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ベンジャミングレアム(バフェット師匠)のバリュー投資のメリット・デメリット
(最終更新日:2020/10/30、元記事:2020/8/24)
ベンジャミングレアム(ベンジャミン・グレアム、ベン・グレアム)…
彼の名前を聞いたことのある投資家は多いことでしょう。
ベンジャミングレアムは、ウォーレン・バフェットの師匠にしてバリュー投資(割安株投資)の父でもある伝説の投資家です。
とはいえ、グレアムが活躍したのは20世紀前半。
半世紀以上も経った現在でもベンジャミングレアムのバリュー投資(割安株投資)は通用するのでしょうか?
ベンジャミングレアムのバリュー投資のメリット・デメリットについて、わかりやすくお伝えしていきます。
ちなみに、ベンジャミングレアムの著書「賢明なる投資家」、「証券分析」は間違いなく投資家のバイブル的存在。
読んでおいて損はないと思います。
上記2冊はパンローリング社から発売されています。
それでは、ベン・グレアムのバリュー投資のメリット・デメリットに迫っていきましょう。
ベンジャミングレアムのバリュー投資の優位性とバリュートラップとは
そもそもベンジャミングレアムが考案したバリュー投資(割安株投資)とは、どんな投資手法でしょうか?
かいつまんでお話していきます!
ベン・グレアムの編み出したバリュー投資は一言でいえば、
“1株純資産を大きく下回った株価の銘柄に投資する”
ということになります。
もう少し投資用語を使っていうと、PBR1倍を大きく下回った銘柄に投資していくのが、グレアムのバリュー投資と言って良いでしょう。
ベンジャミングレアムは、1株あたり純資産額を大きく下回った株価の銘柄は、いずれ株価が評価されて回復していくと考えました。
グレアムが活躍した時代は、バリュー投資が多く通用する時代でした。
しかし、中には安く買っても上がらない株も存在しました。
弟子のバフェットは師グレアムのバリュー投資をさらに進化させて割安で競争力の強い株などに投資していき大成功を収めました。
1株あたり1000円の株が500円で売っていたらバーゲンセール。
そのうち株価は見直されて1000円に近づくというのがグレアムの割安株投資の神髄ですね。
割安で買っているところにバリュー投資の優位性はあるといえます。
しかし、現在、グレアムのバリュー投資を日本株で行っても、なかなか株価が上昇しない銘柄がいくつもあります。
俗にいうバリュートラップ(割安のわな)です。
株価が上がらないのは、一時的に理不尽な値下がりをしているからではなく、投資家から完全に見放されているからである、というのがこの考え方です。
見放されているので、よほどのことがない限り株価は上昇しません。
投資効率が悪くなりますし、下手したらじりじり株価が下がり続けて含み損をいつまでも味わうことになるかもしれません。
おさらいになりますが、
1株純資産を大きく下がっている株はいつか株価が上がるという考え方がメリット。
バリュートラップに引っかかって、投資効率を悪化させてしまうリスクがデメリット。
グレアムのバリュー投資にはこんなメリットとデメリットがあると筆者は思います。
ベンジャミングレアムのバリュー投資は、工夫によって大きな利益を狙える
ベンジャミングレアムのバリュー投資…
この割安株投資をそのまま現在の日本株でやっても、安定的に大きな利益を上げるのは難しいかもしれません。
PBR1倍割れを起こすような株はごまんとあります。
例えば銀行株はほとんどがPBR1倍割れを起こしています。おまけに高配当(笑)
しかし、株価は何倍にも上昇したりはしていません。
では、グレアムのバリュー投資はだめなのかというと、そんなこともありません。
ただ、現在の日本株でベン・グレアムのバリュー投資を成功させるには工夫が必要だと思います。
割安になっている銘柄ならどれでも良いわけではなく、スクリーニングが必要です。
私が思う理想としては、グロース株の中で割安になっている銘柄が良いですね。
リーマン・ショックやコロナ・ショックのような相場の暴落時には、成長性の高い新興市場からは投資資金が逃げやすくなります。
その分、株価も大きく下がり、PBR1倍割れで高成長株に投資できるチャンスもふくらみます。
他にも、不祥事を起こしたり、決算後に材料出尽くしで一時的に株価が大きく下がった時などもチャンスです。
このように、狙う銘柄や投資のタイミングを工夫したりすることで、グレアムのバリュー投資の精度はアップすることでしょう。
チャンスはいつでも転がっています。
あなたに合った工夫の仕方を見つけることが成功のカギになることでしょう!