ディフェンシブ銘柄 日本と米国の高配当株を解説

ディフェンシブ銘柄

2022年はディフェンシブ銘柄に注目が集まっています。

ディフェンシブ株や内需株とも呼ばれるディフェンシブ銘柄がなぜ注目されるのか。

日本と米国の代表的なディフェンシブ銘柄の紹介や、おすすめのディフェンシブ銘柄の特徴、ディフェンシブ株の今後の見通しなどを独自視点から解説していきます。

ディフェンシブ銘柄とは

(最終更新日:2022/7/20、元記事:2018/1/14)
そもそもディフェンシブ銘柄とはどんな株なのか?

という方もいると思いますので、最初に解説します。

ディフェンシブ銘柄とは、景気に左右されにくい業種(セクター)の個別株で、相場が不安定な時でも比較的株価の下落に強い特徴があります。

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ディフェンシブ銘柄の業種(セクター)にはどんなものがあるのですか?
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一般的には電気・ガスや医薬品などが挙げられます。

ディフェンシブ銘柄の業種一覧をかんたんにまとめてみました。

  ディフェンシブ銘柄の業種一覧

・水産
・食品
・医薬品
・電力
・ガス
・通信
・電鉄

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一覧をみてもわかるように、生活必需品・サービスにディフェンシブ銘柄が多いことがわかります。

それでは、次に日本株と米国株の代表的なディフェンシブ銘柄をご紹介していきましょう。

ディフェンシブ銘柄「日本株」

ディフェンシブ銘柄の日本株の代表例を見ていきましょう。

おもな日本株のディフェンシブ銘柄を一覧にしました。

  ディフェンシブ銘柄の日本株

1301 極洋 1332 日水 1333 マルハニチロ
2002 日清粉G 2267 ヤクルト 2282 日ハム
2502 アサヒ 2503キリンHD 2593 伊藤園
2802 味の素 2811 カゴメ 2871 ニチレイ
2897 日清食HD 2914 JT 4151 協和キリン
4502 武田 4503 アステラス 4506 住友ファーマ
4507 塩野義 4519 中外薬 4523 エーザイ
4528 小野薬 4536 参天薬 4568 第一三共
4581 大正薬HD 9001 東武 9003 相鉄HD
9005 東急 9006 京急 9007 小田急
9008 京王 9009 京成 9010 富士急
9012 秩父鉄 9014 新京成 9020 JR東日本
9021 JR西日本 9022 JR東海 9031 西鉄
9033 広電 9041 近鉄GHD 9042 阪急阪神
9044 南海電 9045 京阪HD 9046 神電鉄
9048 名鉄 9049 京福電 9052 山陽電
9142 JR九州 9433 KDDI 9501 東電HD
9502 中部電 9503 関西電 9504 中国電
9505 北陸電 9506 東北電 9507 四国電
9508 九州電 9509 北海電 9511 沖縄電
9513 Jパワー 9531 東ガス 9532 大ガス
9533 邦ガス 9534 北ガス 9535 広ガス
9536 西部ガスHD 9537 北陸ガス 9539 葉ガス
9543 静ガス

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どれも聞いたことのある有名企業ばかりですね。
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そうですね。ディフェンシブ銘柄の特徴として、歴史が古く財務も業績も安定している企業が多い傾向にあります。そのため、聞いたことのある企業名が多くなっています。

