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シベール株は2/18上場廃止…ラスクブーム去り民事再生法申請まで経営悪化
1/17夕方。「シベールが民事再生法申請」というニュースが入ってきました。
最初は「へぇ」としか思わなかったのですが、なんとシベールは上場企業でした。
それを知って、明日のシベール株は値が付かないだろうなと株主が気の毒になってしまいました。
そこで、同社のことを特集してみたいと思います。
シベールといえば、2000年代のラスクブームの火付け役として知られる山形県発祥の洋菓子店。
1994年に元気印「ラスク・フランセーズ」を開発し、2005年にはJASDAQに上場するまで成長しました。
1997年にはラスクの売上は1億円だったとか。
それが最盛期の2004年には20億円突破。
たった7年で売上を20倍にするほど、当時は大ブームだったことがわかります。
(参照記事:https://www.projectdesign.jp/201411/pn-yamagata/001720.php)
画像からもわかるように2018年のモンドセレクションで金賞を受賞するほどの銘菓といえるシベールのラスク。
それだけに個人的には残念でなりません。
ステークホルダーにとっては、いくらで約定するのか(損切りできるのか)、戦々恐々だと思います。
2/18に上場廃止が決まったシベールですが、民事再生法を申請して、再建の道を模索するようです。
上場廃止後の同社の復活は果たしてあるのでしょうか?
シベールの今後の可能性についても予想していきます!
ライバル出現で苦境続きだったシベールの民事再生法申請は突然のことじゃない
「シベール民事再生法申請」のニュースは昨日駆け巡ったわけですが、こうなる予兆はすでにあったようですね。
手元にある会社四季報を読む限りでは、「継続前提に重要事象」と記されています。
これはいつ経営破綻してもおかしくないというシグナルです。
また、四季報によれば近年は赤字決算が続くなど、かなり苦しい経営状態が続いていたことがわかります。
2000年代にイケイケだったシベールが民事再生法申請をするまでに至ってしまった理由はいくつか考えられます。
【シベール経営悪化理由】
・強力なライバル出現
・ブームの終焉
・ラスク以外のヒット商品を作れなかった
大まかに分けると上記3つの理由に集約されるかと思います。
ライバルの出現についてはシベールが昨日開いた記者会見で群馬県に本社のある「原田・ガトーフェスタ・ハラダ」の名を挙げていました。
トリコロールカラーのパッケージに入ったラスクを見たことがある人は多いのではないでしょうか。
私も好きです。
ハラダは後発組ながら、高級感を前面に出してシベールを凌駕するまでの成長を遂げていきました。
シベールがブームだった時に新しいヒット商品などを生み出せていれば未来は変わったかもしれませんが、ヒット商品を開発するのはとても大変なこと。
じりじりと経営が悪化していき、今回の民事再生法を申請する結果となってしまいました。
シベールの上場廃止後の復活はあるのか?
投資家として気になるのは、上場廃止後にはたしてシベールは復活するのかということかと思います。
はっきり言って前途多難だと思います。
ですが、1/9掲載「不祥事銘柄は投資チャンス?」でも書いた不二家のように他社の支援により復活する可能性もあります。
シベール自身、スポンサーを求めて経営再建の道を目指していますし、もし不二家にとっての山崎製パンのような強力な支援企業などが現れれば望みは出てくることでしょう。
その場合、もし支援企業が上場企業だった場合、その支援企業の株価は下落する可能性がありますので注意が必要です。
経営破綻した企業を支えるのは痛みを伴うことでもあり、支援する企業の方にも大きな負担になる可能性があるためです。
シベール株は今後仕手戦になる恐れがあるので注意が必要
上場企業が経営破綻したり、上場廃止になることが分かったりすると、仕手戦になる可能性が高まります。
この仕手戦にはプロの投機筋が絡んできます。
動かす資金量も情報量も違いますので、個人投資家はこの動きには乗らないことが賢明な判断と言えるでしょう。
シベール株がどうなるのか、実際のところは現時点ではわかりませんが、株価の動きには注意が必要です。
わざわざリスクを冒すことはする必要がありません。
私なら見送ります。
長く株式投資をしていると、時々この民事再生法や経営破綻、廃業などに陥る企業を目にすることになります。
空売りすれば儲かるんじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、相場の世界はそう甘いものではないので、よほど自信がない限りは読めておいた方が無難でしょう。
投資においては儲けることもそうですが、自分の資産を守ることもまた財産を構築していくうえでは大切なことです。
シベールの場合、作っているラスクそのものはとても素晴らしい商品ですので、どこかしら支援企業が出てくるのではないかなと個人的には思っています。
それでも復活するまではかなりの時間がかかりますので、何とか頑張ってほしいなと感じています!