富士フィルム 最高益なるか?19年3月へ株価上昇に期待

    富士フィルム最高益なるか?

    富士フィルムの業績が好調です!

    撮影したその場で写真ができるインスタントカメラの「チェキ」と、富士ゼロックスが主体の事務機部門が業績をけん引。

    11/7に予定される決算発表では、増収増益の前向きなコメントの出てくる可能性が極めて高いでしょう、

    さらに19年3月期の連結営業利益は前期比6割増を見込み、最高益の更新も期待されます。

    富士フィルムの最高益は、08年3月に記録した2,073憶円。

    来年3月へ向け、最高益を塗り替えることはできるのか?

    富士フィルムの強みと課題に焦点を当てながら、検証したいとおもいます。

    富士フィルム 最高益までの道のり

    ますは富士フィルムの株価をみてみましょう。

    富士フィルム(4901)
    富士フィルム株価チャート

    直近3ヶ月の推移を示していますが、これから決算発表などで前向きなコメントが発信されれば、上昇傾向にはずみがつくでしょう。

    鍵をにぎるのはインスタントカメラの「チェキ」

    今、「チェキ」が3度目のブームを迎えているといわれています。

    国内の女子高生にヒットしたのを皮切りに、ブームが韓国や中国、欧米にも波及。

    期初に900万台を予定していた販売台数は、前期比3割増の1,000万台に引き上げられました。

    アジアや北米では毎年20%近く販売台数が伸びているようで、その人気ぶりが伺えます。

    人気の秘訣はなんなのか?

    一番の理由は、撮った写真をすぐに現像してシェアできることにあるようです。

    デジタル全盛時代の今だからこそ、「チェキ」でシャッターを切り現像されるまでの「ちゃんと写ってるかなぁ~」と心配になる、あの感じが楽しいのだとか。

    確かにスマホで撮った画像をSNSなどに載せるよりも、実際に現像した写真を共有した方が、お互いの絆や思い出がより深まるようにおもえます。

    そのほかファッション性を追求したデザインや、誰でもあつかうことができる操作性、自撮りが簡単にできる機能なども人気の秘訣です。

    1万円を出せば購入できる、リーズナブルな価格設定も魅力でしょう。

    嗜好品ではなく10代をターゲットに含める大衆向けの商品なので、これからアジアをはじめとする新興国でさらなる売上が期待できそうです。

    富士フィルムの業績を下支えするポテンシャルは、十分に備えていると考えます。

    ◆事務機部門
    ペーパーレス化により需要が頭打ちとみられていた事務機も、富士ゼロックスにおけるリストラなどの構造改革により収益が向上しており、貢献を果たしています。

    課題として持ちあがる医薬品・再生医療関連部門

    医薬品部門

    赤字を計上することで最高益達成へ向け足かせとなる医薬品部門は、富士フィルムファーマの解散が予定されています。

    富士フィルムは今年7/27、子会社の富士フィルムファーマを19年3/31付で解散すると発表。

    富士フィルムファーマは2009年9月に設立され後発医薬品の開発・販売をスタートさせましたが、「現在の事業活動では安定的な収益を将来にわたって確保することが困難であると判断」され、7/23の取締役会で解散が決定されました。

    後発医薬品メーカーは国内で乱立しており、厚労省が主導する薬価制度の抜本改革によって、今後大々的な合併や統合が進められると予想されます。

    赤字を計上していた医薬品部門から採算の悪い富士フィルムファーマを切り話すのは、収益性の改善につながるため、来年3月の最高益達成に向けプラスに作用するでしょう。

    再生医療関連部門

    注目はJXTGホールディングスから買収した米アーバインサイエンティフィックセールスカンパニー(カリフォルニア州)と、アイエスジャパン(埼玉県戸田市)でしょう。

    富士フィルムホールディングスは今年3/29、「ヘルスケア事業を将来の収益源に育てる」として、先の再生医療関連2社の買収を発表しました。

    2社が手がけるのは「培地」と呼ばれる事業で、今後の年率10%程度の成長が見込める有望市場です。

    売上高営業利益率は2社とも20%弱と比較的高く、再生医療関連分野の強化が期待できます。

    現在、同社のヘルスケア事業の売上高に占める割合は2割程度ですが、「(将来的には)3~4割まで高める」(小森会長)とのこと。

    中期経営計画ではM&A枠として3年間で5,000億円が設けられ、用途はヘルスケア分野の買収が中心になるとみられており、同社の力の入れようが伺えます。

    iPS細胞をはじめとする再生医療の分野は市場の拡大が十分見込めるので、ヘルスケア事業を新たな収益源に据えようとする判断は、間違っていないでしょう。

    ※米ゼロックスの買収問題
    最後に今年1月末に打ち出された米ゼロックスの買収問題についてみてみましょう。

    結論から申し上げると、米ゼロックスの買収問題が株価に与える影響は軽微であるとおもわれます。

    米ゼロックス側との交渉は難航していますが、富士ゼロックスの収益力は向上しており、投資家は買収問題をさほど株価に織り込んでいません。

    仮に買収が頓挫した場合であっても、米ゼロックスの買収に資金をつぎ込むなら、成長部門に投資した方がマシという見解もあるため、それほど気にかける必要はないでしょう。

    「チェキ」はこれからも堅調に売上を伸ばすことが予想されるので、富士フィルムのゆくえは、再生医療関連部門を新たな収益源として確立できるかどうかに、かかっているでしょう。