個人投資家に人気の高いインジケーター、ストキャスティクスをわかりやすく解説していきます。
ストキャスティクス
ボリンジャーバンド
一目均衡表
移動平均線
MACD
数あるテクニカル指標のなかでも、ストキャスティクスは人気の高いインジケーターだと思います。
ただ、初心者のなかには
・(ファスト)ストキャスティクスとスローストキャスティクスのどっちを使ったら良いのかわからない
・ストキャスティクスとRSIの違いってなに?
など、
ほかのインジケーターとの違いや使い方などで悩む人もいるようです。
この記事では、そんな方たち向けにストキャスティクスの見方、使い方などをご紹介していきます。
この記事であなたが得られる情報
・ストキャスティクスの使い方
・ストキャスティクスとRSIの違い
・ストキャスティクスとダイバージェンス
目次
ストキャスティクスとは
ストキャスティクスは、米国の投資教育者ラルフ・ダイスタントが主宰する投資教育学校の講師チームが考案し、メンバーであったジョージ・レーンによって「%K」と「%D」が1957年に発表されました。
※参考:日本テクニカルアナリスト協会「第1次通信教育講座テキスト」
ストキャスティクスは相場の過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)を知らせるインジケーターで、オシレータ系の代表格として人気の高いツールです。
もうすこし詳しくいうと、過去の任意期間の最高値と最安値から終値を算出するツールになります。
ほかのオシレータ系指標と同様、逆張りに利用されることの多いインジケーターです。
ストキャスティクスの概要をかんたんにまとめました。
ストキャスティクスとは
★ストキャスティクスとは
ストキャスティクスは相場の過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)を表示するインジケーター
★ストキャスティクスの種類
ファストストキャスティクス
スローストキャスティクス
★ファストストキャスティクス
・「%K」と「%D」の2本のラインを利用
・相場の動きに迅速に反応するが、短期トレード向きで「だまし」が多い
★スローストキャスティクス
・「%K」と「Slow%D」の2本のラインを利用
・ファストよりも「だまし」が少ない
※一般的にはスローストキャスティクスを利用する機会の方が多い

ストキャスティクスの計算式
ストキャスティクスは以下の計算式で算出できます。
ストキャスティクスの計算式
★「%K」=(当日終値-n日間の最安値)÷(n日間の最高値-n日間の最安値)×100
★「%D」=(終値-n日間の最安値)のn日間の合計÷(n日間の最高値-n日間の最安値)のn日間の合計×100
※「%K」は一定期間の値幅を100として現在どの水準にいるかという数値。一定期間の最高値と最安値、現在の価格を用いて算出
※「%D」は「%K」を移動平均化したもの
ストキャスティクスの見方と使い方
ストキャスティクスの見方と使い方を解説していきます。

ここでは、より多く利用されるスローストキャスティクスを用いて解説していきますね。
スローストキャスティクスの使い方
★基本的な使い方
レンジ相場(ボックス相・保ち合い相場)に向いており、強いトレンドが出ている時はラインが100か0に張り付いてしまうことが多くて不向き。レンジ相場での逆張りで利用される。
★買いシグナル
・「Slow%D」が0~20%(売られすぎ水準)にある時に「買いシグナル」と判断
・20%以下で「%K」が「Slow%D」をゴールデンクロスすると強い買いシグナル
★売りシグナル
・「Slow%D」が80~100%(買われすぎ水準)にある時に「売りシグナル」と判断
・80~100%で「%K」ラインが「Slow%D」をデッドクロスすると強い売りシグナル
ストキャスティクスはダイバージェンスがねらい目
ストキャスティクスの使い方のなかで、利幅が比較的大きくとれるのがダイバージェンスをねらったやり方です。


ダイバージェンスとは
・ダイバージェンスとは、株価のトレンドが出ている時にオシレータ系インジケーターがトレンドとは逆の動きをする現象
・ダイバージェンスの言葉の意味には「逆行」という意味がある
・株やFXにおいて、しばしば“最強”の法則(売買シグナル)といわれる
※関連記事
ダイバージェンスの株の見つけ方とインジケーター


H2:ストキャスティクスの設定値
ストキャスティクスの計算式をご紹介しましたが、実際にトレードで使う際には設定値をどうするかが重要になります。
☞ストキャスティクスの設定

★「%K」=(当日終値-n日間の最安値)÷(n日間の最高値-n日間の最安値)×100
★「%D」=(終値-n日間の最安値)のn日間の合計÷(n日間の最高値-n日間の最安値)のn日間の合計×100

nは任意の値なので、基本的には自由に設定してよいのですが、あまり短いと「だまし」が多くなるなどの欠点があります。
一般的には14・9・5を設定値にすることが多いです。
ストキャスティクスとRSIの違い
ストキャスティクスと同じオシレータ系インジケーターにRSIがあります。
ストキャスティクスとRSIは形状も似ており、「買われすぎ・売られすぎ」をみて逆張りで利用する点も同じであるため、よく混同されがちです。
ここではストキャスとRSIの違いについてお話します。
RSIとは
RSIはパラボリックなどのテクニカルツールを開発した米国のワイルダーが開発したオシレータ系テクニカルチャートのひとつで、「Relative Strength Index」の頭文字を取った用語です。
日本語では「相対力指数」と訳されますが、RSIと呼ぶことのほうが一般的です。
相場の過熱感を計るツールで、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断する指標として、逆張りに利用されます。
数値は0~100で表され、70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断します。
ストキャスティクスとRSIの違い
ストキャスティクスとRSIの大きな違いは2つ。
ストキャスティクスとRSIの違い
★ストキャスティクスは2本線、RSIは1本線で表示される
★RSIが終値だけを基準に算出するのに対して、ストキャスティクスは安値・高値も含めて算出する
→安値・高値を含める分、ストキャスティクスはRSIよりも上下の振れ幅が大きくなりがち


テクニカル関連情報
最後にストキャスティクスと組み合わせたり、ストキャスを利用する際に参考になるようなテクニカル指標の関連記事の一覧をご紹介します。
★ツール編
パラボリック SARの使い方と最強設定
★チャートパターン編
三尊天井の株でのエントリーポイント、だましの見極め方
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