレンドとみなす
・ローソク足が一目均衡表の雲より下にあるとき、下降トレンドとみなす
「一目均衡表の雲の見方、使い方」
・上昇トレンドでは、株価が反落したときに雲が下値支持(サポート)となる
・下降トレンドでは、雲が上値抵抗(レジスタンス)として作用する
つまり、雲を突破(ブレイク)する場合、トレンド転換を意味する。
※出典:トレーディングビュー
一目均衡表の雲の「ねじれ」はトレンド転換サイン
一目均衡表の雲を語る上で「ねじれ」をはずすことはできません。
なぜなら、雲のねじれはトレンド転換となるからです。
雲のねじれとは、先行スパン1と先行スパン2が交差する局面をいいます。
雲のねじれは、トレンド転換シグナルとなり、転換線や基準線が密集する局面ではトレンドの転換を示唆しています。
<雲のねじれ>
※出典:トレーディングビュー
一目均衡表の遅行スパン(遅行線)
一目均衡表の遅行スパン(遅行線)の見方と使い方を解説します。
遅行スパン(遅行線)の定義を紹介するとともに、買いサインと売りサインについても紹介していきます。
一目均衡表の遅行スパン(遅行線)とは、当日終値を、当日を含む26日前にさかのぼって描き出したラインです。
計算式はありません。
遅行スパンは、均衡表の26日前と現在の価格を比較したインジケーターで、ローソク足と並行するラインとなります。
上のチャートを見ると、それが一目瞭然ですね。
ローソク足から遅れて同じラインが描かれています。
「遅行スパンと現在株価の位置関係」
現在の株価と遅効スパンには26日のタイムラグがあります。
これを前提に考えると、
上昇トレンド中は、現在の株価は26日前の株価を上回ります。
下降トレンド中は、現在の株価は26日前の株価を下回ります。
つまり、遅行スパンと現在株価の関係は、現在株価のトレンドを表示していることになります。
「遅行スパンの好転」(買いサイン)
遅行スパンが26日前の株価を上回ることを「遅行スパンの好転」といいます。
遅行スパンの好転とは、一般的に買いサインとみなされます。
「遅行スパンの逆転」(売りサイン)
遅行スパンが26日前の株価を下回ることを「遅行スパンの逆転」といいます。
遅行スパンの逆転とは、一般的に売りサインとみなされます。
「遅行スパンと25日移動平均線はリンクしている」
遅行スパンの好転するタイミングは、25日移動平均線(25MA)が上向くタイミングと一致する特徴があります。
逆に、
遅行スパンの逆転するタイミングは、25日移動平均線(25MA)が下向くタイミングと一致します。
※出典:トレーディングビュー
一目均衡表とは
一目均衡表とは、戦前に都新聞(現在の東京新聞)証券部に在籍していた一目山人が考案したチャート(罫線)です。
ボリンジャーバンドやMACD、RSIなど、ほとんどのテクニカルツールが価格(株価)の変動を重視するのに対し、一目均衡表では「時間」を最も大切にしています。
これは一目山人が
“時間こそが相場そのもの”
という強い信念を持っていたからだと考えられます。
一目山人(いちもくさんじん)はペンネームで、本名は細田吾一。
既述したように、一目山人は英語では「Ichimoku」「Ichimoku Cloud」などと呼ばれます。
ボリンジャーバンドの考案者ジョン・ボリンジャー氏のように、一目山人の名も「Ichimoku」の名で知れ渡っています。
一目均衡表の原著は「一目均衡表」(1969年)、「一目均衡表 完結編」「一目均衡表 週刊編」(1971年)など全7巻となっています。
<一目均衡表の原著「一目均衡表 完結編」>
そんな一目均衡表は5つの線と3つの理論から構成されます。
転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンの5つの線はすでに解説しました。
ここでは、一目均衡表の3つの理論…
すなわち「波動論」「水準論」「時間論」を解説していきます。
一目均衡表の波動論
株やFXなどのテクニカルトレードの世界には、「波動」を重視する人たちがいます。
波動とは、チャートの波打つ特徴的な形(チャートパターン)に当てはめてトレードする手法です。
「エリオット波動」は波動論のなかでも最も有名なものの1つだと思います。
一目均衡表にも波動論が存在します。
文字だけ見ると“むずかしそう”と思うかもしれませんが、とてもかんたん。
一目均衡表の波動(論)は下の図のように分類されています。
「基本波動」と「中間波動」が大元にあり、それぞれの波動が細分化されています。
