アサヒグループHD、豪ビール大手M&Aで株価急落の真意

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アサヒグループHD、1.2兆円巨額M&Aに投資家は不安?株価急落のわけ

アサヒグループHD」(2502)が、豪ビール最大手「カールトン&ユナイテッドブルワリーズ」を1.2兆円M&A

そんなニュースが飛び込んできました。

人口減などで国内のビール市場が厳しい中、海外に活路を見出したアサヒグループHD。

しかし、投資家が出した答えは、株の売りでした。

アサヒグループHDチャート

※引用:ヤフーファイナンス

上記の週間チャートをご覧いただくと、M&Aの発表があった日の翌日、7/22株価が急落しているのがわかります。

19日の終値が5038円。
22日の終値が4591円。(20、21は土日)

前日比447円安という結果になりました。

企業買収(M&A)は、企業の成長の柱の1つ。

それにもかかわらず、なぜアサヒグループHDの株価は急落してしまったのか?

M&Aと株価の関係について、迫っていきたいと思います!

アサヒグループのM&A、なぜ株価急落を招いた?

では、なぜアサヒグループHDの豪企業買収が、株価急落を招くきっかけとなったのかに迫っていきます。

結論からいうと、財務状況の悪化とBPS(1株純資産)の希薄化を株主(投資家)が嫌気したからだと思います。

もう少し詳しくお伝えしていきましょう。

ロイター通信の報道によれば、

「カールトンなどの買収資金約1.2兆円に関連し、アサヒグループHDは上限2000億円の普通株発行を登録した」とのこと。加えて、「負債性資金の調達を予定している」とも報じられました。

つまり、既存の株主からしたら…

・新株発行により、BPSが希薄化する。
・巨額の借入金を使っての買収になりそうなので財務状態が悪化する。

という懸念点が出たということです。

1.2兆円かけてM&Aを行っても、それだけの売り上げと利益をすぐにもたらしてくれる保障はありません。

短期売買を好む投資家は、悪材料があるとすぐに逃げる(売る)ので、アサヒグループHDの株価も急落するに至ったと考えられそうです!

さらに言うと、今のところ今年の夏は涼しい日が続いているので、ビールの需要は減っていることが予想されます。
ビールなどの酒類は季節性商品の側面もあり、天候にも左右されやすいので、今年の気候はかなり厳しいのではないかと思います。

それも株価に期待が持てない要因の1つでしょう。

アサヒグループHD月次売上

※出典:アサヒグループHD

アサヒグループHDのHPの2019年1-6月販売動向を見ると、前年割れしているのがわかります。

こうした現状と株の価値棄損。

この二つの要素により、株価の急落を招いたものと予想します。

アサヒグループHD、M&A懸念で急落した株価は復活する?

今回の買収発表により急落したアサヒグループHDの株価。

果たして、復活はありえるのでしょうか?

結論からいえば、倒産しない限りは復活の可能性はあります。
株価というのは上がったり下がったりを繰り返しているので、一時的に下がったとしても上昇していく可能性はあります。

アサヒグループHDの場合、買収企業がどれくらい業績に貢献してくれるのか、ということが株価復活のカギとなりそうですね。

さらに言えば、国内外問わず、大ヒットするような新商品を開発できるかも重要です。

スーパードライのような定番商品は安定した売り上げを見込めますが、やはりインパクトはそれほど強くはありません。

生産が追い付かなくなるほどの、魅力的な商品を新しく作れるようならば、株価は大きく上昇していくのかなと思います。

あとは再三伝えているように気候だと思います。

暑いとビアホール、ビアガーデンに行く人も多くなるでしょうし、家で飲む人も増えることでしょう。

海水浴など、アウトドアレジャーなどで飲酒する人も増えるでしょうから、夏は夏らしく暑くなってくれれば、ビールや発泡酒などの需要も伸びてアサヒグループHDの業績にも期待が持てるようになると予想されます。

今回買収する企業はリーズナブルな商品よりはプレミアムな商品に強みを持っているようですので、単価の高い商品を多く売ることができれば、株価にも大きな反映がされるのではないでしょうか。

そうなってくれば、短期間にというわけにはいかないかもしれませんが、徐々に株価が回復する可能性は十分にありそうな気がします。

財務状態の改善、財務状態の改善、業績アップ、株主還元の向上…

これらが実現していけば、投資家のアサヒグループHDへの投資意欲も増加してくることでしょう。

今後もどうなるのか、同社の動向を追っていきたいと思います!

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