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大盛工業の株価、北海道地震後に高騰…自然災害銘柄株価は実際に上昇する?
2018年9月、大阪を中心とした関西地方を大型台風、北海道を大地震(M6.7)が襲った。
被災者のことを思い、1日も早い復興を願うばかりです。
そんな中、株価急騰で注目を集めた大盛工業(1844)にスポットを当てます。
今回の台風と地震は市民の生活だけでなく、株式市場にも影響を与えています。
札幌証券取引所は取引の中止に追い込まれ、日経平均は下げました。
業種別でも、保険金の支払い需要が増大すると予想された保険会社は全体的に軟調な値動きだったようです。
しかし、その中で、ポジティブ銘柄として注目を集めた企業もあります。
その1つが無電柱化の地中工事に強い大盛工業です。
大盛工業を例に、自然災害時の関連銘柄の値動きの傾向をみていきましょう。
大盛工業の株価が高騰した理由:インフラ工事に強い
自然災害時、被災地で必要とされるものは実にさまざまあります。
水を含む食糧、毛布、スマホの充電、ガソリンetc…
これらは被災していない場所から持ってくることができます。
ですが、壊れてしまった建物や設備などの修繕や再建築など、インフラの復旧は外部から持ってくることはできません。
そして、市民生活を正常に戻すためにも1日早い復旧が求められます。
特に今回、話題に上ったのが大阪の電柱の倒壊。
一部報道では、倒壊した電柱の数は369本もあったとか。
ここで力を発揮するのが大盛工業なのです。
現代人の生活は電気なしでは成り立ちません。
テレビをつけて情報を得ることも、トイレの水を流すことも、冷蔵庫に食糧を貯めておくことも…
さらには、電柱が倒壊してしまうと、道をふさいだり、切れた電線による感電事故などの二次被害の可能性も出てきてしまいます。
これは復旧が遅れる原因にもなってしまいますね。
そこで注目されたのが、無電柱化です。
無電柱化とは、文字通り街から電柱をなくす(地中に埋める)ことです。
電柱が地中にあれば、感電事故などもなくなりますし、倒壊した電柱の下敷きになる危険もなくなることでしょう。
じつはこの無電柱化。
今回の災害が起こるよりもっと前から、実現化があちこちで望まれていました。
・電柱があると街の景観が良くない
・クレーン車が電線に引っ掛かり、多くの電柱をなぎ倒して停電事故になった
など、さまざまな理由があったようです。
つまり、需要は非常に高く、1つのきっかけで大盛工業の株価が急騰する可能性は以前からあったということになります。
そして、大阪の電柱が何本も倒れたショッキングな映像などが報道され、そして今回の北海道地震。
これをきっかけに、大盛工業の株価は急騰したというわけです。
下記の9月第1週のチャートをご覧頂ければ一目瞭然です。
地震が起きたのが9月6日。
そして翌日の9月7日、大盛工業の株価は急騰しました。株の取引高も急増しているのがわかりますね。
今回のこの株価の上昇。
台風が上陸する前に株を購入しておいても、十分な利益を取ることはできました。
上陸前から25年ぶりに非常に強い勢力を保ったままの上陸になると、天気予報などで多く報道されていましたので。
自然災害に限らず、1つの出来事から、どんな会社の商品やサービスの需要が伸びるのか…
それが株価にどう影響していくのかを考えていくと、投資での成果は出しやすくなります。
大盛工業の株価:過去はどうだったのか?
では、過去の大盛工業の株価の動きはどうだったのか?
日本は地震などの自然災害が多い国。
過去の災害の時にも、大盛工業の株価は上昇したのでしょうか。
一番わかりやすい例は、2011年3月の東日本大震災だと思います。
その時の大盛工業の長期間チャートを見てみましょう。
チャートを見ると、震災が発生した2011年3月に大幅な株価の上昇が発生していることがわかります。
そして、株価は調整を繰り返しながらも、長期的には2015年後半まで右肩上がりの上昇トレンドとなっています。
このように、地震・台風銘柄、特にインフラ関連銘柄は中期的に上昇になりやすい傾向があります。
もう少し正確にいうと、災害が起こったすぐ後に一度急騰し、その後調整を繰り返しながら中期で上昇していく傾向が強いようです。
これは工事がすぐに終わるものではなく、中長期になる性質があるためと考えられます。
こうした性質を知っていると、すぐに買い参入できなくても、株価の調整時期をねらって買うという戦略を立てることも可能です。
大盛工業以外にもこうした性質のある銘柄は探せばたくさんあると思います。
こうした銘柄の傾向を知って、投資に役立てていけたらいいですね。