中間波動は「P波動」「Y波動」の2つ。
これが一目均衡表「波動論」の基本類型になります。
基本波動「I波動・V波動・N波動」
では、一目均衡表の基本波動を解説していきましょう。
下の図が基本波動「I波動」「V波動」「N波動」になります。
用語解説をかんたんにまとめました。
I波動:価格の上下の1つ目の波。
⇒「上げ」か「下げ」のどちらか
V波動:価格の上下の2つ目の波。
⇒「上げ・下げ」か「下げ・上げ」の2パターン
N波動:価格の上下の3つ目の波。
⇒「上げ・下げ・上げ」か「下げ・上げ・下げ」の2パターン
上の見本では「上げ」から入っていますが、「下げ」から入る場合もあります。
一目均衡表の波動論の基本は、N波動を見ていくことにあります。
一目均衡表の波動論の考え方では、上昇トレンドでも下降トレンドでも「N波動」が続く限り、トレンドは継続すると考えられます。
中間波動「P波動・Y波動」
次に、一目均衡表の中間波動を解説していきましょう。
下の図が基本波動「P波動」と「Y波動」になります。
用語解説をかんたんにまとめました。
P波動:上値を切り下げながら下値を切り上げるパターン
⇒チャートパターンの「三角持ち合い」(均衡型)と同義
上下のどちらに傾くか判断がむずかしい。
Y波動:上値を切り上げながら下値を切り下げるパターン
⇒チャートパターンの「拡大三角形」と同義
この場合、上昇シグナルになりやすい。
一目均衡表の水準論
一目均衡表の水準論は、株価の値幅を観測することにより、波動の均衡値を探す分析方法です。
一目均衡表の水準論とは
“上昇トレンド中、株価が一時的に下落した場合、反発後はいくらくらいまで株価が上昇するのか?”
“下降トレンド中、株価が一時的に反発した場合、戻り売りされていくらまで株価が下落するのか?”
これを知るための考え方です。
均衡値は4種類あります。
N計算値
V計算値
E計算値
NT計算値
株価の上昇局面と下降局面…
どちらの一目均衡表の水準の計算の仕方も図説します。
繰り返しになりますが、一目均衡表の波動論の基本は、N波動を見ていくことにあります。
ですので、N波動をベースにした解説をしていきます。
一目均衡表の水準論(上昇局面)
まずは下のチャートをごらんください。
何を意味しているのか、まったくわからないでしょう。
ご安心ください。
きちんと解説していきます。
まずは用語解説からしていきましょう。
【A】
N波動のスタート地点
【B】
株価上昇後の節目の高値
【C】
Bの後に下落した節目の安値
【N計算値】
上昇局面の場合、上昇幅と同程度、反発後に株価が上昇する値です。
【V計算値】
上昇局面の場合、下落分の価格だけ、反落した高値から上昇する値です。株式市場では「倍返し」とも呼ばれます。
【E計算値】
上昇局面の場合、上昇幅と同程度、直近の高値から上昇するという値です
【NT計算値】
上昇局面の場合、上昇の開始点(A)から下落後の反発点(C)までの価格が、その反発開始点(C)から上昇するという値。
次に、N計算値・V計算値・E計算値・NT計算値の計算式を紹介していきましょう。
N=C+(B-A)
【V計算値】
V=C+(B-C)×2
【E計算値】
E=B+(B-A)
【NT計算値】
NT=C+(C-A)
N計算値・V計算値・E計算値・NT計算値の4つの目安となる価格を計算することで、どこで買うか、売るかの予測を立てられるようになります。
トレードの際、エントリーポイントを利確ポイントを決めておくことはとても重要な考え方です。
水準論はその売買ポイントを決めるのに役立ちます。
一目均衡表の水準論(下降局面)
まずは下のチャートをごらんください。
こちらも用語解説からしていきましょう。
【A】
N波動のスタート地点
【B】
株価下落後の節目の安値
【C】
Bの後に上昇した節目の高値
【N計算値】
下降局面の場合、反落した地点から直近の下落幅まで株価が下落するとされる。目安の値。
【V計算値】
下降局面の場合、反発後の上昇幅と同程度の価格分、直近の安値を起点として下落するよう算出した値。
【E計算値】
下降局面の場合、その前の下落幅(A-B)が、その前の安値から下落するという考えから算出した値。
【NT計算値】
下降局面の場合、下落の開始点(A)から下落後の戻り点(C)までの価格が、その点(C)から下落するという値。
次に、N計算値・V計算値・E計算値・NT計算値の計算式を紹介していきましょう。
