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コクヨのぺんてるTOBは成功するか?委任状争奪戦(ブロキシーファイト)に突入の予感
文具業界1位のコクヨ(7984)と4位のぺんてる(非上場)。
この2社が業界大手のプラス(非上場)を巻き込んだ三つ巴の戦いを繰り広げています。
半沢直樹さながらの敵対的買収劇はどんな結末を迎えるのか?
投資家として非常に気になるところです。
ぺんてるとプラスは非上場企業ですが、コクヨは東証1部上場企業。
当然、今回の敵対的買収(TOB)の成否などが同社の株価に影響を与えることが考えられます。
しかし、今回の買収は一筋縄ではいかないことはほぼ間違いなさそうです。
株主からの委任状争奪戦、いわゆるブロキシーファイトにまで発展しそうになっているコクヨのぺんてるへのTOBについて取り上げていきたいと思います!
コクヨの強引なやり方にぺんてるが反発?
コクヨとぺんてるの対立関係は非常に複雑かつ長期にわたっているので、時系列で追っていかないと理解するのが難しいといえます。
下記の参照記事に非常に詳しく書いてあるので、気になる方は参照してみてくださいませ。
※「コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容」
事の発端は今年の5月。
コクヨがぺんてるの株式を大量に保有する投資会社に出資し、間接的にぺんてるの株主になったことでした。
ぺんてる側としては寝耳に水だったらしく、ショックと反発があったそうです。
しかし、その後は協議などを重ねて関係は改善の方向へと進んでいたはずでした。
にもかかわらず、突如コクヨがTOBの方針を打ち出します。
これは東洋経済の記事によれば、コクヨとの関係改善をしようとする一方で、ぺんてる経営陣が同業のプラス社と提携しようとしていたことが匿名で告発されたためです。
結果、どうなったのか?
コクヨは1株3500円でぺんてる株を買い取るTOB案を公表。
↓↓↓
ぺんてるはプラスと一緒になることを選択。
↓↓↓
コクヨはTOB価格を1株3500円から3750円に増額。
という流れになっています。(2019年11月21日現在)
関係改善の道を歩むのかと思いきや、その陰で他の同業者と一緒になろうとしていたというのも凄い話ですね。
この買収劇だけで映画が1本作れてしまうほどの内容だと思います。
両社はHP上でもバチバチしています。

※出典:コクヨHP

※出典:ぺんてるHP
トップ画面にそれぞれの考えを掲載して対立を深めています。
果たしてここまで大きくなってしまったケンカの行方はどうなるのでしょうか。
コクヨのぺんてるTOB。成功のかぎは?
コクヨとプラスでぺんてる株の支配を奪い合う展開となっています。
コクヨはすでにぺんてる株の約38%を保有済み。
発行済み株式の過半数を握れば経営権を奪取できますので、残り12%強のぺんてる株を取得できれば傘下に収めることができます。
しかし、非上場企業へのTOBは、上場企業に同じことをするよりも難しくなる場合があります。
と、いうのも非上場企業であるぺんてるの株式には、取締役会の承認なしには譲渡できない制限がかけられているためです。
現状のままでは、コクヨが他の既存株主から株を買い取ろうとしても、ぺんてるが承認しない線が濃厚です。
そうなると、コクヨは臨時株主総会の開催を要求し、ぺんてるの現在の経営陣を退陣させる必要が出てきます。
その経営陣を退陣させるためには、他の既存株主から「経営陣退陣の議決案」に対する賛成の委任状を集める必要が出てきます。
この委任状はおそらく、プラス社との争奪戦になることが予想されます。
委任状争奪戦、いわゆるブロキシーファイトです。
このブロキシーファイトに勝利すれば、コクヨはぺんてるへのTOBを成立させられることでしょう。
ですので、ブロキシーファイト(委任状争奪戦)がカギを握るといえそうです。
コクヨとぺんてる、どちら側が勝利するのかはわかりませんが、ここまで大きな話題を振りまく買収劇は日本ではなかなかお目見えしないので、同行をチェックし続けていきたいと思います。
コクヨがTOBを成立させても、同社の株価が上昇する保証はありません。
TOBにかなりのコストをかけることになるので、それに見合う将来収益と成長期待があれば、株価は上昇していく期待が持てるのかなと個人的には思います。
どうなることやら。
また何か動きがあったらお伝えしていきます!
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