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ノーベル賞関連銘柄ではやくも文教堂株価急上昇だが、注意点を忘れるとやけどの可能性も
京都大学特別教授の本庶佑さんが、ノーベル医学生理学賞を受賞してから早1年。
今年もノーベル賞週間がやって参りました!
毎年恒例となっている10月上旬のこの時期は、この日本人がノーベル賞を受賞するんじゃないか?と思惑買いが入りやすくなります。
すでに株価が上昇している銘柄もあり、要注目です!
しかし、思わぬ落とし穴が潜む可能性もあるので注意も必要です。
そこで今回は、ノーベル賞関連銘柄への投資について考えてみたいと思います!
ノーベル賞関連銘柄で文教堂株価がはやくも急上昇
ノーベル賞関連銘柄ではやくも株価を上昇させた個別株。
それは「文教堂グループホールディングス」(以下、文教堂GHD)です。

※出典:ヤフーファイナンス
10月4日の終値は245円。
10月7日には高値273円(11.4%増)まで上昇しました。
文教堂GHDは書店を全国展開している会社です。
今年の春にも、作家・村上春樹のノーベル賞関連銘柄として思惑買いが入った経緯があります。
今年のノーベル文学賞は昨年発表されなかった分と合わせ、2人になるため、村上氏の受賞の可能性が高いだろうという思惑買いが入ったようです。
しかし、注意点もあります。
文教堂GHDのケースだと、10月4日に株を買った人は昨日売り抜けていれば、十分な利確ができました。
しかし、昨日買った人は今日含み損を抱えている場合が多いでしょう。
今年は二人受賞になるとはいえ、村上氏が受賞する保証はどこにもありません「。
それに、文教堂は書店であって出版社ではありません。
新潮社などのように、村上作品を刊行している会社であれば、上場していれば株価が連続で上昇していく可能性もあることでしょう。
しかし、書店の場合はAmazonやコンビニなどに押されていますし、文教堂自身、赤字続きで上場廃止の危機にあります。
そのことを考慮しないでうかつに投資すると、儲けるどころか思わぬ痛手を負うことにもなりかねません。
ノーベル賞関連銘柄で投資妙味があるのはどんな銘柄
文教堂GHDの株価は、文学賞の発表前に上昇するも、翌日には利確売りに押され下がっています。
では、日本人の受賞者が決まった場合、中長期で株価が上がっていく銘柄は、どんな銘柄が考えられるでしょうか。
書店のような小売りの場合は、利益率も高くないですし、モノを作っているわけではないので業績に与える影響は限定的だと考えられます。
また昨年受賞した本庶佑さんが開発したオプジーボを製造・販売する小野薬品工業の株価も冴えません。
その理由は薬価引き下げや副作用、そして本庶佑さんとの特許料に関する対立などが挙げられます。
自社で薬を開発したのならともかく、根幹となる技術を外部の人が開発したとなると、莫大なパテントを支払わなければならないため、会社の利益がそれほど伸びないリスクもありそうですね。
その点を考慮すると、2002年に化学賞を受賞した田中耕一さんのようにサラリーマンエンジニアがいるところが強いかもしれませんね。
田中さんが所属する島津製作所は残念ながら上場はしていませんが、もし上場しているようであれば、株価は大きく上昇していったのではないかと筆者は思っています。
自社で技術・特許などの権利を独占している会社というのは、ノーベル賞関連銘柄に限らず強いです。
さらに言うと、株価が高くない企業ですね。
すでに株価が5000円や8000円となっている企業ですと、個人投資家はなかなか手が出せないでしょう。
株価が3桁の会社や3000円以内くらいの上場企業なら、個人でも手が出しやすいので投資資金が集中して中長期で上昇していきそうです。
私だったら、そんな銘柄があれば投資を検討します。
それと、
すでに株価が急騰してしまったという場合には、焦らないことです。
焦って高値でつかむと損切りする羽目になりえますので。
急騰した場合には、マド閉めの売りを狙ったり、押し目を狙っての投資を検討すれば十分に利益を上げるチャンスはありますので、焦りは禁物です。
チャンスは待っていればかならずやってきますので、しっかりとテクニカル分析して買いのタイミングを見極めましょう。