
IPOはセカンダリー投資の空売り戦略こそ重要、その攻略法とは
(最終更新日:2020/11/12、元記事:2020/7/30)
IPOのセカンダリー投資が大きな利益になり得ることをご存じですか?
IPO投資は公募に当たるだけが儲けの全てではありません。
IPOのセカンダリー投資は、空売りを有効活用できるかが成否の分かれ目。
空売りと聞くと、こわくて手が出せない人もいるでしょう。
しかし、攻略法を知ってしまえば、IPOセカンダリー投資は大きなチャンスの機会になります。
2020年現在、IPO市場はバブル状態にあります。
公募に落選しても、大きなチャンスがあるIPOセカンダリー投資の魅力と空売り戦略について紹介していきます!
IPOのセカンダリー投資はなぜ儲かるのか?
IPOセカンダリー投資には、投資家の資金が多く流れ込んでいます。
プライマリー(公開)市場も含め、IPO市場にはバブル波の投資資金が注入されているため、個人投資家でも大きなリターンを得られるチャンスが広がっているのです。
2020年10月に新規上場したカラダノート(4014)の株価チャートをごらんください。
※引用:ヤフーファイナンス
IPOに当選していれば、初値で売って4倍以上の利益となった案件。
ですが、IPOに当たらなくても問題ありません。
チャートを見ると、IPOに当たった人たちが利益確定の売りを行って株価が下落しています。
この時期は米大統領選の影響もあり、新興市場から投資資金が引いている時期も重なるなど、地合いも悪かった。
ところが、大統領選の大勢が判明し、IPO当選組の利確も一段落したら株価は大きく上昇。
わずか1週間で、上場来安値1351円から2倍近い2600円まで上昇しました。
カラダノートのチャートを見ればわかりますが、ローソク足の実体やヒゲは長いものが多いです。
これはそれだけ値幅が大きいことを意味します。
株価が大きく動くので、そこに大きな利益を獲得するチャンスが生まれるわけです。
IPOの公募に当選する確率は宝くじよりは高いものの、そんなにホイホイ当たるものではありません。
特に人気銘柄となると尚更です。
抽選倍率が100倍を超えることがザラなので、IPOに当たらないとあきらめてしまう人も多いようです。
しかし、私に言わせれば、IPOはセカンダリー投資を狙っていく方が本命です。
IPOのセカンダリー投資で効率よく稼ぐトレーダーも多く、メジャーな投資手法になりつつあるようです。
IPOのセカンダリー投資では空売りできない…はウソ
IPOのセカンダリー市場では一般的に空売りできません。
空売りできないので、人気株であれば期待から株価は大きく上昇していく可能性が高まります。
しかし、まったく空売りできないというのはウソです。
SBI証券のHYPER空売り、松井証券のプレミアム空売りを利用すれば空売りは可能です。
ただし、両社の空売りは日計り信用取引になるので注意が必要です。
日計り信用取引はデイトレードをするための信用取引で、一日で取引を手仕舞う取引になります。つまり、空売りしたらその日の内に借りた株を買い戻さなければなりません。
※引用:SBI証券アプリ
通常空売りは半年間までポジションを保有できますが、日計り信用取引ですので、大きな投資額を持った個人投資家などが、次々と売りポジションを構築して持ち越すことはできません。
IPOセカンダリー投資は空売り(ハイカラ)を使えば両建てで利益を狙える
IPOのセカンダリー投資で空売り(日計り信用取引)を利用できるとお伝えしました。
この空売りを上手に活用できれば、IPOのセカンダリー投資でも利益を積み重ねられるでしょう。
ただし、ボラティリティが高くリスクの高い投資であることに変わりありませんので注意が必要です。
相場を読むのが難しいと思った場合には、休むも相場です。
空売りのタイミングを見極めるのが難しくなりますが、ローソク足でいくつかのサインを読み取ることができます。
上記のカラダノートのチャートを見ると、3本目の日足の大陰線、8本目の上ヒゲの長い大陰線などは株価下落のシグナルといえます。
特にわかりやすいのは、上ヒゲの長い大陰線ですね。
これは株価上昇したものの、その勢いが続かずに株価が大きく下落した証拠なので、翌日も下落になる可能性が高まります。
こうしたテクニカルのサインを読み取っていけば、セカンダリー投資における空売りで利益を狙うことも可能です。
IPOのセカンダリー投資における注意点
IPOのセカンダリー投資は、うまくすれば会社の成長に伴った株価の大きな上昇に乗り、テンバガー達成になる可能性を秘めています。
しかし、同時にセカンダリー投資ならではの注意点もあります。
IPOセカンダリー投資の代表的な注意点を2つご紹介しましょう。
IPOのセカンダリー投資はすでに株価が過熱気味の可能性
上述したように、IPO株は非常に人気があって初値が公開価格の数倍の株価になることも珍しくありません。
IPOのセカンダリー投資は、初値が付いた後の投資手法なので、すでに株価が高い状態の銘柄も少なくありません。
株価が高くてPERが100倍以上の銘柄でも、その企業の成長への期待から株が買われて株価上昇を押し上げることになります。
同時に、公募の抽選に当選して初値で売らなかった人たちが、利確をしてくる可能性もあります。
SBIの日計り信用(通称ハイカラ)などで空売りを仕掛けてくるトレーダーもいます。
相場の過熱感から警戒の売りが多くなるリスクもあります。
これらの理由から、株価が下落していくリスクがあることを念頭に置くべきでしょう。
IPOのセカンダリー投資はボラティリティが高く、慣れない人は振り回されて損切りのリスクも…
IPO株はセカンダリー市場でボラティリティが激しくなりがちです。
特に初値で4000円、5000円以上の株価になると、値嵩株になりますので、制限値幅も大きくなります。
何かマイナスインパクトなどがあれば、一気に数百円も株価が下落することも珍しくないので注意が必要です。
大きな金額なので、投資経験の浅い人やメンタルの弱い人、IPOのセカンダリー投資をしたことのない人は、目先の株価の上下についていけず、保有株の株価がマイナス数百円になったりして狼狽売りの損切りをしてしまいがちです。
きちんとした投資戦略や資金管理、メンタルを持ってIPOのセカンダリー投資に臨みましょう。
終わりに
IPOのセカンダリー投資には、空売りリスクやボラティリティの高さなどの注意点があります。
しかし、IPOする企業というのは成長性の高い企業です。
売上・利益ともに高い伸びを見せる企業群ともいえるのです。
トヨタ自動車やソニー、ファーストリテイリングだってIPO(株式公開)したばかりの時代があったわけです。
この3社のIPO時にセカンダリー投資していれば、投資額は数百倍になっていたことでしょう。
リスクはあれど、それ以上の夢がある投資がIPOのセカンダリー投資だと筆者は思います。
※投資は自己責任と自己判断でお願いします。

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