日産株価はストップ安どころか持ち直す。なぜ?カルロス・ゴーン逮捕で

    カルロス・ゴーン

    日産株価がストップ安にならずに持ち直したワケ【カルロス・ゴーン逮捕の衝撃】

    (追記:2019/5/27)
    ついに日産の株価が崩壊か…
    先週、同社株価はそう思いたくなるような株価の動きを見せました。

    5日連続で年初来安値更新。
    つまり、月曜から金曜まで毎日年初来安値を更新していたことになります。

    これはただ事ではないですね…
    昨年11月にカルロス・ゴーン元会長が逮捕された後、急落した株価は持ち直していたことはこのページの元記事でも伝えた通り。

    では、なぜここへきて株価は大きく崩れることになってしまったのでしょうか?

    そして数字上は配当利回り5%以上と、高利回りの日産株は長期で保有していれば報われるのでしょうか?

    気になったので追記していきます!

    まずは、最近の日産の株価の推移を見ていきましょう。

    日産株価0527

    ※引用:ヤフーファイナンス

    日産チャート0527

    ※引用:ヤフーファイナンス

    上の図を見ると、先週1週間年初来安値を更新し続けていたことがお分かり頂けるかと思います。

    元記事を見て頂くと、逮捕翌日の株価が966円だったところ、半年で220円ほど株価が下落していることになります。

    上のチャートを見ると興味深いことが読み取れます。

    カルロス・ゴーン元会長逮捕後、日産の株価はテクニカル分析でいうと、900円近辺の下値支持線(黄色いライン)と835円の前回安値の心理的ポイント(水色ライン)がありました。

    クリスマス暴落後は、何とか支持線に支えられて900円の株価を割らずに来たのですが、4月にそのラインを割りこむと、あっさり下落の勢いを強めていきました。

    そして、下値の心理的ポイントである835円もマド開けの急落であっさりと割り込んでいきました。

    支持線を割り込むと、下落トレンドになりやすいというのは、テクニカル分析のセオリーです。

    まさにセオリー通りに株価が勢いよく落ちていっているのが現状といえそうですね。

    ただ、これはゴーン氏逮捕の影響だけではなく、その後の「ルノーとの協議」、「トランプ大統領が日本車への関税圧力を強める発言をしたこと」「トヨタ社長の終身雇用を守れない」など…

    日産自動車と日本の自動車産業全体に対するネガティブな材料が出ていたことも要因の1つといえるでしょう。

    株価が安くなったことで、5/27前場終了時点での日産株のPBRは0.55倍、配当利回りは5.36%となっています。

    普通に考えれば、高利回りの割安株となるところです。

    ですが、今回の事件で日産ブランドが傷ついてしまったことは否めないでしょうし、若者の車離れが進んでいるという事実、消費増税もあり、自動車業界を取り囲む環境はあまりよくはありません。

    これからは自動運転の時代だから、自動車業界は儲かるだろうと思っている方が多いかもしれません。
    そういう一面もありますが、現在作っている自動車と自動運転技術を搭載した車では、車一台あたりに使う部品の数が天と地ほどの開きがあるそうです。

    自動運転車の方が圧倒的に部品が少なくて済むのだとか。
    当然部品が少ないということは、製造が簡素化され、工場で働く従業員の多くは不要になる。

    そうなると人件費が自動車会社の経営を圧迫することにもなりかねない未来になることでしょう。

    トヨタの社長が終身雇用を守れないと発言したのは、こうしたことも見越してのことだと思います。

    もし日産が新しい経営陣の下でこうした問題を解決できるようなことがあれば、株価は持ち直すどころか、さらなる成長期を迎えることでしょう。

    そうした明るい未来が待っているようなら、個人的には買いかなと思います。
    ですが、ポジティブな材料が今後もしばらくは出てきそうにないのなら、株価はまだ下がっていくのかなと感じています。その場合はしばらく様子見が良いかなと思います。

    あくまでも個人の見解ですのであしからず。

    いずれにしても、日本を代表する自動車メーカーであることは間違いないので、身から出た錆とはいえ、困難を乗り越えて復活してほしいものですね。

    (追記:了)
    (オリジナル記事:2018/11/20記載)

    11月19日1990年代の日産の危機を救ったカリスマ経営者カルロス・ゴーン会長が東京地検特捜部に逮捕されました

    あまりにも有名なカリスマ経営者の逮捕に、日産自動車の株価がストップ安になることをすぐに想像した投資家も多かったことでしょう。

    しかし、翌11月20日の東京市場では日産の株価はストップ安にはなりませんでした

    それどころか、ニュースの衝撃から年初来安値にはなったものの、その後は株価をじりじりと切り上げているのです。

    これはいったいなぜなのでしょう?