上昇局面と下降局面で、計算式が異なるので注意しましょう。
N=C-(A-B)
【V計算値】
V=C-(C-B)×2
【E計算値】
E=B-(A-B)
【NT計算値】
NT=C-(A-C)
考え方は上昇局面とは真逆です。
N計算値・V計算値・E計算値・NT計算値の4つの目安となる価格を計算することで、どこで売るか、買い戻すかの予測を立てられるようになります。
一目均衡表の時間論
一目均衡表というチャート分析法は、「時間の概念」をとても重視しています。
一目山人は“値段よりも時間”という言葉を残しており、波動論・水準論・時間論のなかでも「時間論」を最重視していました。
一目均衡表の時間論とは、相場のトレンドや高値から次の高値までのサイクル期間、トレンド転換までに要する期間などの「相場の変化」を、数値の組み合わせによって計算できるという考え方です。
上のイメージ図のような、次の高値(下値も)やトレンド転換がいつくるのか、それを予測するための考え方が一目均衡表の時間論となります。
それでは具体的な話に入っていきましょう。
一目均衡表の時間論では、「基本数値」と「対等数値」と呼ばれる2種類の数値を使って分析します。
何を分析するのかというと、「基本数値」と「対等数値」も用いて、価格の「変化日」を探る分析をしていきます。
【基本数値】
一目山人が研究から導き出した定数で、「9・17・26」の単純基本数値と、単純基本数値の組み合わせによって算出される「33・42・65」などの複合基本数値がある。
【対等数値】
対等数値とは、過去の相場の変化日と変化にかかった期間から導く、次回の変化日の目安となる数値です。
【変化日】
変化日とは、トレンドが転換する日やトレンドが加速する日などを意味します。
ちなみに、基本数値をわかりやすく表にまとめました。
一目均衡表の時間論の使い方はとてもかんたんです。
たとえば、今日が12月1日で、A社の株価が高値を付けたとしましょう。
すると、基本数値である9日後、17日後、26日後に次の変化日が来やすいと考えます。
一目山人の膨大な研究の成果により、最も変化の起きやすい日が基本数値(単純)となっているため、9日後、17日後、26日後に変化日がやってきやすいと考えます。
・高値、安値を付けた日
・三役好転、三役逆転を実現した日
※三役好転、三役逆転については後述
・転換線と基準線の好転・逆転した日(買いサイン・売りサイン点灯)
以下のチャートはauカブコム証券からの引用ですが、一目均衡表の時間論の好例だと思ったのでご紹介します。
※出典:auカブコム証券
チャートに書いてある「30」「31」「33」「34」の数値は、複合基本数値「33」の近似値を表しています。
このチャートを見てもわかるように、基本数値はきっちり数字が合致していなければならないものではありません。
あくまで目安なので、2~3日の誤差はよくあります。
一目均衡表の三役好転と三役逆転は最強シグナル
一目均衡表の三役好転と三役逆転を解説していきます。
一目均衡表の三役好転と三役逆転は、強烈なトレンド転換を示唆し、最も強い買いサイン・売りサインになりやすいのが特徴です。
三役好転:一目均衡表の「最強」買いシグナル
三役逆転:一目均衡表の「最強」売りシグナル
三役好転と三役逆転について、詳しく解説していきます。
一目均衡表の三役好転は「最強」買いサイン
一目均衡表の三役好転は、三役という通り3つの条件をクリアする必要があります。
以下の条件をすべてクリアすると三役好転となり、買いシグナルとみなされます。
条件1:転換線が基準線を上抜ける
条件2:遅行スパンが株価を上抜ける
条件3:株価が雲(抵抗帯)を上抜ける
一目均衡表の三役好転の実例を見てみましょう。
下のオリックスの株価チャートは三役好転後、きれいに株価が上昇していっています。
※出典:トレーディングビュー
※青:転換線
※赤:基準線
※遅行スパン:緑
一目均衡表の三役好転が出た時の買いシグナルは、上昇トレンドが強くなる傾向があるため、うまく見つけられれば大きな利益につなげられるかもしれません。
一目均衡表には線が5つもあるので、複雑そうに思えるかもしれませんが、1つ1つはむずかしくはなく、ぜひ取り組んでいきたいテクニカルツールといえるでしょう。
一目均衡表の三役逆転は「最強」売りサイン
一目均衡表の三役逆転は、三役好転の正反対の3つの条件をクリアする必要があります。
以下の条件をすべてクリアすると三役逆転となり、売りシグナルとみなされます。
