日産・ルノー経営統合に仏政府介入…関係修復して株価上昇はムリ?

日産ルノー経営統合

仏政府要求の日産・ルノーの経営統合は日産と株主にメリットがある?

(追記:2019/6/13)

日産・ルノーを取り巻く問題が混沌としています…!

仏政府が日産・ルノーの経営統合を要求しているという元記事を書いてから約5か月。

日産とルノーの信頼関係は一向に改善されぬまま。
そんな停滞した状態を打破しようとルノー側は色々と画策していたことが伝わっています。

特に大きかったのは、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合の話です。

統合計画が進んでいたものの、ルノーの最大株主である仏政府がこれに難色を示し、話は立ち消えになりました。

仏政府としては、FCAの提案がルノー・日産の提携を尊重しておらず、国益を保証するためにも早急な提携であってはならない旨を説明したとのこと。

仏政府としては、FCAがルノー・日産を経営統合するよりも、ルノーが日産を経営統合した方が国益にかなうと考えている様子。

そんな中、ルノーのスナール会長は日産との関係修復を株主総会で表明するなど、動きが非常に流動的になっています。
参照記事はコチラ:「ルノー会長、日産自とのアライアンス修復を表明」

とはいえ、日産にとっては、ルノーであろうがFCAであろうが、日産が主体になるという話ではないため主導権を握った成長という青写真が描けないことに変わりありません。

それを反映してなのか、日産の株価は年初来安値を直近で更新しており、現在も冴えない状態が続いています。

日産株価一覧

※引用:ヤフーファイナンス


このような混沌とした状況が続いている限り、日産の株価が長期に上昇していくのは難しいと私は考えています。

まずは、ルノーとの関係改善。
ルノーの日産への出資比率を下げるのか、日産がルノーへの出資比率を高めるのか…

いずれにしても、パワーバランスを改善することが先決になりそうです。
そのうえで、売れるクルマを作ること。

自動車業界は現在、非常に大きな変革の波にさらされています。
電気自動車、水素自動車、自動運転自動車高齢者向けの安全機能車など…

燃費や機能、安全性などで各国の自動車メーカーが激しい競争をしている状態。
その中で生き残るには、ユーザーのニーズを満たした、魅力的な自動車を開発することです。

揉めていたのでは、エンジニアや営業部隊の士気も低下するでしょうし、状況は上向かないと思います。

一日も早くルノーとの関係が健全な状態になることを願うばかりです。
その道筋が見えれば、成長戦略を描けるでしょうし、投資家も期待が高まって株価も上昇していくでしょう。

(追記:了)

仏政府要求の日産・ルノーの経営統合は日産と株主にメリットがある?

(元記事:2019/1/21)
仏政府日産ルノーとの経営統合要求を突き付けています。
カルロス・ゴーン元会長の逮捕以降、ギクシャクしている日産とルノーの関係に拍車をかける要求といえるでしょう。

日産社内からは猛反発が起きていますが、投資家として気になるのは経営統合の実現性と日産株価への影響ではないでしょうか?

もし実現に向けて動き出した場合、日産の株主や投資家にとってメリットのある株価の動きになっていくのか?

日産にとってメリットなど特になく、ルノーに乗っ取られるだけで終わってしまうのか。

様々ある可能性の中で、現実性が高そうな日産の今後の展開に迫っていきます!

仏政府がルノー・日産の経営統合を迫るのは、マクロン大統領の仏国内人気を回復のため?

現在、フランス国内では「黄色いベスト運動」によるデモ行進が毎週のように発生しています。
黄色いベスト運動
(※「黄色いベスト運動とは?」→関連記事はコチラ

暴動にまで発展しているこのデモ行進を鎮静化させるのにマクロン大統領は躍起になっています。

仏政府が大株主に名を連ねるルノー日産を吸収する形で経営統合すれば、ルノーと仏政府にとっては日産が持っている資産や自動車開発の技術や日本国内での販売網・顧客リストなどを手に入れられ、国内に対しても成果をアピールできることでしょう。

それでデモが鎮静化するかどうかは怪しいところですが、何の成果も出せないよりかは何か1つでも実績を残したいと思っている可能性は十分あるように感じます。

ただ、それが日産と日産株主にとってメリットになるかは別の話になります。

ルノーとの経営統合は日産にとってメリットよりもデメリットの方が大きいか

日産とルノーはそもそも会社の規模が違います。
日産の方がルノーよりもはるかに大きな会社です。

にもかかわらず、保有株式ではルノーが日産株の43%を保有し、日産はルノー株の15%を保有するにすぎません。
日産ルノー株式比率
(→参照記事:日経新聞電子版1/20付記事

会社の規模では圧倒的に日産の方が大きいのに、保有株式数ではルノーのほうが逆転している“ねじれ現象”が発生している。

この状態が話をややこしくしているのはよく知られた話です。

日産としては、この株式のパワーバランスを解消したい意向を持っていますが、仏政府は反対の立場。

それどころか、仏政府はルノー主体の経営統合をしようという考え。

これは日産にとっては、ほとんどメリットはなくデメリットの方が多い経営統合といえるでしょう。

自社よりも規模の小さな会社に会社の資産やこれまで培ってきた技術などを持っていかれるのですから。

さらにルノーに吸収される形での経営統合になれば、日産社員の士気低下につながるのはほぼ間違いないでしょう。

いくら経営統合で財務状況などが良くなっても、良いクルマを作り出せなければ業績は良くなりません。

そして、良いクルマを生み出すには社員の士気を上げることが必須になってきます。

そういう意味では、日産の社員や株主に特別なモチベーションでももたらさない限り、日産にとってはメリットよりもデメリットが目立つ経営統合になりやすくなると考えられます。

ルノーとの経営統合は日産の株価にどんな影響を与えることになるかを予想

仮定の話ですが、もし日産とルノーの経営統合が実現するということになったら、日産の株価にはどんな影響が出るのか…予想してみます。

と、言ってもこれまでお伝えしてきた内容から、わかりやすいかもしれませんね…

おそらく、もし統合が現実味を帯びたら日産の株価は下落に傾くと思います。

日産にとってはメリットの少ない統合になるでしょうから、株主が失望して売りに出す可能性が高いと考えられるからです。

ただ、経営統合するにはハードルは高いのではないかとも思います。
自動車産業は日本の基幹産業です。

日本を代表する自動車メーカーである日産を外国に手渡したり消滅させたりするようなことは、なかなかさせないのではないでしょうか。

日産自身も防衛策を取る可能性はありますし、かなり揉めることになるのではないかなというのが個人的な感想です。

カルロス・ゴーン元会長の事件の話や統合問題などに揺れる日産ですが、個人的にはそれに負けないような魅力的な自動車を作り続けていってほしいと願っています。

※「カルロス・ゴーン逮捕」の過去記事はコチラ「日産株価はストップ安どころか持ち直す。なぜ?カルロス・ゴーン逮捕で」
※「日産株価年初来安」の過去記事はコチラ「日産株価年初来安値!ゴーン再逮捕で回復株価は一気に下落。今後は?」