    会社の規模や知名度、ニュースの衝撃度からしたらストップ安になっていても不思議ではないため、投資歴10年以上の私も不思議に思いました。

    そこで、なぜ巨額不祥事を起こしたにもかかわらず、日産の株価がストップ安にならず、想定したほどのダメージにならなかったのかを考察し今後の株価の展開についても予想してみます!

    日産株価

    ※引用:ヤフーファイナンス

    日産がストップ安にならなかったのは取引時間外だったから?

    まずはなぜ日産の株価がストップ安にならなかったのかを考えてみます。

    理由として一番大きかったのは、ゴーン会長逮捕の第一報が流れたのが東証の取引時間後だったためだと思われます。

    その時間、海外市場とPTS市場は開いていて、日産の親会社のルノー(仏企業)の株価は一時16%も下げました

    日本のPTS市場でも一時100円近く日産の株価は下げるなどし、ストップ安の気運が高まる感じもかすかにありました。

    ところが、深夜や朝方のニュース番組、同社社長の記者会見などで、事件の全容などが明らかになるにつれ、投資家も落ち着きを取り戻したようです

    さらにいうと、現状では日産自動車はかなりの高配当銘柄となっています。
    2018年11月20日11時時点では6%近い配当利回りとなっています。この高い配当利回りが株価を支えている側面も否定できません。

    とはいえ、やはり落ち着きを取り戻したからこそ、本日の東京市場では株安になり年初来安値更新にはなったものの、日産株価はストップ安にはならず、株価も持ち直してきたのだろうと思います!

    日産ストップ安は避けられたが安心するのは早い?それとも悪材料出尽くしで株価上昇?

    とはいえ、まだ上記の画像の株価は不祥事が発覚してから最初の取引日の初動の株価に過ぎません。

    ですので、今後日産の株価がどう動くのかは不明なところが多いというのが実情です。

    今回、カルロス・ゴーン会長を逮捕したのは東京地検特捜部ですが、捜査が進むにつれて新しい情報も出てくるでしょうし、その情報の内容いかんによってはさらに株価が下落していく可能性もあります

    逆にもうこれ以上悪材料は出ないだろうと多くの投資家が思えば、悪材料出尽くしで株価は大きく反転していく可能性もあります

    さらに事は日産自動車だけの問題に留まりません。

    カルロス・ゴーン会長は三菱自動車、さらにフランスの自動車メーカー、ルノーの会長も兼任しており、国際的な問題に発展する可能性もあるからです。

    今回の事件では、日産の有価証券報告書に虚偽記載をして、報告書に記載したよりも多額の報酬を受け取っていたことが容疑となっています。

    自動車に欠陥があるなどの問題ではなく、いわゆる脱税(所得逃れ)なので、個人的な犯罪とみる向きもあるようです。

    しかしながら、2つの国で3つの巨大企業の会長を務めている人物の逮捕劇ですから、影響がそう簡単に収まるとは考えにくいですね。

    カルロス・ゴーン会長といえば、日産の業績を立て直したことが評価されていますが、一方で高すぎる報酬への批判は以前から根強くありました。

    そこへ来ての所得隠しなので、日産のブランドを大きく傷つけたことは否定のしようがありません。

    高配当に関しても、業績が悪くなれば減配になる可能性がありますので、そうなれば高配当を目当てにしていた投資家が日産株を売りに出てくることが予想されます。

    ですので、個人的にはまだ安心するのは時期尚早だと考えています。
    悪材料出尽くしになるとしても、もう少し時間がかかることでしょう。

    日産の株価チャートから今後の予想をしてみる

    最後に日産の株価チャートを見てみましょう。
    日産チャート

    チャートの上段には「ボリンジャーバンド」、下段には「RSI」が表示されています。

    ボリンジャーバンドを見ると11月に入ってから日産の株価は1034円の箇所の2σ(シグマ)にローソク足がタッチして短期での下落トレンドになっているのがわかります。

    これは下から2番目の赤い線(-2σ)のあたりまで株価が下落する可能性があることを示唆しています。

    また、株の買われ過ぎ・売られ過ぎを知るための指標であるRSIの線の傾きも下向きになっていて、今後の株価の下落の可能性を示しています

    ですので、テクニカル分析上は少なくとも短期的には株価は下落していくものと予想ができます。

    もし安くなるからこそ日産の株を今のうちに買いたいと思われる方は、悪材料が出尽くしたタイミングを待つことをおススメします。

    その際、底値で株を買おうとは思わないことです。

    底値で株を買うのはプロでも狙ってできるものではありません。
    投資の世界の格言に「頭と尾っぽはくれてやれ」という言葉があります。

    これは株価の天井と底値を知るのは無理だから、それにこだわるなという教えです。

    底値で買えなくても、利益を出していくことは十分可能ですので、焦らずに時期を待つことです。

    今回の事件は非常に残念なものとなりましたが、個人的には日産が昔のように魅力あふれる車をたくさん製造して復活してくれることを願っています。