「テンバガーのスクリーニングの仕方をおしえてください」
「テンバガーの条件ってなんですか?」
職業柄、クロサキはこの2つの質問をたくさん受けます。
株式投資は成長力の高い企業に投資すれば、投資金額が10倍になることも決して夢ではない世界。
株に興味をもって始めたら、やはり一度はテンバガーをつかんでみたいですよね。
この記事ではテンバガーのスクリーニングや条件、探し方を解説していきます。
目次
テンバガーのスクリーニング条件6項目
(最終更新日:2022/7/13、元記事:2018/10/15)
テンバガーのスクリーニング条件をさっそくご紹介していきましょう。
テンバガーのスクリーニング条件
条件①IPO・上場5年以内
条件②時価総額300億以下
条件③3期連続、増収率20%以上
条件④営業利益率10%以上
条件⑤競争力が高い
条件⑥国策銘柄
それぞれの条件を掘り下げて解説していきましょう。
テンバガーのスクリーニング条件①IPO・上場5年以内
条件の1つめは「IPO・上場5年以内」の銘柄。
テンバガーになる銘柄にはグロース株が多いという特徴があります。
そして、グロース株にはIPO(新規上場)してから5年以内の有望株がたくさんあります。
上場5年以内というと、IPO前に出資していたVC(ベンチャーキャピタル)などが持株を売却し終え、売り圧力が弱まるタイミングでもあります。
VCや未公開株時から投資しているエンジェル投資家の売り圧力がやわらぎ、株の需給バランスが改善されるとテンバガーを達成しやすい環境が整ってくるものと考えます。
創業者やVCなどのロックアップ期間終了後の利確売りを経て、上がっていく銘柄をスクリーニングできるかが資産を増やすカギになることでしょう。
ロックアップ期間とは
ロックアップ期間は、創業者や上場前に出資しているファンドなどが、上場後の一定期間は株を売ってはいけないと任意で定めている期間
上場後90日間や180日間は株を売ってはいけないなどの任意のルールがある
ロックアップ期間を破って株を売ってしまった「モダリス事件」が話題になった
出典:バフェットコード
※関連記事
バフェットコード 使い方をわかりやすく図説【プロ推奨】
テンバガーのスクリーニング条件②時価総額300億以下
条件の2つめは「時価総額300億以下」
これは過去約10年間のテンバガー達成銘柄の情報をもとにしたデータとなります。
参考:日経新聞「ここからの日本株投資戦略 株のプロはこう読む」
例えば時価総額3000億円くらいの大型株の株価が10倍となると、時価総額3兆円。
不可能とは言いませんが、テンバガー達成の確率はかなり低いと考えて差し支えないでしょう。
それよりは、時価総額300億円以下の小型株の方が10倍株になる可能性は高いです。
テンバガーのスクリーニング条件③3期連続、増収率20%以上
条件の3つめは「3期連続、増収率20%以上」
「増収率20%以上」というのは「売上高成長率20%以上」と同じ意味です。
出典:株探
テンバガーのスクリーニング条件④営業利益率10%以上
条件の4つめは「営業利益率10%以上」
営業利益率が低いということは、一般的にその会社が販売しているサービスや商品の競争力が弱く、他社との価格競争に陥りやすかったり、値上げしにくかったりします。
テンバガーのスクリーニング条件⑤競争力が高い
条件の5つめは「競争力が高い」
4つめの条件にも連なる要素となりますが、「競争力が高い」という言葉だけだと曖昧なのでもう少し具体的に解説します。
以下に情報をまとめました。
競争力が高いとは
圧倒的なシェアを持つ
圧倒的なブランド力(コカ・コーラなど)
特許で守られている
他社がまねできない技術を持つ
ライバルのいないビジネスを展開
テンバガーのスクリーニング条件⑥国策銘柄
条件の6つめは「国策銘柄」
コロナ禍でワクチンの確保や子供たちへのオンライン教育を進めることが喫緊の国策課題となっていました。
国策のなかでも、上の2銘柄のように急を要するものは特に株価が上昇しやすい傾向があると考えられますね。
テンバガーのスクリーニング例「北の達人」
テンバガーのスクリーニング条件について解説してきました。
ここで、スクリーニングでこういう銘柄を探しだしたいという例として、過去にテンバガーを達成した銘柄を見てみましょう。
「北の達人コーポレーション」(以下、北の達人)を例にします。
北の達人は、化粧品や健康食品などをネット通販している会社。
北の達人のIR資料を見ると、驚きの数字が並びます。
<北の達人コーポレーションの有価証券報告書>
出典:北の達人コーポレーション
※有価証券報告書だと営業利益ではなく経常利益が記載されているため、上の画像では経常利益を掲載
クロサキのミニ解説
・2016年2月期~2020年2月期、4期連続で20%以上の増収率を達成
・売上高経常利益率も、5期連続で10%を大きく超過
この好業績を達成できた要因としては以下の2つが考えられます。
要因1:「利益率が高い」=「商品の競争力が高く価格競争していない」
要因2:消費者の支持を集めるオリジナル商品を販売しリピーター率が高い
・同社の筆頭株主は創業社長。
・上場5年以内にテンバガー達成
テンバガーは確率20%で資産10倍の効率的な投資
テンバガーの確率がどれくらいあるかご存じですか?
