
NTTドコモ、料金4割値下げでも勝算はあるのか?通信料収入大幅減見込みでも株価は上昇の怪
4/15、「NTTドコモ」(9437)の発表に衝撃が走りました…!
『料金最大4割値下げ』
『料金プランはわかりやすく、たったの2つ』
スマホ(携帯)料金の最大4割値下げ…
正直、聞いた瞬間は信じられませんでした。
寡占状態の通信業界で一番のうま味が通信料収入なのですから、3大キャリアがそれを手放すとは思えなかったからです…。
しかし、多くのマスコミの前で大々的に発表したのですから、偽りはないのでしょう。(そう信じたい)
この発表に早くも株式市場が反応を示しました。
結論からいうと、3大キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の株価は上昇しています!
通信料収入大幅減が見込まれるのに、NTTドコモの株価が上がっているのはなぜ?
そこが気になったので、その理由に迫ります。
ライバル企業であるKDDI(au)とソフトバンクの動向も探っていきたいと思います!
なぜ今?NTTドコモ料金4割値下げの勝算
それにしても、NTTドコモがこのタイミングで料金の大幅値下げを発表したのはなぜでしょうか?
・今年は改元や消費増税があるから?
・秋には楽天が自社の通信網を構築して、3大キャリアの一角に食い込み、4大キャリアになるから?
どれも理由として考えられると思います。
ですが、本命の理由としては政府の意向ということなのでしょう。
昨夏、菅義偉官房長官が「日本の携帯料金は高すぎる。4割程度引き下げる余地がある」と発言したことをご記憶の方もいることでしょう。
(※参照記事はコチラ)
「4割」という数値はまさに菅官房長官が発した数値と一致します。
次の総理大臣候補の一人と目されている人物でもある政界の大物の発言ですから、無視はできなかったものと考えられます。
新しいプランを練りに練って、発表できるタイミングが今になったとしても不思議ではないかなと個人的には思います。
とはいえ、「そんなに料金を値下げしてしまったら、通信会社は利益を上げられるの?」という疑問が湧くことでしょう。
NTTドコモとしても、2019年3月期の営業利益の水準まで回復するのは、2024年3月期くらいまでかかるかもしれないと覚悟しているようです。
(※参照記事はコチラ)
それでも他社に先駆けていくことで、通信料収入依存型のビジネスモデルからの脱却を図っていくように私には感じられます。
楽天の通信事業者としての実力や可能性が未知数なだけに、将来の収益の青写真を描きづらいとは思います。
それでも、待っているだけではパイを奪われるだけでじり貧になっていく、という危機感が生じたのではないでしょうか。
市場にサプライズとインパクトを与えるという意味では、まずまずこの発表は成功だったといえそうです。
料金値下げ発表後、ドコモ株価が上がった理由とは
今回のNTTドコモの料金値下げの発表。
市場関係者や投資家は好感したようですね。

※引用:ヤフーファイナンス
発表翌日の本日(4/16)、NTTドコモの株価は上図のように上昇しています。
通信料収入が減るのになぜ株価上昇?
と思いたくなるところですが、私はこう思います。
今までは、菅官房長官の発言以降、明確な施策をNTTドコモは打ち出してきていませんでした。
それが今回発表されたことにより、道筋を示したことが大きかったと思います。
「情報がない」「わからない」というものに対して、人間は不安を募らせます。
その不安の増大が株を売りへと誘うので、そうした不安材料が解消されたということで、株価上昇につながったのでしょう。
いわゆる「悪材料出尽くし」です。
ドコモが料金を値下げすれば、他のキャリアも追随するだろうという思惑もあると思います。
事実、KDDI社長もNTTドコモが仕掛けてくるなら応じる、という旨の発言をしていますので、auにも料金プランに変化が出る可能性が高そうですね。
ソフトバンクは現在のところ、大きく市場を動かしそうな発言は出ていないようですが、黙ってはいないものと思われます。
そこに楽天が加わって、競争が激化されれば、さらにスマホ利用者にとっては利用料が下げられることにもなりそうです。
ドコモの値下げは3回戦以上の家族利用者に最も有利に働き、単独契約者の場合は他社と比較して割高水準になる場合もあるようです。
必ずしも誰もが得するというわけではないようですので、新プランを見極めることが重要ですね。
格安SIMなども今の時代はありますので、何が自分に合っているのかをじっくりと見当したいと思います。
昨年末のソフトバンクの通信障害のようなことだけは起きてほしくないです(笑)

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