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ソーシャルレンディングは「危ない」の前に知るべきこと
(最終更新日:2021/5/13、元記事:2018/12/6)
ソーシャルレンディングは危ない、やばい…
こんな評判がソーシャルレンディングには多いようです。
このページにたどり着いたということは、あなたはソーシャルレンディングに少なからぬご興味があるとお見受けします。
なぜソーシャルレンディングは危ないの?
そんな疑問もあるかもしれません…
ソシャレンが危ない、やばいと主張する人の気持ちはわかります。
ソーシャルレンディングは歴史が浅くて法整備や市場が未成熟。
過去には、貸し倒れの発生、金融庁から行政処分を受けた業者も存在します。
一連の流れが、ソーシャルレンディングは危ない、やばいとの評判につながっていることは否めません。
しかし、うわさや評判を鵜呑みにした投資も良くありません。
ソーシャルレンディングの「リスク」「失敗」「利回り」「貸し倒れ」…
他にも投資家が気になる点について、なるべく詳しくわかりやすく解説します。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングは、超低金利社会が続くなかで近年注目されてきた金融サービスのことです。
クラウドファンディングの一種で、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。
仕組みは下図のとおり。
ソーシャルレンディングとは、「投資家(レンダー)」と「借手(ボロワー)」をインターネット上でマッチングさせる金融サービスの仲介です。
投資家からすると投資利回りの高い案件が多いことが最大の魅力。
銀行の普通預金の金利が0.01%の時代。
ソーシャルレンディングの利回りは2~10%といわれます。
利回りが高いのは魅力的ですが、その分リスクも高くなります。
2019年以降、ソーシャルレンディングをめぐるトラブルなども度々起きており、リスクをきちんと把握した上での投資が必要になります。
ソーシャルレンディングが危ない、やばいと言われた理由
ソーシャルレンディングが危ない、やばいと言われた理由は下記のとおりです。
・業者への行政処分
・大規模な遅延発生
・貸し倒れ(デフォルト)発生の続出
・訴訟に発展してイメージダウン
<行政処分>
2017年以降、ソーシャルレンディング事業者が金融庁から行政処分を受ける案件が複数ありました。
行政処分が科された主な原因は
・デューデリジェンス(査定)がいい加減
・親会社だけに融資していた
・集まった資金の私的流用
<大規模な遅延発生>
ソーシャルレンディングの運用期間が終了しても返金されない。
そんな問題を起こした会社がありました。
投資家にとっては投資資金の回収が遅れる・できないことはリスク。
遅延発生は大問題です。
<貸し倒れ(デフォルト)発生の続出>
貸し倒れ(デフォルト)はソーシャルレンディングの一番のリスクです。
運用案件がすべて飛んだ事業会社もあったため、ソーシャルレンディングに危ない、やばいというイメージがつく出来事となってしまいました。
<訴訟に発展してイメージダウン>
有名な訴訟では「みんなのクレジット」を相手取り、投資家22人が集団訴訟を起こし全面勝訴した例があります。
投資家グループが勝訴したものの、ソーシャルレンディングに対するイメージが悪化する例となりました。
◆ソーシャルレンディングの危ない、やばい企業の特徴
こうしたソーシャルレンディングで不祥事を起こした企業には共通点があります。
・利回りが以上に高い
・融資先があいまい
・キャッシュバックなどのキャンペーン乱発
コンプライアンスが機能せず、どんぶり勘定…
こういう事業に投資してはいけません。
ソーシャルレンディングが危ない理由は事業リスク
ソーシャルレンディングで資金を募る企業には特徴があります。
それは金融機関から融資を受けられないことです。
上述したように、今は超低金利時代。
企業にとっても、超低金利でお金を借りられる時代です。
それにもかかわらず、銀行から融資を受けられないので、ソーシャルレンディングを利用する企業が多いのです。
では、なぜ銀行から融資を受けられないのでしょうか?
その主な理由は
★取引実績が少なく、稟議に通らない
★リスクの高い案件だと銀行から敬遠される
★銀行融資を取得済みで、追加資金が欲しい
一般的にこのような企業に投資することはリスクが高めといえるでしょう。
銀行から低金利で融資を得られないため、ソーシャルレンディングを利用した事業者は高めのリターンを設定するわけです。
ソーシャルレンディングの利回りが高いのには理由があります。
事業リスクを減らすためにも、ソーシャルレンディング事業者は借手の企業・事業内容のデューデリジェンスを徹底的に行う必要があります。
また、これまでの業界の不祥事などを受け、投資家保護を厚くする業者も出てきました。
ソーシャルレンディングのリスクを減らす方法
ソーシャルレンディングにはリスクがあります。
しかし、それは株やFX、暗号資産、不動産などの投資でも同じ。
ソーシャルレンディングの投資利回りが高いことも事実。
つまり、ソシャレンへの投資リスクを極力減らすことが重要になります。
リスクを軽減できればソーシャルレンディングが「やばい」「危ない」状況を回避できます。
では、どのようにリスクを減らすのか?
