ストップ高と値幅制限 4倍になった例とS高連続記録

ストップ高 値幅

ストップ高と値幅の関係とは?

(最終更新日:2022/7/8、元記事:2020/8/7)

突然ですが、「ストップ高と値幅」の関係が変わったのをご存じですか?

2020年8月、東証は連続ストップ高銘柄の値幅制限を拡大。

この値幅拡大により、ストップ高翌日の値幅がますます投資家から意識されるようになりました。

そこで「ストップ高と値幅の関係」を変更になった部分もふくめておさらいしていきましょう。

ストップ高と値幅制限

ご存じかもしれませんが、米国株にはストップ高も値幅制限もありません。

この日本株独特のストップ高・値幅制限ルールが存在する理由は

株価の異常な急騰・暴落を防ぎ、投資家を保護するためです。

最近話題になった米国のゲームストップ株の株価急騰の背景の1つに、ストップ高制度がないことが挙げられます。

歯止めをかけるルールがないので、理論上はどこまでも株価が上昇してしまうのです。

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ゲームストップ株の場合、2021年1月末時点で株価が昨年来安値の188倍まで急騰しました。2020年末と比べても18倍に急上昇しました。

では、東証が定めるストップ高と値幅制限の関係を見てみましょう。

下の表は【値幅制限の一覧】です。

値幅制限の一覧
※基準値段=前日終値。

細かく規定されていますが、全部を覚える必要はないのでご安心を。

ストップ高の値幅制限700円くらいまで把握していれば問題ないでしょう。

ストップ高翌日の株価

では、ストップ高になった翌日の株価はどうなるのでしょう?

かんたんな例題を出してみます。

<例:(株)クロサキの株価>
値幅制限の例

見てほしいのは、ストップ高翌日の3月3日。

(株)クロサキの株価は50円の値幅制限により、120円~220円で落ち着きます。

制限値幅がない場合、株価は500円でも600円でも上昇してしまいます。

ストップ高翌日の値幅制限拡大とは?

2020年、東証はストップ高と値幅について旧ルールを改め、新ルールを作りました。

「2日連続で寄らずのストップ高になった場合、翌日の値幅を4倍にする」ルールです。

<ストップ高と値幅制限の新旧ルール>
ストップ高と値幅制限ルール

ストップ高には2種類あるのをご存じですか?

  2種類のストップ高

・株価が寄るストップ高

・株価が寄らないストップ高

※「寄る」とは取引時間中に値が付くこと
※「寄らない」とは取引時間中に値が付かず、15時にストップ高比例配分になること

上記の(株)クロサキを例に取ると、

【株価が寄ってからストップ高】

3月2日、株価に140円の値が付き、その後170円のストップ高。

【株価が寄らずのストップ高】

3月2日、取引開始直後から値が付かず、取引終了時間に170円のストップ高比例配分。

東証のルール改正は、2日連続で寄らずストップ高翌日の値幅についてのもの。

(株)クロサキの例だと、新ルールでは以下のようになります。

3月3日、前日同様に寄らずのストップ高。終値220円。

3月4日、値幅が4倍(+320円)に拡大。終値の最大値が540円に。

※旧ルールだと終値の最大値は300円。

この新ルールは市場を速やかに落ち着かせるため、早めに株価が寄るようにしたものです。

ストップ高(安)の連続記録

ここでストップ高とストップ安の連続記録をご紹介しておきましょう。

現在では、4倍ルールの導入により何日も連続でストップ高になることはほとんどありませんが、知識として過去の例を知っておくのは良いことだと思います。

  ストップ高とストップ安の連続記録

【ストップ高】
フィスコ:18日連続(2009年)

【ストップ安】
光通信:20日連続(2000年)

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18日連続ストップ高に20日連続ストップ安…!今じゃ信じられない出来事ですね

2日連続ストップ高後、値幅4倍になった「リード」

ストップ高と値幅の新ルール、値幅4倍になった実例を紹介。

東証2部の「リード」(6982)です。

リードは、自動車用の車両部品を製造するメーカーで2021年3月期の業績予想は赤字。

しかし、自動車外装部品のコストを30%削減する技術を開発

これが買い材料となって2020年11月24日~25日、2日連続寄らずのストップ高となりました。

11月25日の終値は609円。

通常なら翌日の値幅は100円。

4倍の値幅拡大ルールが適用され、値幅制限は400円となりました。

<リードの株価>
リード株価情報
※出典:ヤフーファイナンス

<リードの株価チャート>
リード株価チャート
※出典:ヤフーファイナンス

25日のストップ高翌日…

11月26日の株価を見ると、高値1009円まで上昇しています。

リードは値幅制限4倍を達成した銘柄となりました。

ストップ高と値幅の注意点

ストップ高で値幅制限まで株価が急騰した銘柄には注意が必要です。

ストップ高になると、多くの投資家の注目を集めます。

そうなると、イナゴ投資家が群がってきてイナゴタワーが形成され、崩壊するリスクも高まります。

特にボロ株(低位株)は、ビッグサプライズが出ると値が軽い分、連続ストップ高になりやすいため要注意。

寄らずのストップ高の場合、買い注文を入れてもなかなか約定しません。

やっと約定したと思ったら、高値掴みだったということも少なくありません。

ストップ高翌日などは、特に気をつけないと思わぬ痛手となりますのでご注意ください。

株価が寄り付いた瞬間に機関投資家が空売り攻撃してくる可能性もあります。

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