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損出しのデメリットは?クロス取引で節税したい人に損出しクロスのやり方を解説
(最終更新日:2020/11/30、元記事:2020/8/4)
損出しのデメリットを知らずに損出しクロス取引をしようとすると、節税効果が薄れるかもしれません。
・損出し(損出しクロス)のデメリットとは何なのか?
・損出しクロスのやり方とは?
・クロス取引で節税は可能なのか?
損出しクロスに挑戦してみたい人、興味のある人がぶつかる疑問に投資診断士のクロサキが回答していきます。
損出しクロスに限らず、トレード手法にはメリット・デメリットの両方があるものです。
損出しのデメリット・デメリットを把握した上で、正しい損出しクロスのやり方を覚えてクロス取引で節税していきましょう。
損出し(損出しクロス)のデメリット・メリット
損出しのクロス取引のデメリット・メリットをご紹介していきましょう。
損出し(損出しクロス)のデメリット
1、損出しした銘柄を現物で買いなおす場合、同日に買い戻すと差金決済になってしまい損出しできない。※差金決済取引は法令で禁止されている。
2、損出しクロスを出来高の少ない銘柄で行う場合、派手にやると相場操縦の疑いをかけられるリスクがある。
3、株主番号が変わるため、株主優待の長期保有特典を受けられない。
損出しのデメリット2については、出来高数千株しかないような不人気銘柄で損出しクロスを大量にやると疑いをもたれる可能性が出てきます。
ただ、100株程度の取引を行う分にはおそらく問題はないと思います。
損出しのデメリット3については、長期保有優待を受けたい人にとってデメリットになります。
個別株の場合、最近は長期保有株主を増やすため、企業の方で長期保有者に対して優待をグレードアップさせる傾向にあります。
<例・オリックスの株主優待>
※引用:ヤフーファイナンス
しかし、その恩恵を受けるためには、同じ株主番号の株を保有し続ける必要があります。
損出しのために一度株を売ってしまうと、そこで保有期間がリセットされてしまい、買いなおしてもまた一からの保有になってしまうのです。
ですので、長期保有の株主優待を狙っている人は、損出しクロスには慎重になった方が良いでしょう。
損出し(損出しクロス)のメリット
損出しクロスを行うメリットは主に2つ。
1、損を出すことで節税できる。
2、含み損を抱えたままの状態から解放される。
損切りするとそれまで累積した利益との相殺や、損失繰越などで節税が可能になります。これが1番のメリットといえるでしょう。
また、含み損をずっと抱えた状態でいると、精神衛生上よくありません。
一度損を確定させることで、それ以上資金を減らさず、新たな気持ちで投資に備えられます。
冷静さを欠いてしまうと投資判断がにぶり、損失額が膨らむことにもなりかねません。
損出しクロスは気持ちを切り替えるうえでも、有効なクロス取引といえるでしょう。
これがメリットの2です。
損出しのデメリットとメリットの両方を紹介しました。
損出しクロスのやり方
損出しクロスのやり方の中でも信用取引を用いた方法をご紹介します。
ステップはたったの3つです。
ステップ1:含み損を抱える現物株を売却
ステップ2:同日、同じ銘柄を信用買いで買い戻す
ステップ3:翌営業日、ステップ2で信用買いしておいた銘柄を現引き決済
信用取引は怖いと思う人が中にはいるかもしれません。
しかし、信用買いした翌日には決済するので株価急落によるリスクは最小限に抑えられます。
さらに、信用取引に付き物である金利も最小で済むというメリットもあります。
損出しでクロス取引する際の注意点
損出しのデメリットには「株主番号が変更してしまう」「差金決済になってしまう」などがありました。
では、損出しクロスの取引を行う際の注意点はないのでしょうか?
はい、あります。
損出しの注意点についても、紹介していきます。
<損出しを行う際の注意点>
・損出しには期限が存在する
・確定申告が必要
損出しクロスは、節税目的で行うことが多い手法です。
そのため、例えば、2020年の株取引における節税がしたい場合、大納会の2営業日前である最終受渡日までに損出しをしておく必要があります。
1日でも過ぎてしまえば2020年分の節税はできません。
また、損出しクロスを使った節税に関して。
損失の繰り越しをする場合には確定申告が必要になりますのでご注意ください。
損出しクロスのようなテクニックを一人で行うのは、不安があるかもしれません。
そういう時は、プロの助言を聞きながら行ってみることも大切です。
投資顧問は顧客のために親身になってくれるようなので、損出しクロス以外の方法でもアドバイスがほしい場合には、利用してみると良いかもしれません。