東証再編に現実味…東証1部から7割降格削減で株価下落銘柄続出か?

東証

東証再編、東証1部は2100社→600~1000社案有力。ファンドの売りで降格銘柄は株価下落か?

昨年末、日経平均が暴落するなど「暗黒のクリスマス」などといわれていた頃、もう1つの激震が走っていました。

東証再編

東京証券取引所(東証)が、現行の4市場(1部・2部・ジャスダック・マザーズ)から3市場へと再編を検討していることが報じられたのです。

問題はその東証再編の内容です。

再編内容を箇条書きにしてみました。

<東証再編内容>
4市場3市場に再編
・東証1部上場基準を厳格化
・ジャスダックとマザーズの区別がつきにくいことから新興市場の再編

といったところでしょうか。

特に「東証1部上場基準の厳格化」は影響が大きくなることが予想されます。
東証は現在約2100社ある1部上場銘柄を600~1000社くらいまで絞る(削減する)つもりのようです。
東証再編案
そうなると1部から降格することになる銘柄にとってはたまったものではありません。
ファンドの売りによって株価の大幅な下落が予想されるからです。

ですので、今回の東証再編を実現するためのハードルは高いと言われています。
東証始まって以来の大改革になる可能性がありますし、各方面への影響が大きくなり、不利益を被る人たちが出てくるおそれがあるためです。

それでも改革を進めようとする東証には危機感があるのだと私は思います。

今回の東証再編の話。

東証は本腰をいれて改革に乗り出すみたいですし、以前よりも現実味を帯びてきたともいえるでしょう。

株式投資家にとって見逃すことのできないこのテーマを、再編が実現した場合、どんな影響が出るのかにしぼってお話していきます!

東証再編でわかりにくい新興市場がスッキリ

現在の東証に存在するジャスダック市場マザーズ市場

その区別を明確に答えられる人はそう多くはないのではないでしょうか。
私もその1人です(笑)

どちらも新興市場という認識しかありません。

マザーズは元々東証にあった市場ですが、ジャスダックの場合は東証が大証(大阪証券取引所)を吸収したことにより、大証から引き継いだ市場です。

上場企業数はジャスダックの方がマザーズよりも圧倒的に多いのが特徴です。

厳密にいうとジャスダック市場はさらにグロース市場とスタンダード市場に分かれており、このことがさらにマザーズとジャスダックの区別をわかりにくくしていると思います。

今回の東証再編が現実になれば、この新興市場のわかりにくさも解消されることが期待されます

そうすれば、今まで新興市場の違いがわからずに投資を控えていた大口投資家からの投資(買い)が入りやすくなる可能性があります。

今回の東証再編では、創薬ベンチャーなど…新興企業が上場しやすくなる改革案もあるらしく、東証としても再編後のマザーズに投資資金が入りやすいような施策を取ることが予想され、東証マザーズ市場も現在より活況になることが期待されています。

個人的には新興市場がわかりやすくなることには大賛成です。
ただ、上場後株価が公開価格を下回り、全然上がらないような企業が増えないことを願っています。

東証再編により、東証1部から降格企業は株価下落、1部残留企業にはさらに投資資金集中が予想される

現在の東証1部上場企業の銘柄数は多すぎる。

このことは以前から言われていました。
東証1部上場企業と言ってもピンキリです。

トヨタやソニー、任天堂、ソフトバンクのような時価総額や売上高が1兆円を超えるような巨大な企業から、時価総額数百億円程度の企業まであります。

はっきり言えば、あまりにも企業規模が違い過ぎるのに、同じ土俵に立っていることには違和感を覚えます。

現在の東証1部上場基準では、上場時の時価総額が40億円以上あればOKとなっています。

<東証1部上場基準(一部抜粋)>
東証1部上場基準
(参照:東証HP

再編の改革案では1部上場(維持)基準を時価総額500億~1000億円まで引き上げるとのこと
(参照元:時事ドットコムのコチラの記事

これにより、現在およそ2100社ある1部企業は600~1000社程度に絞られることになります。

仮に2100社から1500社降格して600社まで1部上場企業が減ると、70%強の銘柄が削減されることになります。

その結果、どんなことが起こるのか?

考えられることは2つ。

・1部から降格した企業の株価が下がる
・1部に残留した企業の株価が上がる

大まかに言うとこうなることが予想されます。

では、なぜこのようなことが起こるのか?

それは投信や海外ファンドなどの運用ルールなどにあります。

ファンドの中には、時価総額が大きくて出来高が多い東証1部企業にのみ投資することを社内ルールに設けているところがあります。
その数は一般的に決して少なくありません。

ですので、東証1部から降格することになると、ファンドがその企業の株を売りに出す可能性が高いのです。
その結果、降格企業の株価は下落するということになります。

その反面、ファンドは1部上場企業に投資するルールを持つところが多いので、降格した企業の株を売って得た投資資金で1部残留銘柄に投資をしていく可能性が高くなるわけです。

よって、東証1部残留企業の株価は上がっていくことが予想されます。

ファンドの動かす資金は大きいので、賢明な個人投資家は当然その流れに乗ります。
ですので、個人投資家の投資資金もファンドと似たような動きになっていくことが予想されます。

もちろん、1部から降格した企業の中にも有望な銘柄はあると思いますので、そうした企業には買いが入ることになるでしょう。

上記のようなことが予想されるので、改革案の基準だと降格してしまうことになる企業としてはたまったものではありませんよね。
ですので、そうした企業からの東証への反発が出ることも予想されます。

東証再編へのハードルは高そうですが、日本取引所グループの清田瞭CEOは「実現には十分に時間をかける必要がある」とのコメントを残し、長期的な展望もある模様です。

時間をかけてでも再編していく覚悟を持っているということだと思います。
それだけに再編に現実味が少し出てきたのかなと感じています。