
トヨタ自動車、純利益25%減の衝撃…!米中貿易摩擦の中で投資家はどう動くが正解?
名実共に日本一の企業である「トヨタ自動車」(7203)が2019年3月期の連結純利益を下方修正しました。
⇒参照記事:朝日新聞デジタル
前期比にしてなんと、25%減!従来予想2兆3000億円から1兆8700億円となり、4300億円もの予想利益が消し飛んだことになります…。
自動車メーカーが不振に陥ると、部品メーカーなどへの波及効果が大きく、上場企業に与える影響も大きくなる傾向があります。時価総額日本一のトヨタ自動車の場合はなおさら。
今回のトヨタ自動車の不振の背景には、何があったのでしょうか?
その影響によるダメージを投資家が受けないで済む方法はあるのでしょうか?
投資家が取るべき行動についても、私なりの見解をお伝えしていきます!

※トヨタ本社ビル
トヨタ自動車が下方修正を発表した背景とは?
トヨタ自動車はなぜ下方修正を発表するに至ったのか?
それを知ることは投資家にとって、今後の戦略を練っていく上で重要です。
今回の下方修正の要因として考えられることに、「米中貿易摩擦」があります。
と、いうのもトヨタが下方修正することに最大の背景は、保有有価証券の評価損の計上だからです。
米中貿易摩擦によって、世界中の株式市場の銘柄の株価が下落しました。
それにより、トヨタ自動車が保有している企業の株式も評価額が下落したというわけです。
とはいえ、株価だけなら、放っておけば景気が良くなれば回復していくことも見込めますが、本業の自動車製造・販売の方でも不穏な空気が漂っているのが懸念されるところだと思います。
米中貿易摩擦により、今後中国の景気はますます停滞していくことが予想されます。
米国は米国で、日米貿易摩擦を解消させようとトランプ大統領が強硬手段に出てくる可能性が高く、自動車産業が真っ先にターゲットにされる恐れがあります。
簡単にいうと、関税の引き上げなどが考えられますね。
そうなると、北米市場でのトヨタ自動車の販売には当然悪影響が出てくることでしょう。
世界一、二位の自動車市場で不穏な空気が流れているため、2020年3月期以降の業績に関しても予断を許さない状況であるものと私は思います。

※引用:ヤフーファイナンス
ただ、そうは言っても1兆8700億円もの巨額な純利益があるので、悲観のし過ぎは良くないかなとも思います。(これが赤字だったら大問題ですが…)
上記の本日のトヨタ自動車の株価を見ると、下方修正を発表した翌日なのでさすがに下落しています。
とはいえ、PBR(一株純資産額)は1倍割れとなっており、割安水準にあります。
下方修正を機に、もしトヨタが短期的に下落トレンドに入るようなら、絶好の買い場になる可能性もあると考えます。
トヨタ自動車の株価が下方修正により下落トレンドになった場合に考える戦略
トヨタ自動車の場合、良くも悪くも日本株全体に与える影響が大きいのが特徴です。
ですので、もしトヨタ自動車の状況が厳しいようなら他の上場株への影響も深刻になるかもしれません。
そうなった時は、私は大きく分けて2つの戦略を取るようにしています。
【企業の個別銘柄以外の銘柄を投資先の選択肢に加える戦略】
【果報は寝て待て戦略】
【企業の個別銘柄以外の銘柄を投資先の選択肢に加える戦略】
例えば、金ETFなどがそれです。
米中貿易摩擦や戦争などの国際情勢が緊張状態にある時、価格が上がっていくものの代表例が「ゴールド」です。相場の世界には「有事の金」という言葉があるくらいです。
以下は、1978年~現在の金価格のチャートです。

※引用:三菱マテリアル
2000年以降、金価格が急激に上昇しているのがよくわかります。
米国同時多発テロ、イラク戦争、サブプライムショック、リーマンショック、東日本大震災など…
様々な有事がありましたので、安全資産と考えられている金需要が上がり、価格も上昇していったと考えられます。
実物の金を買うのが一番だとは思いますが、ETFのように証券化した金融商品もありますので選択肢に数えるのも投資戦略の1つだと思います。
【果報は寝て待て戦略】
これは買うのも売るのもとにかく待つという長期戦略です。
今回のトヨタの場合なら、トヨタの株価が下落したら、とにかく底を打つのを待ってから買いに入る。
トヨタ株を買ってから、なかなか株価が上昇していかなくてもひたすら辛抱強く待つ。
1~2年なかなか株価が上がらなくても、それは株を安く買える場だと思い、配当をもらいながら待つ。
トヨタのようにキャッシュリッチで財務状態が超健全で数年赤字が続いたくらいではつぶれないような会社ならばこうした戦略をとることも可能です。
ただし、この戦略を取るには忍耐が必要ですので、今すぐに儲けたいという方には不向きかと思います。
あと、これまで「おとなの株ラウンジ」ではあまり取り上げていませんが、空売りを上手に使えば利益を上げることは可能です。
その場合、リスク管理をする能力を磨くことが重要になります。
信用取引をするには、経験が必要になりますので、しっかりと現物取引で経験を重ねて相場観を養ってから臨んだ方が良いでしょう。
空売りについて詳しく知りたい方はコチラをどうぞ。
⇒2018/12/28掲載「株長者は「空売りの仕組み」を“誰にも教えず”こっそり活用している」

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