クロサキは2%くらいかなと思っていたのですが、全然違いました。
正解は約20%なんだそうです。
2020年8月4日付の日経新聞電子版の記事におもしろい記述があります。
記事から引用すると
東京証券取引所に上場している銘柄の5つに1つは、2008年のリーマン・ショック以降にテンバガーになったことがある
とのこと。
銘柄数にして839銘柄!
上場企業数が3800社程度ですから、テンバガーの確率は22%という計算になります。
このデータは日経の調査によるものなので、信ぴょう性は高いと思います。
テンバガーを引き当てる確率は宝くじよりもはるかに高い。
こう考えると、自分でもテンバガー候補を探せそうな気がしてきませんか?
しかし、忘れてならないこともあります。
宝くじと違うのは株式の場合、ギャンブルではなく投資であること。
企業分析など、テンバガー株のスクリーニング条件や探し方が重要になります。
株のスクリーニングとは、銘柄を自分が投資したいと思う条件で絞っていくこと。
10倍株候補のスクリーニングはとても地味な作業です。
ですが、正しく行えばテンバガー候補にめぐり合えるチャンスは広がると思います。
10倍株のスクリーニングに役立つ「バフェットコード」
テンバガーのスクリーニングに役立つサイトをご紹介。
バフェットコードです。
バフェットコードをつかったテンバガーの探し方を紹介します。
IPO/上場5年以内の時価総額300億以下のオーナー企業の見つけ方
STEP1
バフェットコードで上場5年以内の時価総額300億以下の企業をスクリーニング
STEP2
リストアップされた銘柄の個別ページに進み、「役員」のクリック
→代表取締役社長の所有株式数をチェック
順序としてはこの2ステップだけです。
STEP1:時価総額300億以下、上場5年以内銘柄をスクリーニング
左はしの「条件検索」をクリックしてから
「時価総額」
「上場年数」
の項目を選びましょう。
それぞれ
時価総額30000百万円以下(300億以下)
上場年数5年以下(上場5年以内)
のスクリーニング条件にしてリストアップしましょう。
STEP2:個別銘柄のページから社長の所有株式数をチェック
基本的にはこれでIPO、上場5年以内の時価総額300億以下のオーナー企業を探せるはずです。
社長の持ち株数がゼロや数万株程度の場合は、テンバガーのスクリーニング銘柄から除外していきます。
なぜならオーナーではない可能性が高いからです。
テンバガーのスクリーニング条件で発掘した10倍株候補
今回ご紹介したスクリーニング条件をもとにスクリーニングしたところ、12件ヒットしました。※22/3/22
3984ユーザーローカル
4497ロコガイド
4493サイバーセキュリティクラウド
4488 AI inside
3496 アズーム
4482 ウィルズ
7068 フィードフォースG
4446 Link-U
4395 アクリート
4429 リックソフト
4476 AI CROSS
7689 コパ・コーポレーション
ただし、これはまだオーナーが大株主かは見ていない状況です。
このヒットした12件を個別に見ていったところ、8銘柄で創業者が数十%の株を保有するオーナー企業でした。
今回の場合は、その8銘柄の中からテンバガー候補となる銘柄を選んでいくということになりますね。
テンバガー株の探し方関連情報
テンバガー株の探し方やスクリーニングに関連した当サイトの記事をご紹介します。
2022年後半、要注目の米国グロース株3選
今後、数年間にわたって長期で成長の見込める期待の米国グロース株を厳選してご紹介