日本電産の株価は上がるか?~メキシコ進出の成否を予想~

    日本電産 株価上がるか?

    日本電産がメキシコでの家電用や車載用モーターの増産を決定した。

    10月25日(木)の日経新聞でも取り上げられている。

    米中貿易戦争の影響により、米国は中国に対し関税の上乗せを決定。

    中国から米国へ輸出するハードルが高くなることを踏まえ、日本電産は中国から米国への出荷分を随時メキシコへ切り替える予定です。

    ここでは「米国と中国の貿易戦争は今後も長引くのか?」、「日本電産のメキシコでの事業はうまくいくのか?」を中心に、その詳細を探っていきます。

     

    日本電産のメキシコシフトは妥当か?

    メキシコへのシフトは、正しい決断であったといえそうです。

    米国と中国の貿易戦争は、これからも長引くことが予想されます。

    米国内では中国に対する考え方が「現実主義派」と「強硬派」の二派にわかれており、トランプ大統領は両派のあいだで揺れています。

    ・現実主義派
    現実主義派は対中国貿易の現状を直視します。

    貿易戦争があまりにも過熱すると、対中貿易額の最も大きいアメリカが最も被害を受けるとして、行き過ぎを警戒します。

    ・強硬派
    その名の通り、中国に対して強硬な姿勢をとります。

    経済学の観点からだけでなく、地政学などを含む安全保障の点からも中国の台頭を警戒します。

    強硬派の中には「歴史的に既成の大国(アメリカ)と新興国(中国)が戦争にいたる確率は、70%」と主張する人物もおり、中国に対しかなり強い警戒心をもっています。

    トランプ大統領はこの二派の間で揺れており、今まで朝令暮改をくり返してきましたが、現在は強硬派を支持しているため、貿易戦争は今後も長引きそうです。

    対中国貿易に関する考えには明確な違いの見られる二派ですが、この二派がどちらも危険視するのが、「中国製造2025」という中国政府が発表した産業政策です。

    その内容は「今後10年で10分野の産業に注力し、製造業の発展をはかる」というもの

    その10分野とは、以下の通り。


    ・IT
    ・ハイエンド工作機械とロボット
    ・航空宇宙設備
    ・海洋エンジニアリング・ハイテク船舶
    ・先端鉄道交通設備
    ・省エネルギー・新エネルギー自動車
    ・高付加価値電力設備
    ・農業用機械設備
    ・新素材
    ・バイオ医薬・高性能医療機器

    問題はほとんど(というか全部?)が、軍事技術に直結すること。

    中国は「表向きは経済発展のため」と発表していますが、それを額面通りに受け取るのは危険でしょう。

    アメリカは現実主義派と強硬派の両方とも、これら10分野の軍事技術への転用を警戒しています。

    そうである以上、米国と中国の貿易戦争はこれからむしろ過激化するとも考えられ、当然ですが日本は「対岸の火事」として傍観するわけにはいきません。

    日本は歴史的に中国と難しい問題をかかえており、その中国が軍事力の増強をはかる動きを見せている以上、アメリカ以上に警戒する必要があります。

    少し話がそれますが、これから防衛産業への投資を考えてもいいかもしれません。

     

    日本電産はメキシコでうまくいくのか?

    日本電産は進出先のメキシコで、事業を成功させられるのか?

    その行方を占う要素のひとつとして挙げられるのが、北米自由貿易協定(NAFTA)です。

    今年9/30に米国とカナダの間で合意に至ったNAFTAの再交渉について、メキシコ政府や業界団体は、おおむね歓迎の意向を示しています。

    おもな理由として「自由貿易に最も重要な関税の適用なしや、輸入割当の適用なしを守ることができた」ことを挙げており、これは日本電産にとっても追い風となるでしょう。

    メキシコ経済界全体として、「競争力のある北米のサプライチェーンや、インフラ関連の外国企業の投資は保護される。メキシコは国際的な協定を尊重する」とも発表しており、ビジネスを行うには優れた環境であるといえそうです。

    とはいえ、日本電産の永守会長の姿勢は慎重です。

    日本電産の2018年4-9月の連結決算は、純利益が前年同月比32%増の785憶円であり、同期間として過去最高を更新したものの、19年3月期の業績予想は据え置いてます。

    実際のところどうなるかは、メキシコで本格的に増産が始まらないとわからないでしょう。