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セルインメイを独自検証した結果を公開
(最終更新日:2021/4/5、元記事:2019/5/8)
あなたは株式市場のアノマリーを信じますか?
「セルインメイ(SELL IN MAY)」
この格言は、おそらく最も有名なアノマリーの1つでしょう。
でも、本当にあたるの?
そう思っているかたも多いと思います。
事実、クロサキもそう思っていますから。
そこで…
検証しました、セルインメイを。
ただし、独自の検証方法なので、まずはその説明をかんたんにします。
通常は、セルインメイの検証をする場合、5月一カ月分の騰落を見て行うと思います。
クロサキの場合は少し違います。
「4月の最終営業日の終値」と「GW明けの終値」
この2つの日経平均を比較。
なぜこのような検証方法をするのか。
それは、大型連休明けは株価が動きやすいから。
フラッシュ・クラッシュと呼ばれる瞬間的な急落も、連休明けにねらわれやすくなります。
「セルインメイ」のかんたんな解説と共に、独自の検証結果から見えてきた真実をお伝えしてきましょう。
セルインメイとは?(SELL IN MAY)
セルインメイ(SELL IN MAY)という投資格言はアメリカで生まれました。
この言葉、省略されて使うことが多い言葉でもあります。
そうです…この言葉には続きがあるのです。
正しくは…
(5月に株を売って、9月の第2土曜日まで相場に戻るな)
アメリカ市場の場合、6~8月は株価が軟調になりやすく5月に売って、投資家が戻ってくる9月まで待っておけ…
という教訓めいた言葉だと思います。
この手のアノマリーは、コンピュータが普及する以前の前近代的な時代の格言がほとんど。
現在は当てはまらないことが多いかもしれません。
それでも、成功するためには歴史から学ぶことも重要なので投資の参考にしています。
セルインメイは米国の税制度のため?
セルインメイを考える際、頭にいれておきたいのが米国の税制度です。
米国の税制度は、年末に株式の損失を確定させるために保有株を売り、年間所得を調整する必要があります。
翌年1月半ば以降、総合課税の還付を請求することになります。
この税金の還付は巨額で5月まで継続されるのです。
還付金が再投資されるため、米国では5月まで株価が高い傾向にあるとされています。
セルインメイの検証結果(2011年~2020年)
セルインメイの検証結果を発表します。
検証方法は「4月最終営業日の終値」と「GW明けの終値」の日経平均の騰落です。
過去10年間の検証結果は
上昇3回、下落7回。
ただ、2011年と2018年は、ほぼ横ばい。
これを「引き分け」とすると…
日経平均の騰落は
2勝6敗2引き分け
となりました。
GW明けの日経平均株価は下がる傾向があるようです。
これはつまり、セルインメイの格言を意識した売りが入っている可能性の示唆…
といえるのではないでしょうか。
2011年以降の検証結果では、60%の確率でGW明けの日経平均は下がりました。
ということは、
4月末に日経平均連動型のダブル・インバースを買うなどの戦略が立てられそうですね。
セルインメイの時に仕込んでおきたい株の探し方
セルインメイでGW明けに日経平均が下落しやすいのはわかりました。
そんな中、仕込んでおきたい銘柄は短期狙いよりは中長期狙いの株。
中長期狙いとなるとチャートはもちろん、ファンダメンタルズ分析もしておきたいところ。
クロサキ流のスクリーニング条件の1つを紹介します。
・PBR1倍以下
・ROE10%以上
・自己資本比率50%以上
・毎期売上高、営業利益、純利益、配当が高い成長を実現しているか?
・粗利率、営業利益率が高いか?
※投資は自己責任と判断でお願いいたします。
他にも細かい条件はありますが、おおまかに上の項目に注目します。
スクリーニング後にリストアップされた銘柄の中から、自分の理解できる事業を行っている会社に投資することが多いですね。
セルインメイ時の銘柄探しのやり方として、ご参考になれば幸いです。