楽天 増収増益 今後のキャッシュレス事業に期待

    増収増益の楽天

    楽天の業績が好調です。

    8日に発表した18年12月期第3四半期連結決算(1~9月)は増収増益を達成。

    売上高に該当する売上収益が前年同月比16.8%増の7,903億3,000万円、営業利益が同11.1%増の1,335億4,400万円、四半期利益が同48.6%増の1,079億2,300万円となり、売上高と営業利益は過去最高を記録しています。

    増収増益の主な要因は、投資事業での評価益が会計方針の変更もあり大きく出たことが主因ですが、キャッシュレス事業の好調ぶりも大きく貢献しています。

    キャッシュレスなどのフィンテック事業は、前年同月比14.9%の営業増益。

    増収増益のけん引役となり、今後大きく成長が期待されるキャッシュレス事業について見ていきましょう。

     

    楽天 増収増益のけん引役 キャッシュレス事業の展望

    今キャッシュレス事業は、競争の激化により戦国時代の様相を呈しています。

    この分野にはLINEやヤフーなどの大手IT企業がこぞって参入しており、投資回収に時間もかかるリスクの高い分野ですが、楽天は「楽天ポイント」などの強みをフルに活用し、キャッシュレス事業を収益源の柱にしようと試みています。

    楽天の穂坂雅之副会長は8日、決算発表の場で「キャッシュレス社会を、楽天の総合力でけん引する」と発表。

    楽天が手掛ける決済サービスは、クレジットカードの「楽天カード」、電子マネー「楽天Edy」、
    スマホ決済「楽天ペイ」などがあり、穂坂副会長は「キャッシュレス決済に必要なものは、全て揃えている」と自信を示します。

    このうち最も収益に貢献しているのは、クレジットカードの「楽天カード」。

    カード部門は会員数が8月に1,600万人を超え、前年同月比15%の増収を記録しました。

    スマホ決済については収益を開示していませんが、店舗から受け取る決済手数料を一律3.24%に設定しており、一定の貢献はあったと見られています。

    手数料維持の表明

    楽天のキャッシュレス事業戦略でユニークなのは、「手数料の維持」にこだわっている点であるといえます。

    1~9月の連結決算で増収増益を達成し、今後も好調な業績を維持するには、採算性を強く意識する必要があります。

    楽天の広瀬研二最高財務責任者=CFOは「無料では、事業の持続性がない」と、あくまで手数料の維持を表明。

    LINEやペイペイなどの競合他社が、収益性よりもシェア拡大を優先し、手数料を0円に設定するなか、「利便性で勝負できる」と強気の姿勢を示します。

    スマホ決済ではLINEが100箇所での導入にメドを付けるなど、楽天を先行。

    楽天はクレジットカードや電子マネーなど、他のキャッシュレス決済を含めると加盟店は120万店にのぼりますが、今後はスマホ決済の拡大が喫緊の課題となります。

    楽天のキャッシュレスサービスを利用するメリット

    楽天のキャッシュレス決済を利用する最大のメリットは、楽天ポイント」を支払いに使用できる点でしょう。

    ネット通販の利用などで貯まる「楽天ポイント」ですが、同社は年間2,000憶を超えるポイント(2,000憶円相当)を付与していると見られています。

    手数料を有料のままキャッシュレス事業を推進する楽天ですが、「楽天ポイント」の存在を踏まえれば、十分に利用者への還元はなされていると、いえるのではないでしょうか?

    「楽天ポイント」などで築き上げた既存の経済圏へ、どれだけスマホ決済を結び付けられるかが、これからの楽天の課題でしょう。

    楽天のキャッシュレス決済を利用するメリットは、店舗側にもあります。

    店舗側は楽天銀行に口座を持つと、スマホ決済による入金が翌日に無料で口座に振り込まれます。

    特にに資金繰りやキャッシュフローに頭を悩ます中小業者にとって、回収期間の大幅な短縮は力強い経営支援になるとおもわれます。

    キャッシュレスサービスの将来

    キャッシュレスサービスの将来はどうでしょうか?

    第一に注目すべきなのは、将来の支払いにおけるキャッシュレス比率の急拡大でしょう。

    経済産業省によると、2016年時点のキャッシュレス比率は19.8%と、07年からの9年間で6ポイント上昇しました。

    主要先進国はさらに先をいっており、米国は46%、英国は68%、韓国は96%にまで及びます。

    経済産業省が4月に発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、2025年までに現在の倍の40%にまでキャッシュレス比率を引き上げる旨、報告されています。

    キャッシュレスは飲食店などの店舗側にとってもメリットが大きく、例えば売上金の集計が簡単になり、おつり用の小銭の準備負担なども軽減されます。

    また消費者の購買情報を蓄積することで、より高度なマーケティング分析や購買心理の検証も可能になります。

    市場では楽天のスマホ決済について「情報開示が少なく、LINEなどと比べた優位性をまだ見極めにくい」との声もありますが、独自の強みを生かしてシェアを拡大することができれば、キャッシュレス事業は目論見通り収益源の柱として成長できるとおもわれます。

    最後の楽天の株価をみてみましょう。

    楽天(4755)
    楽天株価チャート

    11/8日の決算発表を経て、堅調に上げています。

    キャッシュレス事業が順調に成長し、今後も増収増益が期待できるようであれば、それに伴い株価もますます上がっていくことでしょう。