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松尾電機、ストップ高連続の背景には上場維持水準あり?
「松尾電機」(6969)の株価が急騰しています!
2日連続ストップ高を見せた後も、高い株価の上昇を見せており、勢いは強いと見て良いでしょう。
しかし、あまりに突然の松尾電機株の急騰っぷりに何があったのかと思ってしまいます。
その謎を解明するカギの一つに、上場維持水準がありそうだということがわかりました。
では、なぜ上場維持水準が関係あるのか、その謎に迫っていきましょう!
松尾電機、業績低迷で株価も低迷からのストップ高脱却
まずは、松尾電機の紹介から。
松尾電機は、コンデンサー開発・販売の大手企業で自動車用製品を主力にしています。
しかし、近年は赤字が続くなど業績は低迷しており、継続前提に重要事象という扱いになっていました。
この継続前提に重要事象というのは、今の状態が続くようなら上場廃止になる可能性があることを意味しています。
松尾電機は東証二部上場銘柄です。
東証二部の上場廃止基準には、株主数・時価総額・債務超過・売買高など、様々な基準が設けられています。
その一部を下図で紹介します。

※出典:JPX
※詳細をお知りになりたい方はJPXのサイトでご確認を。
松尾電機の場合、業績低迷などにより株価が低迷。
時価総額10億円を下回る日々が続いておりました。
同社の発行済み株式数は2,572,000株。
株価は340~380円台のレンジ相場でした。
これだと、時価総額は10億円には届かないですね。
加えて、有利子負債も多いので、一般的にはなかなか投資資金が集まりにくいと言えそうです。
ちなみに、時価総額10億円を2020年4月までに満たさないと上場廃止になるところまで追いつめられていました。
しかし、10月31日に株価が400円の心理的節目を超えてからは、株価が急騰しています。
時価総額10億円も突破し、時価総額における上場維持水準をクリアしたことも追い風になった可能性はありそうです。
松尾電機、上場維持水準を超えるとどうなる?
なんとか時価総額10億円の上場維持水準を超えた松尾電機。
その途端、株価は連続ストップ高となりました!
これは一体どういうことでしょうか。
<松尾電機チャート>

※出典:ヤフーファイナンス
考えられるのは、以下のことです。
・これまでは上場廃止の可能性が濃厚だったので、投資家がそっぽを向いていた
・時価総額10億円を満たしたことで、上場廃止のリスクがやや後退した
・上場維持水準を超えたこと自体が買い材料とみなされる
・株価が急騰したので、仕手筋が入った可能性
ざっと可能性を列挙してみました。
上場維持水準を超える、ということはそれ自体が買い材料となる可能性があります。
それまでは買いを控えていた投資家が、買いに入りやすくなりますので、それで株価が急騰した可能性はありますね。
仕手筋が株価を釣り上げている可能性もゼロではないかもしれません。
何か材料があると、大量の資金を投入して株価を急騰させ、後追いしてくる個人投資家などに株を買わせて売り抜ける手法は彼らの常とう手段です。
急な株価の上昇には注意が必要ですので、お気を付けください。
松尾電機の場合、韓国で独占禁止法関連の特損、米国で訴訟費用による特損など…
本業とは別のところで利益を棄損している部分があり、それが株価低迷の重しとなっていた要素を含んでいます。
こうした問題をクリアにして、業績そのものをアップさせていかないことには、本格的な株価の回復や上昇を望むのは難しいように思います。
最初は思惑で買いが入って株価が上がることはよくあります。
しかし、その後は業績相場に移るのがセオリーです。
これは株価が最初は期待で上がり、次に業績の実績値によって上がっていくことが多いことを意味しています。
松尾電機の場合も、今後大事になるのは業績といえるでしょう。
会社四季報の2019年秋号を見ると、2020年3月期の業績予想は黒字転換になっています。
実際に業績が黒字転換になることが確実になれば、株価の今後の見通しも明るくなりそうですね。※投資は自己判断・責任でお願いします。
今回の松尾電機のように、上場維持水準を今までは満たせずに上場廃止リスクを伴っていた銘柄がもし、上場維持水準をクリアするようになれば、一過性ではありますが株価が急騰する可能性はありそうです。
そのシグナルを見逃さずにいればチャンスをつかめるかもしれませんね。
そのためには、日ごろから継続前提に重要事象となっている銘柄に目を光らせておくことが大事だと思います。
ただし、こうした銘柄への投資はリスクも高いので、十分な注意が必要です。