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塩漬け株の5つの対処法とは
(最終更新日:2022/2/24、元記事:2020/10/27)
あなたは塩漬け株を保有していますか?
返答が「いいえ」なら、この先を読む必要はないのかもしれません。
ですが、もし「はい」なら、塩漬け株で困っているあなたへの処方箋になる可能性がありますので、ぜひ読み進めてみてください。
塩漬け株の対処法の5パターンを、わかりやすく解説していきます。
どれもすぐにできる方法ですので、「塩漬け株をどうする?」と悩やまなくなることでしょう。
塩漬け株の対処法には以下の5つの処理方法があります。
★損切り
★ナンピン買い
★放置
★貸株
★担保にして信用取引
1つ1つ、ていねいに解説していきましょう。
★塩漬け株を持っている人
★持ち株が含み損になってしまった人
★損切りできず、ズルズル塩漬けてしまっている人
★塩漬け株の対処法を知りたい投資初心者
塩漬け株の対処法①「損切り」
塩漬け株の対処法にかんして、最もポピュラーなのが「損切り」です。
同時に、株が塩漬けになってしまう最大の理由も「損切りができない」ことにあります。
つまり、含み損を抱えた時に「損切り」するかどうかの適切な判断をすることが重要になります。
ソフトバンクグループ(9984)のチャートを例に見てみましょう。
参照元:スマートチャートプラス
テクニカル分析の考え方に、「上値抵抗線をブレイクすると、上値抵抗線だったラインが下値抵抗線として機能する」という考え方があります。
上のチャートを見ると、まさにこのセオリー通りになっていることがわかります。
下値抵抗線で株価が反発したので、オレンジの〇のところでソフトバンクグループの株を買ったとしましょう。
ソフトバンクG株を買った後、少し株価が上昇し横ばいトレンド。
その後、マドを開けて急落するなど強い下落トレンドとなっています。
この場合、遅くとも下値抵抗線を株価が割ったところで「損切り」しておきたいところです。
株価下落の大きな要因に、「自社株買いの終了」と「新規の自社株買いの発表がない」ことが挙げられました。
★テクニカルで下落。
★ファンダメンタルズでも、売り材料。
株価が上がる(反発)要素がない場合には、すぐに損切りした方がベターです。
こうしたテクニカル・ファンダメンタルの判断をできるようにしましょう。
★★塩漬け株を回避し損切りした個人投資家★★
個人投資家たけし氏をご存じでしょうか。
たけし氏はソフトバンクのIPOで大損したのですが、塩漬け株にすることなく損切り実行しました。
損切りすることで、お金は減るしメンタルも削られます。
しかし、それは一時的なことです。
気持ちをリセットして、新たな投資機会を得ることができます。
クロサキがたけし氏を評価する理由を下記記事に書きました。
良かったらチェックしてみてください。
↓↓↓
投資家たけし氏のソフトバンク損切りを評価する理由
塩漬け株の対処法②「ナンピン買い」
塩漬け株の対処法にナンピン買いがあります。
このナンピン買いに関しては、「向いている人」と「向かない人」がいますので解説します。
★ナンピン買いに向いている人 ⇒⇒ 長期投資家
★ナンピン買いに向かない人 ⇒⇒⇒ 短期投資家
※ギャン理論が気になる方はコチラ
↓↓↓
ギャン理論 価値ある28のルールを投資のプロが解説
一方、長期投資家の場合は、目先の株価の上げ下げには一喜一憂しません。
数年は保有することが前提となりますので、株価が下がれば買いのチャンスというのが基本スタンスです。
投資した企業の成長ストーリーが崩れない限りは、株をナンピン買いして株価が回復するのを待つ、というやり方はありだと思います。
塩漬け株と書きましたが、長期投資家にとっては塩漬け株ではないのですね。
あくまで株を買い増す過程でしかないのです。
★注意点★
ナンピン買いは長期投資家向きと解説しましたが、基本的にはお金と時間に余裕のある長期投資家向きです。
ナンピン買いには経済的コストと時間コストがかかります。
その間、機会損失も生じます。
ですので、お金と時間があり、しっかりとした長期の投資戦略を持った人向けの戦略といえます。
塩漬け株の対処法③「放置」
塩漬け株の放置はもっともやってはいけない対処法です。
なぜ、塩漬け株を放置してはいけないのか?
