百年受け継がれるシンプル手法、ポイントアンドフィギュアとは

    ポイントアンドフィギュアの手法

    100年の歴史に耐え続けてきたクラシックな投資方法

    約100年前、アメリカのシカゴで生まれたある投資方法が、21世紀の現在もなおプロの投資家たちに愛用され続けています。それがポイントアンドフィギュア(Point and Figure)。100年前に開発され、それが100年後の今も使われているということは、それだけ普遍的な価値があり、いかなる状況にも耐えられる投資メソッドと言えるでしょう。ではこれから、ポイントアンドフィギュアとは何か、どうやって使うのかを簡単に説明していきましょう。

    ポイントアンドフィギュアとは何か

    ポイントアンドフィギュア(Point and Figure)は、そのまま日本語に訳すと「点と数字」となります。要するに、ポイントアンドフィギュアとは、株の値動きを「点と数字」だけで示すことなんですね。ちなみに、Point and Figureを「点と形状」と和訳している書籍やサイトもありますが、これは誤りです。

    ポイントアンドフィギュアの手法解説1

    上の図を見てください。これからポイントアンドフィギュアによって株の値動きを記録していきましょう。左端に数字が並んでいますが、これが株価です。現在の株価が13ドルだった場合、13ドルのところに点をつけます(ここでは緑色の点にしておきましょう)。

    この後、株価が大して上がらないようであれば何も記録しません。ポイントアンドフィギュアでは、細かい値動きはすべて無視されます。そして、1枠=1ドル以上の値上がりがあったら、そのたびに点を付けていけばいいのです。例えば、18ドルまで上がった場合は、下の図のようになります。

    ポイントアンドフィギュアの手法解説2

    逆に値下がりがあった場合はどうするか。ポイントアンドフィギュアでは「3枠ルール」というものがあります。3枠以上のトレンド転換(この場合は値上がりから値下がりへの転換)があった場合は、次の列に移って、下がったことを示す点を付けていくのです(ここでは赤い点としておきます)。例えば、18ドルから15ドルまで下がった場合は、下の図のようになります。

    ポイントアップフィギュアの手法解説3

    15ドルまで値下がりのトレンドが続いた後、また値上がりのトレンドに切り替わった場合は(つまり3枠以上の上昇があった場合は)、また次の列に移って、値上がりトレンドを示す緑色の点を付けていけばいいのです。例えば、20ドルまで上がった場合は、下の図のようになります。

    ポイントアップフィギュアの手法解説4

    これがポイントアンドフィギュアです。値上がりトレンドがあったら、それが値下がりトレンドに転換するまで、同じ列に値上がりの点を付けていく。値下がりトレンドに切り替わったら(3枠以上の反転があったら)次の列に移って、値下がりの点を付けていく。これだけのことです。実にシンプルですね。

    ポイントアンドフィギュアの図を見ればわかると思いますが、時間の概念がありません。ふつうの株価チャートを見ると、縦軸は値段であり、横軸は時間となっています。しかし、ポイントアンドフィギュアは時間を無視しています。ひたすら値動きだけを記録していくのです。

    ポイントアンドフィギュアの使い方

    このポイントアンドフィギュアを使って、どのように株を売買していけばいいのでしょうか。そのルールも単純明快です。いつ買えばいいのか。いつ売ればいいのか。すべてポイントアンドフィギュアが自動的に示してくれます。

    ポイントアップフィギュアの手法解説5

    ポイントアンドフィギュアでは「前回高値を上回ったら買い」「前回低値を下回ったら売り」が基本的な戦略となります。上の図を見てください。前回は17ドルまで上がり、その後、いったん14ドルまで下げた後、また上昇トレンドとなり、前回高値の17ドルを超えて18ドルに達した瞬間が、ポイントアンドフィギュアによって記録されました。ということは、この18ドルの点が付いた時点で買いのエントリーをすればいいのです。

    では、その買った株はいつ決済すればいいのか。それは上昇トレンドから下降トレンドへの転換がポイントアンドフィギュアによって示された時です。つまり、緑色の点から3枠転換で赤色の点に変わった時です。つまり、下の図のようになります。

    ポイントアップフィギュアの手法解説6

    では、このポイントアンドフィギュアを使って、米国企業Appleの株価を表してみましょう。2016年1月から2018年8月までのAppleの値動きを「点と数字」だけで表現すると、下の図のようになります。

    ポイントアップフィギュアの手法解説7

    上で説明した手法にしたがうと、Appleの株を買うサインは3回出ています。1回目は一定の利益を出して確定。2回目は少々の損失を出して確定。そして、3回目は、この記事を書いている2018年9月現在においても、いまだ決済のサインが出ていません。どこまで利益が伸びていくのか、どこで決済すべきか。すべてはポイントアンドフィギュアを見ながらじっくり構えていればいいのです

    これは、あくまでポイントアンドフィギュアを用いた基礎的な売買方法の1つであり、プロの投資家になれば、ポイントアンドフィギュアをもっと様々な戦略のために用いることもあります。いずれにせよ、ポイントアンドフィギュアでは「どこで買うべきか」「どこで売るべきか」のサインが明確に出やすいのです。このシンプルさこそ、ポイントアンドフィギュアの真骨頂でしょう。

    投資も人生も、もっとシンプルに

    私たちは、目の前にある現実を複雑に見てしまいがちです。その結果、思考がごちゃごちゃとなり、目の前の現実が少し動いただけで、動揺し、歓喜し、狼狽し、そして精神的に消耗していくのです。

    ポイントアンドフィギュアは、複雑怪奇なマーケットの値動きの中から、重要なところだけを記録し、そのほかの小さな値動きをすべて省略し、時間軸すら取り除き、私たちの目の前にある現実をシンプルに見せてくれます。

    あなたも、日々の投資活動に消耗しているようであれば、ポイントアンドフィギュアのチャートに切り替えてみることを是非オススメします。投資はもちろん人生そのものも、もっとシンプルになるかもしれません。