投資家の間でなにかと評判の『パチンコトレーダー』という漫画

『パチンコトレーダー』とは?

今日は、投資家&投資家を目指している方々に向けて「必ず読んでおくべき漫画」を紹介したいと思います。それが『パチンコトレーダー』。個人投資家&漫画家の坂本タクマ氏による「投資日記マンガ」です。

投資マンガと言えば『インベスターZ』が有名ですが、この作品はあくまでフィクション。それに比べて『パチンコトレーダー』は、全面にわたってノンフィクション。坂本タクマ氏の投資活動が、成功例も失敗例も含めて、忠実に描かれています。毎月のように坂本タクマ氏のトレード実績が数字とグラフ付きで発表されていて、まさに「投資のリアル」を生で体感できる作品と言えるでしょう。

坂本タクマ氏は、2002年から白夜書房の雑誌『パニック7ゴールド』にて株トレードのマンガ日記を連載し続けてきたんですが、それを投資関係の出版物で名高いパンローリング社が単行本としてシリーズ化してきました。現在において第6巻まで出版されていて、そろそろ第7巻が期待されています。

坂本タクマ氏とは?

この坂本タクマ氏は、1967年生まれで東北大学文学部卒。大学在学中に漫画家となり、主に麻雀マンガやパチンコマンガを描き続けてきました。実生活でもパチンコを打ち続けていた坂本氏ですが、2002年からは株トレードに挑戦。その投資活動を白夜書房の雑誌にて連載することになったわけです。

坂本タクマ氏は、現在、奥さんとお子さん2人とともに仙台市内に居住されています。『パチンコトレーダー』では、投資活動の浮き沈みをリアルに描くなか、ご家族とのやりとりもコミカルに表現されていて、これが殺伐となりがちな投資本に一定の温かみを与えています。『パチンコトレーダー』が6巻まで続いている理由の1つには、坂本タクマ氏ご本人の人間的魅力もあるように思えます。

パチンコトレーダーが評判な理由

投資のリアルを生で体感

『パチンコトレーダー』の何がオススメかというと、先ほど言いましたように、「投資のリアル」を生で体感できる点にあります。

坂本氏は、投資本を書く人にありがちな「成功したことだけをアピールする」タイプの漫画家ではありません。莫大な利益を上げたことも、不調期に陥ったことも、すべて包み隠さず報告してくれます。失敗をおかすたびに試行錯誤して、色々なアイデアを試してみては、また別のアイデアを思いつき、といった試行錯誤の連続も、なんの躊躇もなく読者に向けて披露してくれるのです。

材料トレードからシステムトレードへ

例えば、坂本氏は、株トレードを始めたばかりの頃は、いわゆる「材料トレード」をやってました。日々のニュースや他人からの情報といった「材料=ネタ」によって何を買うかを主観的に決めていく方法です。「〇〇製薬会社が新薬の開発に成功した」とか「アフガン戦争が長引くので原油業界は買い」といったものですね。仕入れてきたネタから何を買うかを予想して、それが的中した時の快感は、まさに投資家ならではのものです。

しかし、実際には、あるネタから株価の値動きを予想するのは、相当に難しい。決算がよくても株価は下がり続けるなんてことは、投資の世界では日常茶飯事です。しかも、実際にネタに基づいて株を買うと、自分の主観的な予想が当たっているかどうか、毎日のニュースをチェックしながら一喜一憂する。主観に基づくトレードは、精神的な消耗がハンパではないのです。

そこで、坂本氏は、ある時点から「材料トレード」をやめて「システムトレード」に移行します。ここで言うシステムトレードとは「チャート上でこういう条件を満たす動きがあったら買う。こういう条件を満たす動きがあったら売る」という売買ルールをあらかじめ決めたうえで行うトレードです。前もって明確な売買ルールを決めておけば、投資家本人の主観的な判断は必要ありません。投資家は、その売買ルールに従って機械的にトレードするだけなのです。

このシステムトレードに切り替えてから、坂本氏は、成績が安定化していき、順調に資産を増やしていきます。もちろん、年に何回かは、その売買ルールが今後も利益をもたらすものかどうかの点検をしないといけません。そして、場合によっては、ほかの売買ルールに切り替えるといった判断が必要になります。しかし、少なくとも、ニュースを見て右往左往して、買うか買わないかで毎日苦悩するような投資スタイルからは卒業していくのです。

このように、この本を読んでいると、投資家にしか分からない苦悩、喜び、葛藤、そのすべてがリアルに伝わってきて、同じ投資家として思わず共感してしまう。共感するだけではなく、同じ投資家として実践的な学びも得られる。投資家や投資家をめざす人なら、いったん読み始めると、食い入るように最後まで読んでしまうことは確実でしょう。

投資家にパチンコトレーダーが評判な理由

『パチンコトレーダー』名言集

最後に『パチンコトレーダー』の中から、坂本タクマ氏の名言をいくつか引用してみましょう。いずれも『パチンコトレーダー』の雰囲気がよく分かるものとなっています。これを読んで興味を少しでも持ったら、ぜひ同著を買ってみることをオススメします。

「99連勝したって1回の大負けトレードでマイナスになりうるのが相場だ たとえ全勝でもそれが一番儲かるとは限らない」

──『パチンコトレーダー 初心者の陥りやすいワナ編』p.160

「志は高く テンションは低く」

──『パチンコトレーダー システムトレード入門編』p.74

「『ちゃんと額に汗して働かなきゃ』とホリエモンや我々トレーダーに対して言う人がやたらいますが オレらは額だけでなく 手にも背中にも脇の下にもじっとり汗かいてトレードしてますから!!」

──パチンコトレーダー システムトレード入門編 pp.155-156

「相場も一般社会も大衆心理は一緒だ そいつを分析することで新しい売買システムの発見に繋がるんじゃないかと思ってる」

──『パチンコトレーダー4』p.191

「ああ オレももっと若いうちから株をやっていれば プログラミングや数学をやっていれば今ごろ完璧なシステムを作って大儲けしてただろうに!」

──『パチンコトレーダー5』p.28

「アホなんだろうか。アホなんだろう。だが、アホになるくらいでないと、この苦難には立ち向かえないかも知れない」

──『パチンコトレーダー5』p.42

「休んだその日から儲かるシグナルがでまくったらどうする 休めねえんだよ!! 止まったら死ぬ回遊魚なんだよオレは!!」

──『パチンコトレーダー5』p.183