日本経済は大丈夫か?財政破綻の可能性と資産の運用について

    日本経済 財政破綻の可能性

    日本は将来破綻するのか?

    日本の経済や財政が危ぶまれるようになり長い時が経ちますが、実際のところはどうなのでしょう?

    今回は財政危機の根拠として言及され、「国の借金」と呼ばれている国債残高について掘り下げてみましょう。

    財務省の推計によると、30年度末の累積公債残高は約883兆円を見込んでおり、「国の借金」を放置することへの危機意識が高まるのは、当然と言えます。

    しかし、公債残高をそのままストレートに「国の借金」と定義するのは早合点であり、その中身を細かく調べることは、これから資産を管理する上でとても大切なことと思います。

    ではその中身について、2つのポイントに分けて見ていきましょう。

    公債の保有者は誰か?

    説明を分かりやすくするため、「公債」を以降「国債」と表現するようにします。

    国が国債を発行するとそれは帳簿上「負債」として計上されるため、確かに国債の累積残高は国にとっての「借金」とも考えられますが、貸借対照表を見れば明らかなように、資産と負債は表裏一体であることを忘れてはなりません。

    つまり国が国債を発行し「負債」を計上しているということは、それを誰かが「資産」として保有していることを意味します。

    では誰が「国の借金」と言わている国債を、「資産」として保有しているのでしょう?

    日本銀行の資金循環データによると、日本政府が発行した国債のうち93.9%は、日本の民間や地方自治体が保有しています。

    国が「負債」として発行した国債の9割以上を、民間や地方自治体が「資産」として保有しているのは、換言すれば「日本国内からの富の流出はほとんど起きていない」ことを意味しています。

    仮に日本国債の保有者の多くが外国人である場合、その返還により日本の富が海外へ流出するのは避けられませんが、発行した国債のほとんどを国内で消化できている現在の状況を、ことさら悪く捉えるのはいかがなものかと思えます。

    「自国通貨建て」か「外貨建て」か

    次に日本国債が、「自国通貨建て」か「外貨建て」かについて見ていきましょう。

    「自国通貨建て」とは国債を日本の「円」で発行することであり、「外貨建て」とは国債を円ではなく、「ドル」や「ユーロ」などの外国通貨で発行することを意味します。

    日本国債は100%自国通貨建てで発行されており、このことが「日本政府は債務不履行を起こさない」大きな理由として、専門家の間でも議論が繰り返されています。

    どういうことかというと、国債が日本円で発行されているならば、最悪の場合輪転機を回し国債残高と同じ分だけお札を刷れば、理論的にはいつでも返済が可能になります。

    もちろんそれだけのお金をじゃぶじゃぶ刷るのは、インフレのリスクをかなり伴いますが、「債務不履行=デフォルトはあり得ない」という主張には頷けると思います。

    実際、例えばギリシャが財政危機に陥っているのは、通貨の発行権がないことに起因します。
    ギリシャは共通通貨であるユーロを採用しており、その発行権はギリシャではなく欧州中央銀行(ECB)にあります。

    そのためギリシャは、通貨の供給量を増やしたり減らしたりする金融政策の裁量を持っておらず、そのことが財政の悪化に一層拍車をかけています。

    外貨建ての債務を返済する場合、自国通貨を一度外貨に両替する必要があるため、仮に返済が厳しいからといって輪転機を回してしまうと、自国通貨が外貨に対し暴落してしまい、その結果デフォルト=債務不履行に陥ります。

    有史以来、国債がデフォルトを起こしたのは「外貨建て」に限られ、「自国通貨建て」の国債に関する事例は皆無と言われています。

    まとめ

    「国の借金がもうすぐ1,000兆円!」などとセンセーショナルに叫ばれると、危機意識や不安感を強く掻き立てられてしまいますが、その中身や根拠を詳細に調べることは、どんな場合でも必要なことと思います。

    確かにGDPの2倍近く積みあがった累積国債が問題であるのは当然ですが、「国債の保有者」や「どの通貨で国債が発行されているか」という観点から財政を眺めると、諸外国や過去に国債がデフォルトを起こした事例と比較し、楽観できる要素もございます。

    私個人としては日本国債の債務不履行はあり得ず、将来多少の混乱は起こっても、日本が破綻するような事態には陥らないと考えています。

    しかし更なる財政の悪化から、インフレによる貨幣価値の目減りなどは十分考えられるので、株式投資による資産運用は、これからの時代を渡り歩くための有効な手段であると言えるでしょう。