条件1:転換線が基準線を下抜ける
条件2:遅行スパンが株価を下抜ける
条件3:株価が雲(抵抗帯)を下抜ける
一目均衡表の三役逆転の実例を見てみましょう。
下の日立製作所の株価チャートは三役逆転後、下降トレンドとなったのが一目瞭然です。
※出典:トレーディングビュー
※青:転換線
※赤:基準線
※遅行スパン:緑
三役逆転の場合、とても強い売りシグナルになるため、長期保有目的以外の人は以下のことを考えた方がよいでしょう。
・利益確定の売り
・損切り(ロスカット)
・空売り
保有株に含み益のある人は、利益のあるうちに利益確定の売りを考える機会になります。
ポジションを持っていない人には、新規空売りを検討するチャンスになるでしょう。
信用取引をしたくない人であれば、日経ダブルインバースのように株価が下がったら価格があがる商品への投資を考えるのも手段の1つです。
一目均衡表と組み合わせの良いインジケーター
ご存じのかたもいると思いますが、一目均衡表を含むテクニカルツールは
トレンド(フォロー)系
オシレーター系
の2種類に大別できます。
トレンド系は、文字通り相場のトレンドを知るためのインジケーターです。
オシレーター系は、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を知るためのインジケーターです。
FXでも株でも仮想通貨でも、トレードをする際にはトレンド系とオシレーター系のインジケーターを組み合わせて使う人が多いのが一般的です。
なぜなら、お互いに足りないものを補完しあう関係だからです。
一目均衡表はトレンド系に分類され、トレンドを見ることに適しています。
ただし、弱点もあります。
それは、相場の過熱感がわからないことと、横ばいトレンドに弱いこと。
その弱点を補うためにオシレーター系のインジケーターと組み合わせて使う方法を覚えた方がトレードの成績も良くなるでしょう。
ここでは、一目均衡表とRCI(オシレーター系)の組み合わせをご紹介したいと思います。
オシレーター系には他にMACDなどがあります。
一目均衡表とRCIの組み合わせ
一目均衡表とRCIの組み合わせを解説する前に、RCIをかんたんに解説します。
RCI(Rank Correlation Index)は順位相関係数と訳される、オシレーター系の代表的なインジケーターです。
RCIは-100~+100%の数値で表示され、
+80以上なら買われすぎ
-80以下なら売られすぎ
と判断されます。
※SBI証券アプリ
一目均衡表とRCIの組み合わせの使い方
一目均衡表とRCIを組み合わせた使い方を解説しましょう。
基本的には、以下のように「買い」と「売り」を判断します。
【買いシグナル】
ローソク足が雲近辺にあり、RCIが「-50以下」の位置でゴールデンクロス
【売りシグナル】
ローソク足が雲近辺にあり、RCIが「+50以上」の位置でデッドクロス
ローソク足が雲の近辺にあるとき、下のRCIが+80以上でデッドクロスしているのがわかります。
その後、株価はゆるやかな下降トレンドとなっていますね。
ここで利確していれば、含み益が減ることもなく、空売りしていれば含み益となっていることでしょう。
このように、一目均衡表とRCIを組み合わせることで、売買サインを読み取る使い方ができます。
なお、RCIは無料サイトなどで使えるところが少ないのですが、SBI証券や楽天証券のPCサイト、スマホアプリなどで利用できます。
上図はSBI証券のスマホアプリのチャートです。
一目均衡表の計算式まとめ
一目均衡表は計算式がとにかく多い。
これまで個別に紹介してきましたが、最後に一目均衡表の各計算式をまとめておきます。
<転換線の計算式>
転換値=(9日間の高値+9日間の安値)÷2
<基準線の計算式>
転換値=(26日間の高値+26日間の安値)÷2
<先行スパン1の計算式>
先行スパン1=(転換値+基準値)÷2
<先行スパン2の計算式>
先行スパン2=(52日間の最高値+52日間の最安値)÷2
<遅行スパンの計算式>
なし
<水準論の計算式(上昇トレンド)>
【N計算値】
N=C+(B-A)
【V計算値】
V=C+(B-C)×2
【E計算値】
E=B+(B-A)
【NT計算値】
NT=C+(C-A)
<水準論の計算式(下降トレンド)>
【N計算値】
N=C-(A-B)
【V計算値】
V=C-(C-B)×2
【E計算値】
E=B-(A-B)
【NT計算値】
NT=C-(A-C)