みずほ株価はなぜ安い?
日本株投資をしている人なら、そう感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
仮にもメガバンクの一角を占めるみずほFGだけに株価の安い理由は気になるところ。
そこで、なぜみずほ株価が安いのかに焦点をあて、詳しく解説していきます。
目次
みずほ株価はなぜ安いの?
(最終更新日:2021/11/1、元記事:2020/7/29)
「みずほ株価はなぜ安い?」
三大メガバンクなのにみずほ銀行の株価はなぜ安いのか、疑問に感じたことはないですか?
みずほ株価が安い理由
結論から言うと、業績低迷から抜け出せていないからです。
では、なぜ業績低迷から抜け出せていないのでしょうか?
みずほ株価が安いのには理由があります。
理由1:業績低迷
理由2:超低金利の長期化
理由3:新型コロナウイルスの影響
※~2020年9月
・発行済み株式数が多い
・システム障害
みずほの株価が安い状態で推移している理由は、主に上記の理由からです。
NISAでも人気上位のみずほ銀行株。
それだけに「高配当株だけど減配が心配…」という声が聞こえてきそう。
そんな方にはぜひ最後までお読みいただきたいと思います。
発行済み株式数の多さ
みずほ銀行の株価が安い最大の理由は、2020年9月まで発行済み株式数の多さでした。
以下のランキングをごらんください。
1位:みずほFG (8411):253.9億株
2位:三菱UFJFG(8306):135.8億株
3位:YTL(1773):110.2億株
4位:Zホールディングス(4689):48.2億株
5位:ソフトバンク(9434):47.8億株
みずほFGの株数の多さはダントツ。
そのため、株価も100円台のボロ株(低位株)となっていました。
しかし、みずほ銀行はその後、株式併合(10株⇒1株)を実施。
2021年1月現在、株数は25.3億株(13位)です。
※みずほFGの株式併合については後述。
1991年バブル崩壊後、みずほ銀行(当時は第一勧業銀行)ら金融機関は、赤字に苦しみながら長い年月をかけて不良債権処理を進めました。
株式の公募を繰り返すなどして財務改善に取り組み、結果的に株数が増加しました。
ちなみに、元々は明治時代に渋沢栄一が設立に携わった第一国立銀行からスタートした銀行です!
みずほ株価が安い理由:業績低迷
みずほの株価がなぜ安いのか?
最大の要因は業績低迷にあります。
下の表はみずほFGが公表している業績推移です。
※引用:みずほフィナンシャルグループHP
当期純利益は2014年3月期をピークに下落基調が続いていました。
2019年3月期の純利益は、14年同期の6分の1以下まで低迷。
みずほ株価も業績を反映する形で安い状態が続いていたわけです。
みずほ株価が安い理由:低金利の長期化
バブル崩壊後、日本の長期金利(10年債利回り)は下がり続けてきました。
銀行などの金融機関は債券などで運用することが多く、利回りの低下は業績悪化に直結する収益構造になっています。
<日本国債10年債利回り>
※引用:SBI証券
2019年にはマイナス金利となっており、みずほFGの業績悪化の要因となりました。
みずほ株価が安い理由:新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界各国で利下げが断行されています。
これにより、外債の利回りが低下。
利息収入の減少により、みずほFGの業績にも影を落としています。
さらに、コロナの影響で融資先の倒産などが相次げば、貸倒引当金も増加して業績悪化につながる恐れがあります。
みずほ株価が安い理由:システム障害
2000年代以降、みずほFGは現在の形になるまで2回の大きな経営統合をしてきました。
それぞれ固有のシステムが稼働しており、経営統合を機にシステム統合をすることになったものの、大混乱。
障害が度々発生してATMが使えなくなることも頻繁にありましたね。
これが理由で顧客が離れた可能性も業績低迷の理由としてはありそうです。
そんなシステム統合は苦労の末、2019年に完了しています。
みずほの株価は安いが、高配当利回りの魅力
みずほの株価がなぜ安いのかをお伝えしましたが、それだけで投資を考えるのは危険です。
他のメガバンクとの比較や財務状況などをしっかりと確認した上で投資判断をしたいところです。
みずほフィナンシャルグループの株価情報を見ると、21年1月25日の終値が1392.5円。
PER10倍、PBR0.4倍、配当利回り5.4%の超割安高配当銘柄といえます。
PERなどの財務指標を見れば、みずほの株価が割安なのは言うまでもありません。
※引用:ヤフーファイナンス
ただ、三大メガバンクの三菱UFJ、三井住友もPBR0.4倍程度の株価と割安な状態で放置されています。
地銀も含め、銀行株は非常に安い状態で放置されているのが現状です。
銀行株がなぜ安いのかと言えば、長引く低金利が続いているからです。
現状で非常に安いため、下落余地は限られているともいえます。
ですので、高配当狙いの長期投資銘柄として銀行にお金を預けておくくらいなら…という人にとっては好い銘柄かもしれませんね。
利回り4%以上の高配当株なのも魅力ですね。
みずほの株価は、株式併合を機に上昇の可能性
PBR0.4倍…
本来の価値よりも60%オフで安いみずほの株価は今後上昇していくのか?
みずほの株価上昇の可能性を探ってみたところ、兆しが出てきています。
みずほの株価がなぜ安いのかという理由は、これまでお話してきたとおり。
逆をいえば、安い理由がなくなれば株価は上昇していくはず。
みずほ株かが安い理由の「発行済み株式数の多さ」は株式併合により、大幅改善されました。
みずほFGは2020年5月に発表したIRで株式併合理由を説明しています。

※引用:みずほFGのIR資料
要約すると、東証が望ましいとする投資単位の水準に株価を近づけるための株式併合。
東証が市場改革を進めていることもあり、企業の投資単位の株価にも神経をとがらせているのかもしれません。
業績面では、
・10年国債の長期金利の上昇
・コロナの終息
が実現すれば、みずほFGの業績は改善され株価も上昇していくでしょう。
みずほ銀行の体質改善が進めば、株価上昇の可能性は高まります。
・システム統合完了
・紙の預金通帳発行に関する有料化
・店舗数の削減
・DX化の推進
などがそれに当たります。
人員削減の方針も打ち出しており、改革が進んで新型コロナの終息が見えてくれば、経済も活発化し長期金利の上昇にも弾みがつくことでしょう。
2021年になってから、みずほ銀行の株価は上昇に転じています。
※出典:ヤフーファイナンス
景気敏感株の一角として物色されたものと予想できます。
業績成長が達成されれば、みずほ株価がなぜ安いのか?
と疑問を感じていたことを忘れる時がくるとクロサキは今でも考えています。
問題は長期金利です。
米国の長期金利は上昇してきました。
景気がゆるやかに回復している証拠です。
日本の長期金利ももう下げられないくらいの低水準なので、今後は上昇していく可能性の方が高いことは間違いないでしょう。
その波に乗ってみずほの株価も本格的な上昇をしていくものと私は予想します。
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