不祥事銘柄は投資チャンス?ANA機長飲酒問題に見る底値買いねらい

ANA

【不祥事銘柄⇒株価大幅下落⇒株価底値で買う⇒株価復活で大儲け】の図式は「ANA機長飲酒問題」でも有効か?

不祥事銘柄投資が儲かることをご存知でしょうか?

不祥事を起こした会社の株に投資するなんて…と嫌悪感を抱く投資家もいるかもしれません。

しかし、不祥事を起こした企業の株価は、一般的に大幅下落するため、その後倒産しない限り、いつかは信頼と業績を回復させて株価が復活する可能性を秘めているのです。

底値近辺で不祥事銘柄を買い、その後辛抱強く数年間株を保有し続ければ、いずれ大きな利益を得られる。

そんな大きな可能性を秘めた投資戦略でもあるのです。

こうした手法については、「ハーバー・ビジネス・オンライン」でも特集されているほど、ある程度投資経験を積んだ投資家にとっては知られているものだと思います。
(参照はコチラから)

さて、そこで気になるのが今何かと話題になっているANA(全日空)やJAL(日本航空)の機長らによる飲酒問題。

この不祥事銘柄にもはたしてチャンスがあるのでしょうか?

2007年に不祥事が発覚し、どん底に落ちてから奇跡の復活を遂げた不二家(2211)を例に、ANAホールディングス(9202)への投資はチャンスとなり得るのかを考えていきます!

過去の不祥事銘柄「不二家」は底値買いで辛抱強く保有していれば大幅利益獲得!

2007年1月、老舗菓子メーカー「不二家」の不祥事が発覚しました。

「ペコちゃん」の愛らしいキャラで国民的人気と信頼あるブランドだった不二家だっただけにその衝撃は大きく、当時は連日テレビなどで報道されていました。
ご記憶にある方もいらっしゃるかと思います。

不祥事の内容は、洋菓子に自社で定める消費期限切れの原料を使用していたというものでした。

その後、不二家は工場の操業停止や洋菓子店の休業などに追い込まれ、消費者の信頼を失っていきました。

ちなみに、不二家の2007年当時の株価はいくらだったのでしょうか?

2007年1月4日、大発会の始値は234円
不二家の株価は1月中に200円割れとなりました。

その後、やや株価を戻したものの、工場操業停止や洋菓子店の休業などの影響が業績に出始め、2008年10月には88円まで株価が低迷しました。

消費者の信頼を失った不二家でしたが、2007年春山崎製パンが救いの手を差し伸べ、資本業務提携を結び、同社の子会社として再スタートを切ることになりました。

時間はかかりましたが、この資本業務提携によって復活を遂げ、2年後の2009年10月には不二家の株価は184円にまで達しました

底値を付けた2008年10月から1年で2倍!

十分に投資妙味のある銘柄だったといえるでしょう。

これはあくまで株価だけの話で配当は加味していません。
配当まで入れれば、さらに多くの利益を得られることになりますね!

※不二家株価の参照:
https://96ut.com/stock/jikei.php?code=2211&year=2007
不二家の復活劇の詳細はコチラ

不祥事が連発のANAは不祥事銘柄としてうまみはあるのか?

不二家が不祥事を起こした時、底値で株を買っていれば大きな利益が得られたことはお分かり頂けたことでしょう。

では、まさに現在進行形で渦中にあるANA(全日空)には、同様の期待ができるのでしょうか?

機長らによる飲酒問題はANAだけに留まらず、JAL(日本航空)でも発覚しています。
一企業の問題ではなく業界全体の労務問題のような体で取り上げられることが多いような気がします。

そのせいなのか…

実はANAホールディングスの株価は私が思ったほどには下落していません。

以下にチャートを載せておきます。
ANAチャート
米中貿易戦争の煽りを受けた日経平均の下落相場により、2018年10月は大きく株価を下げていましたが、それは機長の飲酒問題とは別物と考えた方が良いでしょう。

年末にも一時的に株価が下落していますが、これも同様の理由であることが考えられます。

ちなみに、昨日(1/8)にも問題が発覚しています。
⇒参照記事はコチラ

ではなぜANA(全日空)の株価は、不祥事が続出しているにもかかわらず、大きく下落していないのでしょうか?

一番大きな理由は、機長らの飲酒問題による大事故が現在のところ発生していないことでしょう。

誤解のないように書きますが、もちろん私は事故を望んでいるわけではありません。

何が言いたいのかと言いますと、

・不祥事銘柄にも、株価が大きく下がるものとそうでないものがある。
・株価が下がった不祥事銘柄には、その後株価が復活する会社、低迷を続ける会社がある。
・株価が下がらないなら、なぜそうなのかを考えることが重要。

ということです。

ANAの場合、株価がマドを開けて下落する可能性は低いのではないかと個人的には思います。

すでに問題がANA一社の問題ではなく、業界の構造問題へと話がシフトしていることも大きいです。
後は幸いにも大惨事が起きていないことですね。

さらに、今後東京五輪などで航空機の需要が追い風になっていくことが予想されますし、現在原油価格が大きく下落していて、燃料コストが安くなっていることも追い風となっているものと考えられます。

株式投資で大きな利益を出すための基本は安く買って高く売ることです。

現在4000円近辺ANAの株価が不二家のように1年で2倍になるのは、不可能とは言いませんが、かなり難しいのかなというのが私の見解です。

株価も決して安くありませんし、資金がたくさんある個人投資家なら話は別ですが、そうではない人にとっては不二家ほどの投資妙味はないのかなと思ってしまいます。

どんな不祥事銘柄への投資がオイシイ?

では、最後に…
不祥事銘柄といってもすべてがオイシイ投資になるわけではありません。

大きな利益を得るためには、いくつかの条件があると私は思います。

・倒産しないこと。
・絶大なブランドを持っていること。
・問題の改善が比較的容易にできること。
・支援企業があること。

上記の条件をすべて満たしていたのが不二家でした。

「ミルキィ」「カントリーマアム」「ペコちゃん」「ポコちゃん」のブランドは長年日本人に親しまれたものであり、今でも根強い良い人気があります。

このブランド力が不二家復活の原動力の1つになったことは間違いないのではないでしょうか。

この絶大なブランドを持った不祥事銘柄に投資して成功を収めるという方法は、私が尊敬する投資家ウォーレン・バフェットが過去に実践したことです。

彼はアメックス(アメリカンエキスプレス)が不祥事を起こした際に、投資しています。

それは不祥事が起きても、多くの人がアメックスを使い続けているというブランドの威力を正確に認識していたからです。

上場企業が不祥事を起こした時には、まずその事の大きさの把握。

その後、株価の動きを見つつ、上記の条件に照らし合わせてみることをおススメします。

そうすれば投資のうまみがある銘柄かどうかの判断が付くことでしょう。