損切りできない
そんな悩みを抱えたことがありませんか?
損切りは株式投資で資産を増やしていくうえでとても重要な行為です。
上手に損切りできる人は資産を増やし、損切りできない人は資産を減らす。
そう考えても差し支えないと思います。
損切りできずに塩漬け株にしてしまうのは精神衛生上よくありませんし、資金効率も悪い。
そうした泥沼にはまらないためには損切りへの理解を深めることが重要です。
今回は、損切りをテーマに解説していきたいと思います。
目次
損切りできない人の心理・共通点とは
(最終更新日:2022/7/22、元記事:2018/9/4)
損切りできない人の心理は、合理的な判断ができない心理ともいえそうです。
損切りできない人の心理の解明に役立つのが米国の研究者カーネマンらが1979年に発表した「プロスペクト理論」です。
プロスペクト理論とは
・プロスペクト理論はリスクを伴う状況下での投資判断分析をするのに用いられる理論
・プロスペクト理論で従来の投資効用理論により説明できない投資家の判断行動が解明
★投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応して利益がある場合は損失回避的な利確の傾向が高まる
★損失がある場合は、損を取り戻そうと大きなリスクを取った投資判断を行いやすい


損切りできない人の心理も、まさに合理的判断ができていないことに由来していると考えられます。
・保有していれば株価が回復するという期待
・突然の株価暴落によるショックで何もできなくなってしまうメンタル
・ナンピン買いをしてしのごうとするものの、傷口を広げてしまった

株価下落がもう終わると思い、損切りできずに損失拡大。
そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。
私見ではありますが、この相場格言もプロスペクト理論に通じるものがあるのかなと思います。
損切りできる人とはどんな人?
損切りできる人についても解説しておきましょう。
損切りできる人と損切りできない人のちがいを知ることで、損切り貧乏を回避したり資産を減らす確率を減らせることでしょう。
損切りできる人
・勝てるトレードルールを確立し、ルール通りにトレードできる
・損切りラインの設定が上手く、リスク管理を徹底できる
・感情を挟まずにトレードできる(メンタル管理)
・全勝できると思っていない
・トレードノートを取り、過去の失敗や成功から学んでいる人



損切りは大事だが損切り貧乏にはなるな
損切りは株式投資で資産を増やしていくうえで大切な行為です。
しかし、すぐに損切りラインに引っかかってしまうと、損切りばかりすることになってしまいます。
いわゆる「損切り貧乏」です。
株でもFXでもトレードで資産を増やしていくうえで大事なことは「損小利大」です。
文字通り、損は小さく利益は大きく、です。
損切り貧乏になるとこの損小利大ができなくなってしまうので、避けたいところ。
避けるためには、損切り貧乏について理解を深めておくことが大切です。
損切り貧乏はポジポジ病に多い?
損切り貧乏の大敵、1つめはポジポジ病です。
損切り貧乏はポジポジ病の投資家やトレーダーに多い傾向があります。


休むも相場という格言がありますが、ポジポジ病の人たちは休むことなく常にトレードしています。
トレードする機会や時間が増えると、確率的に損切りをする回数も増えていくわけです。
それゆえ、損切り貧乏がポジポジ病に多くなりやすい傾向が強まります。
コツコツドカンで損切り貧乏はもったいない
損切り貧乏の大敵、2つめはコツコツドカンです。
ポジポジ病と同じく、コツコツドカンも損切り貧乏には多い印象があります。


コツコツドカンとは、コツコツかせいだ利益を一撃でドカンと溶かす(減らす)ことです。
傾向としては薄い利益を積み重ねていくスキャルパーやデイトレーダーに多いのですが、投資初心者もよくやってしまいがちなので注意が必要です。
この言葉はどちらかといえば、株よりはFXをしている人の間でよく使われるワードですが、株取引でもコツコツドカンしてしまう人がいるので気をつけたいところ。

コツコツドカンのメカニズム
1、コツコツ利益を稼いで自信がつく
2、大きくお金を張ろうとする
3、読みがはずれてドカン
4、失敗(損失)を取り戻そうと、大きなお金をいれてしまう
5、冷静な判断ができない状態でのトレードなので失敗する確率UP
6、負のスパイラルにはまり、資産が減っていく
損切りできない人は「バルサラの破産確率表」を知ろう
損切りできない人をはじめとした、ほとんどのトレーダーが知っておいた方が良い知識があります。
バルサラの破産確率表です。
初めて名前を聞く人がいるかもしれないので解説します。
バルサラの破産確率表
仏の数学者ナウザー・バルサラが考案
1回の取引で総資金の10%を投資し続けた場合の破産確率のシミュレーションを表にしたもの
<バルサラの破産確率表>


バルサラの破産確率表を見ることで、ポジポジ病やコツコツドカンといった損切り貧乏へまっしぐらなミスを犯す確率を減らせることでしょう。
損切りライン・ルールの決め方
損切りをポジティブなものにするためには、ルールや損切りラインの決め方が重要になります。
ここでは損切りの目安やタイミング、ルールづくりについてお話していきましょう。
損切りできずに塩漬け株にしてしまう行為は非効率的。
塩漬け株を回避するには、投資のマイルールをつくるようにしましょう。
有名な投資家を真似するのも良いと思います。
ウィリアム・ギャンやウォーレン・バフェットのルールなどはかなり参考になりますよ。
損切りの目安とタイミング
最初に伝えておくと、損切りの目安やタイミングに決まったルールはありません。
基本的には投資家がどの程度のリスクを取れるのかを把握したうえで決めるのがベストだと思います。
株価が購入額から5~10%下がったら損切り、という投資家が一般的には多いようです。
パーセンテージにこだわる必要はなく、
「株価が●●円になったら損切り」
「含み損が●●円になったらロスカット」
「移動平均線がデッドクロスしたら損切り」
といった損切りの仕方でもOKです。
ただ、一般的に多くのトレーダーが損切りの目安としているのは「8%」程度の損失のようですね。
1000円の株なら920円になったらロスカットということですね。

クロサキの場合、投資初心者だったころは以下の損切ラインを設定していました。
ご参考までに紹介します。

損切りの目安:「●円」「●%」下がったら損切り
損切りのタイミング:移動平均線のデッドクロス、ボリンジャーバンドが3σにタッチ
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損切りのコツ
最後に損切りのコツをお伝えしたいと思います。
すごくシンプルです。
損切りのコツは機械的にやること
これだけです。
ようするに感情をはさまず、決めたルール通りに確実に実行することです。
最初に設定した損切りラインをむやみに動かさないこと。
これをやると投資スタイルがブレブレになります。
自分で設定したルールがすぐに損切りに引っかかってしまうようならルールに問題があるので、ルール自体の検証をしましょう。
検証と実行、改善の繰り返しをすることで、勝てるルールになっていきます。

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