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日本和装HD吉田重久会長兼社長が会社の金でクルーザー&高級外車。公私混同で辞任
まるで未上場の中小企業社長のようです…。
日本和装ホールディングス(2499)創業者である吉田重久氏が会社の金でクルーザーやロールスロイス、社宅費用などを支払っていたことが発覚し、辞任に追い込まれました。
中小企業の社長さんならこの手の話は良く聞きます。
しかしながら、コンプライアンスの厳しい上場企業でいまだにこのような不祥事がまかり通っていたことには驚いてしまいました…
しかも、吉田重久氏だけでなく他の取締役や関係者・関係企業も含めてかなりの数がコンプライアンスに引っ掛かる取引などを行っていたことも明らかになりました。
詳しくは日本和装HDのHPからダウンロードできるIR資料を見ていただきたいところですが、概要をかいつまんでご紹介するとともに、吉田氏の公私混同問題が日本和装HDの今後の株価に与える影響などについても考えていきます!
ちなみに、日本和装HDが公表した資料は下記です。↓↓↓
日本和装HDが公表した資料
日本和装HD創業者、吉田重久氏の公私混同問題とは
日本和装HDが公表した資料を読むと、会社として吉田氏個人に求める返還金額は6020万円にも上るそう。
同社の決算年度でいうと、2014年12月期~2018年12月期まで本来なら吉田氏本人が支払うべきお金を会社が負担していたとのこと。
内訳としては
【クルーザー関連】約2300万円
【ロールスロイス関連】約180万円
【社宅関連】約3500万円
にもなるとのこと。
クルーザーに関しては、元々は個人で購入して維持費も個人で支払っていたようですが、役員報酬が大幅減になってから会社のお金で費用を負担するようになったとのこと。
ちなみにクルーザーに関しては吉田氏のTwitterに写真掲載されています。
写真はコチラ
ロールスロイスもほぼ同様のようです。
社宅に関しては、過去に脅迫状が届いたこともあり、セキュリティを重視するうえでの措置だったようです。
ただ、これらの費用負担を取締役会などの本来経るべき過程をスルーして決めたことに、コンプライアンス上の問題があったようです。
業務に使用している部分もあるにはあったものの、公私混同であるというべき部分の方が非常に多く、会社としても費用の返還を求めるとのこと。

※引用:日本和装ホールディングスHP
他の個人や法人に対する返金要求額を含めると約7280万円になります。
この金額はどれほどの金額なのでしょうか?
日本和装HDの2017年12月期の当期純利益が2億8200万円でしたので、前年期純利益の25%近くにもなります。この数字を見て事の大きさがおわかり頂けるかと思います。
問題発覚直後の日本和装HDの株価はどうなった?
吉田氏が辞任を表明し日本和装HDが今回の件を公表したのが10月31日。
翌11月1日の株価に早速影響が出ています。

※引用:ヤフーファイナンス
前日終値よりも5%以上も株価を下げていますね。
同社は東証2部上場企業ですが、東証1部への鞍替えを目指していた最中でした。
今回の問題も東証1部上場への申請を出し、その審査の過程の中で発覚して詳しい調査が始まった出来事だったので、インパクトは大きかったようですね。
ただ、これだけの不祥事で会社のトップ、さらに取締役も1人辞任していることなどを考えると、個人的にはストップ安まで下落するのかなと思っていました。
そこまで日本和装HDの株価が下落していないのは、10月に日本株全体の株価が大きく下げ、同社の株価もかなり下げていたこともあるのかなと思います。
また、会社側が返還請求した額についても全額返金されるとのことですので、大きく会社の財務状態が棄損されるおそれが低下したことも挙げられます。
ですが、トップ自らが公私混同により不祥事を起こしてしまったことで、会社への信頼やブランドには傷が付いたと言っていいでしょう。
吉田会長が去った後の日本和装HDの株価はどうなっていく?
吉田氏による公私混同問題と辞任が明るみになった直後なので、11月1日の日本和装HDの株価は下げていますが、今後の見通しはどうなのでしょうか…
それを決定づけるのは、昨日発表を延期すると表明した2018年12月期第3四半期決算です。
会社のお金が公私混同問題に使われたということで、過年度分の訂正決算短信や会計監査人による監査を経た過年度分の訂正有価証券報告書を提出する必要があり、日本和装HDは11月14日までに提出することを報告しています。
この過去の有価証券報告書や決算短信の訂正内容、さらには今期の決算短信の内容…
この結果が出た時点で、株価は大きく動くことが予想されます。
予想以上に会社に与える影響が大きいと投資家が判断すれば株価は下がりますし、思ったほどではなかったと投資家が思えば上がる可能性があります。
さらにこんな考え方もできます。
ここは見解が分かれるところですが…。
1つの考え方としては、不祥事でブランドが傷つき売り上げ減につながることが予想され、株価も下落をしていくのではないかという考え方。
もう1つの考え方は、これで当面の悪材料はすべて出尽くしたので、今後は株価が回復していくという考え方。
投資家がどのように考えるかによって、株価はプラスにもマイナスにも変化します。
日本和装HDは日本の和装(着物)文化の普及に尽力してきた会社で、お客さんからはとても好評で信頼も厚い会社ですので、株価復活をしてほしいなというのが私個人としての思いです。

※引用:日本和装HD株主通信
信頼回復には時間がかかりますが、頑張ってほしいところです!