グランビルの法則が株で使えない説は本当か?投資診断士が検証

グランビルの法則

グランビルの法則は株で使えない説は本当か?検証してみた

(最終更新日:2022/7/5、元記事:2018/10/16)
グランビルの法則は使えない」

グランビルの法則について検索すると、この手の情報が多く出てきます。

グランビルの法則とは、移動平均線を利用する株トレードにおける売買タイミングを図るための法則のこと。

金融記者だったジョセフ・E・グランビル(1923-2013年)が考案したことから、グランビルの法則(グランビルの8法則)と呼ばれています。

今では株のみならず、FXや先物取引など、あらゆるトレードのテクニカル分析に使用されています。

グランビルの法則は本当に株式投資に使えないのか?

投資診断士であるクロサキは気になって仕方ありません。

気になることはすぐ調べるをモットーに、検証してみました。

グランビルの法則が株で使えないのか、使えるのか?

具体的な銘柄を上げながら、わかりやすく検証結果をご紹介していきます。

グランビルの法則とは?

グランビルの法則が使えないのかを検証する前に、グランビルの法則について、かいつまんで解説していきます。

グランビルの法則とは「移動平均線」と「株価」、この2つの関係から適切な売買タイミングを図っていくための手法です。

下記の図がグランビルの法則(別名:グランビルの8法則)です。
グランビルの法則図

グランビルの法則では、株の「買い」と「売り」のタイミングがそれぞれ4つずつ。

そのタイミングについて図解したのがこの図になります。

グランビルの法則の図には、2つの山が描かれています。

なだらかな曲線のまるい山が移動平均線。
ギザギザの山が株価です。

株価チャートを見て、株価と移動平均線をパターン分析することで、「売り」「買い」の判断をするものです。

グランビルの法則の8つの売買ポイント

グランビルの法則の8つの売買ポイントを解説していきましょう!

<買いタイミング>(赤の1~4)

【赤1】株価が移動平均線を上抜いたタイミング!
⇒「ゴールデンクロス」。株価が上昇していくサイン!

【赤2】上昇トレンドの中、株価が移動平均線まで下がったタイミング。
⇒「押し目買い」。上昇トレンド自体は続いているので、一時的に株価が下がってもその後上昇が期待できる!

【赤3】上昇トレンドの途中で株価が下落したものの、移動平均線までは下がらずに反発したタイミング!
⇒移動平均線まで株価が下がらないほど買いの勢いが強いので買い!

【赤4】移動平均線を大きく下に乖離(かいり)したタイミング!
⇒突然大きく下げすぎると、株価はゴムのように元の位置に戻ろうとする力が働く!

<売りタイミング>(青の1~4)

【青1】株価が移動平均線を下回ったタイミング!
⇒「デッドクロス」。株価が下落していくサイン!

【青2】上昇トレンドになりそうだったが、ならなかったタイミング!
⇒「戻り売り」。すぐに損切すべし!

【青3】移動平均線を上に抜けない!
⇒ゴールデンクロスにならないほど、下落トレンドが強いことの現れ。株の購入は控えた方がダメージ少なし。

【青4】株価が移動平均線を大きく上に乖離(かいり)したタイミング!
⇒突然大きく上げすぎると、株価はゴムのように元の位置に戻ろうとする力が働く!

以上がグランビルの法則の8つの売買ポイントになります。

色々な時間足(1時間足、日足、週足など)のチャートを見て、パターン分析をしてみることが重要です。

グランビルの法則が使えないと主張する人は、グランビルの法則で利益を上げられない人だと思います。

本当に彼らの主張通り、グランビルの法則は使えない、勝てない手法なのか?

検証してみました。

グランビルの法則は使えない?いえ、使えます

グランビルの法則が使えないのか、使えるのか?

検証してみました。

グランビルの法則:買い

グランビルの法則が使えないかどうか見てみましょう。

下図をごらんください。

グリムス株価チャート
※引用:ヤフーファイナンス

グリムス(3150)のチャートです。

グランビルの法則の買いのエントリーポイントのうち、1・2・3がきちんと機能していることが検証の結果、確認できました。

上のチャートでは、25MA(赤いライン)を使ったグランビルの法則が機能していることがわかります。

一度のみならず、短期間で3回も機能していることから、グランビルの法則が使えないということはないとの検証結果となりました。

グランビルの法則:売り

グランビルの法則は売りでは使えるのか、使えないのか?

チャートを確認してみましょう。

ITbookホールディングス株価チャート
※引用:ヤフーファイナンス

ITbookホールディングス(1447)のチャートです。

こちらも25MA(赤いライン)を利用すると、グランビルの法則の売りでのエントリーポイントが3回ありました。

グランビルの法則が使えないことは、売りにおいてもなさそうです。

グランビルの法則の使用上の注意

グランビルの法則が使えない主張があることから、今回検証してきましたが、決して使えないことはない、という結果になりました。

ただし、注意点もあります。

グランビルの法則だけで判断するのは、ややリスキーであることです。

首吊り線や釈迦三尊などの酒田五法のチャートパターン。

RSIやMACDなど、オシレーター系のテクニカルツールなども複合的に使って情報の精度を高めた方がより良い成果につながるとクロサキは考えます。

そうすることによって、テクニカル分析につきものである「だまし」に遭う確率を減らせます。

また、移動平均線のインジケーターも自分で調節してみることをおススメします。

今回は25日移動平均線を活用しましたが、他のMAの方がより綺麗にグランビルの法則のパターンが出現する場合があります。

日足だけでなく、週足でパターンが出る場合もあるので時間足を変えることも意識してみるとより良いでしょう。

株のスキャルピングでグランビルの法則を活用する際にも、「だまし」を減らすためにトレンド系とオシレーター系のインジケーターを併用することをおススメします。

スキャルピングのテクニカル分析やコツについては下記記事にまとめましたので、ご興味があればチェックしてみてくださいね。
↓↓↓
スキャルピングのコツとテクニカル手法【株式投資】

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