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ソフトバンクグループのMBOによる株式非公開化はあるのか?株価はすでに急上昇!
ソフトバンクグループのMBOによる株式非公開化が再検討されているようですね。
ソフトバンクグループ(9984)の株価が本日9月14日、前日比10%近い上昇。
※出典:ヤフーファイナンス
ソフトバンクグループのチャートを見ると、最近は株価が下降気味だっただけに、大幅反発した感がありますね。
<ソフトバンクG株価チャート>
※出典:ヤフーファイナンス
このソフトバンクGの株価急騰には2つの理由があります。
1つは、英子会社アームの売却が決まったこと。
アーム売却により、財務状態が大幅に改善されることになるため、投資家から好感されています。
そして…
もう1つの理由こそが、ソフトバンクグループのMBOによる株式非公開化の再検討です。
両方とも買い材料に間違いありませんが、<b>管理人個人としては、後者のMBOによる株式非公開化の方がインパクトの強い印象b>です。
ソフトバンクグループは、本当にMBOを実行して株式非公開化するのでしょうか?
孫正義会長兼社長の決断はいかに?
ソフトバンクグループのMBO、株式非公開化の検討は今回が初めてじゃない
実はソフトバンクGのMBOによる株式非公開化の検討は初めてではありません。
2020年3月期決算発表の際、孫正義会長自らが春頃に真剣にMBOを検討していたことを明かしています。
今回はそれが再燃した形となるわけです。
ソフトバンクグループの20年3月期決算といえば、前期の空前の黒字決算から一変…
真っ赤っかの大赤字決算。
19年3月期は
売上高9.6兆円
当期純利益1.4兆円
それに対して20年3月期は
売上高6.1兆円
当期純損失0.9兆円の赤字
ご存じのようにウィーワークのIPO延期やウーバーの株価低迷など…
投資先の業績不振やIPO不発などが響き、業績は急転直下となりました。
※出典:ヤフーファイナンス
さらには、ソフトバンクグループの株主構成にも変化が生じ、アクティビスト(モノ言う株主)が大株主に名を連ねることとなりました。
投資先企業の不振などもあり、ビジョンファンドの2号案件では投資資金が思うように集まらないという事態にまで発展。
ソフトバンクG、孫正義会長にとっても誤算続きの1年だったといえるでしょう。
業績が悪いと、当然のことながら株主たちからの厳しい批判にさらされます。
ソフトバンクグループは上場企業なので、悪材料などが出るとすぐに株価が急落します。
ソフトバンクG株を担保にして金融機関から融資を受けている孫正義会長にとっては、徐々にデメリットの方が多くなっていったものと管理人はみています。
担保の価値が目減りすれば、さらなる担保の提出を求められることにもなるので。
厳しい株主の批判などへの対応にエネルギーを費やすのも、わずらわしいと思っても不思議ではありません。
それならいっそのこと、ソフトバンクグループ株に対してMBOをして、株式非公開した方が良いのではと考えるのは合理的な考え方なのかもしれませんね。
ソフトバンクグループのMBOが投資家にもたらすものとは
ソフトバンクグループのMBOによる株式非公開化は、20年9月14日時点で決定したものではありません。
ただ、投資家としては
万一ソフトバンクGによるMBOが実施されることになったらどうなるのか、知っておくことは大切だと思います。
そもそもMBOとはManagement Buyout(マネージメント・バイアウト)の略で、経営陣による買収を意味します。
経営陣がどんな時にMBO戦略を取るのかといえば
・株式上場を維持することにメリットを感じなくなった場合
・敵対的買収への防衛策として
などが考えられます。
管理人の見解としては、ソフトバンクグループの場合は前者の理由からMBOによる株式非公開化を目指していると思われます。
では、MBO実施のIRが発表された場合、投資家には何がもたらされるのか?
答えはプレミアです。
もう少し詳しくいうと、プレミア価格を乗せた株価でソフトバンクG株を買い取りますよということです。
孫正義会長率いる経営陣がどれほどのプレミアを乗せるかはわかりません。
ですが、プレミアの分だけ株価は上昇することになり、株主にとってはより高値で株を売却できることになります。
株価上昇は、現物株に投資している投資家にとってはメリットとなりそうですね。
デメリットもあります。
プレミアを乗せた株価以上の株価で買ってしまっている場合、買い値以上の株価になりにくいため、損切りすることになる点です。
今後のソフトバンクグループの成長から得られるリターンを得られなくなることもデメリットといえるでしょう。
ただ、おそらく圧倒的多数の株主にとっては高値で買い取ってくれる恩恵を享受するメリットの方が多いのかなと思います。
実際にMBOするかはわかりませんが、ソフトバンクグループの動向は今後もチェックしていきます!