答えは、1にも2にも分散投資あるのみ。
ソーシャルレンディングにおける分散投資は次のような意味です。
★ソーシャルレンディング事業者を分散
★投資する事業案件を分散
★投資する借手を分散
★投資先の国を分散
★運用通貨を分散
★ソーシャルレンディング事業者を分散
ソーシャルレンディング事業者を分散することで、ソシャレン事業者が倒産したときのリスクを軽減できます。
★投資する事業案件を分散
1つの案件に資金を集中させない。投資した案件がとん挫した場合のダメージを減らす。
★投資する借手を分散
事業内容・財務内容・投資家保護の姿勢などがしっかりした借手だけに分散投資することでリスクヘッジ。
★投資先の国を分散
ソーシャルレンディングの案件には新興国への投資案件もあります。一般に新興国への投資はハイリスク・ハイリターン。先進国を含め、ポートフォリオ全体でリスクを軽減していく。
★運用通貨を分散
トルコリラやロシアルーブル、ブラジルレアルなど、新興国通貨は、コモディティ価格や地政学リスクなどの影響によって大きく動くことがあります。
国力の強い安定通貨を交えた、複数通貨によって運用することで、ソシャレン投資のリスクを減らします。
2021年もソーシャルレンディングは危ない、やばいのか?
過去にはさまざまなトラブル・不祥事のあったソーシャルレンディング。
2021年現在もソーシャルレンディングは危ない、やばいのでしょうか?
実は…そうではありません。
過去の不祥事などをきっかけに、ソーシャルレンディング投資の問題点が見直されました。
業界全体としてもイメージ回復を図ろうと力を入れているようです。
特に、「投資家保護」と「透明性」の点でずいぶん改善されてきました。
最近の主だった改善点をみてみましょう。
【改善点2】金利の低下
【改善点3】借手が上場企業のケースが増加
【改善点4】情報の透明性が向上
【改善点1】融資先の匿名性を排除
不祥事が続出した反省点から、金融庁財務局は2019年3月に融資先の匿名を排除しました。
これにより、身元の不透明な業者に融資するリスクが大幅に減りました。
俗にいうやばい業者、危ない業者が減ったことで、ソーシャルレンディングの安全性が向上することになりました。
融資先情報が開示されることで、投資家が自身でその企業を調べることも可能になり、投資判断の大きな手掛かりとなったことでしょう。
【改善点2】金利の低下
金利の低下は一見、リターンが減ってネガティブに思うかもしれません。
しかし、そうではありません。
無理に分配金・配当を出そうとする業者が減ることで、投資案件の健全度がアップ。
貸し倒れリスクが減り、デフォルトの可能性が以前より低下傾向にあります。
【改善点3】借手が上場企業のケースが増加
投資家にとってソーシャルレンディングのリスクは。貸し倒れリスクと遅延にあります。
上場企業に融資することで、投資資金の回収がより確実に実行されるようにするソーシャルレンディング事業者が増えてきました。
【改善点4】情報の透明性が向上
融資先の情報やそれに付随する情報が開示されるようになりました。
よくわからない案件に投資するリスクが排除されたことにより、貸し倒れリスクの高い危ない企業や案件への融資の可能性はかなり低くなったと思います。
ソーシャルレンディング事業者、金融庁が積極的にソーシャルレンディングを取り巻く環境を改善してきたことで、リスクは相当減りました。
ソーシャルレンディング投資は、以前のほど危ない、やばい状況ではなくなったといえるでしょう。
ソーシャルレンディングで失敗、大損する可能性
数年前よりも、確実に投資としての健全度が向上したソーシャルレンディング。
しかし、投資である以上リスクをゼロにすることはできません。
ソーシャルレンディングに興味のあるあなたであれば、きっとソシャレンで失敗、大損する可能性についても知りたいことでしょう。
クロサキが考え得る可能性をお伝えしていきます。
かつては、ソーシャルレンディング投資での失敗や大損といえば、投資家サイドよりも借手やソーシャルレンディング事業者側の問題による部分が多かったと思います。
投資家から集めた資金を横領したり、ファンドが飛んだりといった問題ですね。
しかし、現在ではかなり環境も整備されてきており、以前よりはそのような問題は起こりにくくなりました。
とはいえ、完全に消えたわけではありません。
ですので、分散投資をせず、一極集中投資してしまうと失敗の確率が高くなり、大損につながるリスクがあります。
やばい、危ない案件がゼロになったとはまだ言い切れないからです。
ですので、以下の2つは徹底的に心がけましょう。
★投資は余裕資金で行う
★ソーシャルレンディングには分散投資をする
この2つを心掛けるだけでも、あなたのリスクは相当低減できるでしょう。