理由は5つあります。
★保有している間、精神衛生上よくない
★損失が拡大する可能性が大きい
★泣く泣く損切りした後も、引きずってしまう
★機会損失が生じる
★現実を見なくなる
★塩漬け株を放置しても大丈夫な場合★
世界一の投資家ウォーレン・バフェットは、
喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきですらない
との名言を残しています。
バフェットはバリュー投資家で、長期スタイルの投資家として知られています。
上記の彼の言葉を解説すると、
★長期で成長が期待できる企業に投資しなさい
★10年の間に株価が下がることもあるが、長期で上がっていくのだから気にしないこと
★目先の株価を気にするようなら、わずかな間でも株を持とうとすべきではない
ということでしょうか。
つまり、株を買ってから10年間放置しても大丈夫だと思えるような株を買え。
それができないのなら、株を持つべきではないと言っているわけです。
日本と米国の違いもあるので、全てを是とはできませんが…
バフェットのような長期目線で投資ができる人のみ、放置することもありなのかもしれません。
ただし、推奨はしません。
塩漬け株の対処法④「貸株」
塩漬け株を貸株にして証券会社から貸株金利を得ることも、塩漬け株の対処法の1つです。
・貸株は、投資家が保有する個別株、ETFを、証券会社に貸し出すことで、金利がもらえるサービスです。
たとえば、無配当の銘柄を持っていても、投資家は株式を貸し出すことでインカムゲインを得られます。基本的に貸株は低リスクで年利0.1~0.2%くらいの利益を手にできます。
銘柄によっては、年率10%を超える金利を得られる銘柄もあり、お宝銘柄となります。
★★貸株のデメリット★★
・貸株金利は配当所得とは異なり、雑所得になります。
その結果
★配当金控除を受けられない
★総合課税の対象になる
★株の損益通算ができない
というデメリットが生じます。
また、配当や株主優待の権利確定日に貸株したままだと、配当・株主優待が得られなくなるデメリットもあります。
ただし、証券会社によっては株主優待や配当を自動で取得できるサービスを提供しています。例:楽天証券など
塩漬け株を貸株に出し、金利をもらいながら株価の上昇を待つ。
長期投資家の戦略ではありますが、これも塩漬け株の対処法となります。
貸株については下記記事で詳しく解説しています。
↓↓↓
貸株の7つのデメリットと4つのメリット
塩漬け株の対処法⑤「担保にして信用取引」
塩漬け株の対処法…最後は中級者向けの処理法です
その対処法とは、保有する塩漬け株を担保にして信用取引をするというものです。
証券会社の中には、投資家が保有する現物株や投資信託などの金融資産を担保にすることで、信用取引を行えるサービスを提供しているところもあります。
たとえば、楽天証券の場合、「らくらく担保」というサービスを提供しています。
参照:楽天証券
信用取引に必要な証拠金の代わりに担保に出す株などを代用有価証券と言います。
例えば、あなたが株価1000円の銘柄100株を担保にして信用取引をする場合、一般的には差し出す担保の80%程度の証拠金と同等として扱われます。(例の場合は8万円分)
塩漬け株を担保にして信用取引をすることで、塩漬け株が抱える含み損のダメージを減らすことや、利益に変えることも可能です。
★★【例】ソフトバンクグループ★★
例えば、上述したソフトバンクグループの場合。
◎チャートを見れば下落トレンドは明らかであり、まだ続きそう。
◎自社株買いの発表なし
◎ビジョンファンドが投資する会社に中国政府の圧力あり
など、トレンド転換しそうな材料が見当たらない。
そう考えると、まだ株価は下がっていくのかなと考えられます。
この場合、取るべき戦略は基本2つ。
<戦略1>
保有するソフトバンクグループ株を担保にして、信用取引(空売り)することでポートフォリオの損失の軽減をはかる。
この戦略の場合、「逆日歩」には注意が必要です。
※空売りが多い銘柄の場合、株を借りるのに逆日歩という品貸し料が発生し、コストが高くなるおそれがあります。
<戦略2>
ソフトバンクグループと違い、上昇トレンドを継続している個別株やETFを信用買いする戦略を取る。
例えば、過去最高値を更新し続けているS&P500のETFを買うのも良いでしょう。
参照元:スマートチャートプラス
投資額などにもよりますが、塩漬け株の含み損以上の利益を出せる可能性は十分にあります。
塩漬け株をつくらない方法
塩漬け株の対処法をこれまで紹介してきました。
さくらくんの塩漬け株問題がこれで解消してくれるとうれしいですね。
とはいえ、塩漬け株というのは、塩漬ける前に行動を起こすことが一番大事です。
かんたんに言えば、塩漬ける前に行動を起こすこと。
そこで、塩漬け株をつくらない方法をお伝えします。
塩漬け株をつくらない方法…
それは「売買ルールを決めておくこと」です。
株価500円の株を買った場合
・700円になったら売り(利益確定)
・400円に下がったら売り(損切り)
というように、利確とロスカットのどちらにも売りの目標値を設定しておくと、塩漬け株にならずに済みます。
また、保有銘柄が増し担保規制になった場合も注意が必要です。
増し担保規制中や、規制解除後に株価が下がるパターンも多く、塩漬けになりやすいためです。
増し担保規制に関してはコチラの記事で詳しく解説しています。
↓↓↓
増し担保の解除後に上がる株と下がる株の見分け方
以下に「投資ルール」や「偉大な投資家の名言」を載せています。
投資ルール作りの参考によければチェックしてみてくださいね。
※ウォーレン・バフェットの投資ルール・名言は暴落波乱相場でこそ活きる
おわりに
塩漬け株への対処法は、自分の損切りルールにぶつかったら売ること。
これでお金よりも大事な時間を失うリスクを減らせるでしょう。
相場格言に「銘柄に惚れるな」という言葉があります。
基本的に株式投資は、応援したい会社の株を買う行為だと思いますが、投資が失敗だった時にはそれを受け入れて、気持ちを切り替えることも重要です。
未練を残すと泥沼にはまり込む可能性が高くなる。
私がこれまでの投資経験から学んだ経験則です。
あなたが塩漬け株に苦しむことのないよう、資産運用がうまくいくことを願っています。
投資家の中には、売買ルールを作っても、それを実行できない人もいます。
これは非常にもったいないことです。
ルールは守っていきましょう。
億り人になるような投資家は、自分の売買ルールを持っている人が多くいます。
次の億万長者にあなたがなれることを祈っています!