ディフェンシブ銘柄「米国株」

ディフェンシブ銘柄の米国株の代表例を見ていきましょう。

  ディフェンシブ銘柄の米国株

ABT アボット・ラボラトリーズ AEP アメリカン・エレクトリック・パワー
AMGN アムジェン AMRX アムニール・ファーマシューティカルズ
AWK アメリカン・ウォーター・ワークス AWR アメリカン・ステイツ・ウォーター
BAX バクスター・インターナショナル BF.A ブラウン-フォーマンA
BIIB バイオジェン BMY ブリストル-マイヤーズ・スクイブ
BSX ボストン・サイエンティフィック BTI ブリティッシュ・アメリカン・タバコADR
CAG コナグラ・ブランズ CI シグナ
CL コルゲート・パルモリーブ COKE コカ-コーラ・コンソリデーティッド
COO クーパー COST コストコ・ホールセール
CPB キャンベルスープ CVET コヴェトラス
CVS CVSヘルス CWT カリフォルニア・ウォーター・サービス・グループ
DG ダラー・ジェネラル DLTR ダラー・ツリー
DUK デューク・エナジー ED コンソリデーテッド・エジソン
ELV エレバンス・ヘルス ENDP エンドー・インターナショナル
EW エドワーズライフサイエンス FE ファーストエナジー
FIVE ファイブ・ビロウ FLO フラワーズ・フーズ
GIS ゼネラルミルズ GO グローサリー・アウトレット・ホールディング
HCA HCAヘルスケア HRL ホーメル・フーズ
HSY ハーシー ITRI アイトロン
JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン K ケロッグ
KDP キューリグ・ドクターペッパー KHC クラフト・ハインツ
KMB キンバリー-クラーク KO コカ・コーラ
LLY イーライ・リリー MCD マクドナルド
MDLZ モンデリーズ・インターナショナル MDT メドトロニック
MKC マコーミック MNST モンスター・ビバレッジ
MO アルトリア・グループ MRK メルク
NEE ネクステラ・エナジー NSC ノーフォーク・サザン
OLLI オリーズ・バーゲン・アウトレットHD PEP ペプシコ
PFE ファイザー PG プロクター・アンド・ギャンブル
PM フィリップ・モリス・インターナショナル PRGO ペリゴ
PSMT プライススマート RAD ライト・エイド
REGN リジェネロン・ファーマシューティカルズ RMD レスメド
ROL ローリンズ ROST ロス・ストアーズ
SO サザン STZ コンステレーション・ブランズA
SYK ストライカー T AT&T
TJX TJX UL ユニリーバADR
UNH ユナイテッドヘルス・グループ UNP ユニオン・パシフィック
UTHR ユナイテッド・セラピューティクス VST ビストラ
VTRS ビアトリス VZ ベライゾン・コミュニケーションズ
WBA ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス WEC WECエナジー・グループ
WMT ウォルマート WTRG エッセンシャル・ユーティリティーズ
XEL エクセル・エナジー

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コストコやコカ・コーラ、ファイザーなど、こちらもおなじみの会社が多いですね。
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P&Gやウォルマートなど、生活用品やスーパーといった昔からある業種の企業が多いのがディフェンシブ銘柄の特徴です。

ディフェンシブ銘柄とグロース株の立場が逆転

2022年はディフェンシブ銘柄とグロース株の立場が逆転する年となりました。

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逆転とは?
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通常はグロース株の方が成長を期待されて買われる分、株価の上昇が大きいのですが、FRBの金融引き締めが始まった2022年はグロース株に逆風となり、株価のパフォーマンスがディフェンシブ銘柄の方に分があるようになりました。

下のチャートはマザーズ指数と食品ETF、医薬品ETFの比較です。

ディフェンシブ銘柄とグロース株の比較出典:TradingView提供のチャート

マザーズ指数:グロース株
食品・医薬品ETF:ディフェンシブ株

という特徴があります。

ディフェンシブ銘柄である食品と医薬品ETFの2022年のパフォーマンスが横ばいからやや上昇しているのに対して、マザーズ指数は大きく下落。

相場の不安定化を嫌った投資家が、グロース株を売ってディフェンシブ銘柄に資金を移していることの証左といえます。

このように下落相場や不安定相場、有事の時などには、ディフェンシブ銘柄が買われる傾向があります。

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チャートを見ると、その差がはっきりわかりますね。

ディフェンシブ株のおすすめ銘柄の特徴

インフレや利上げ、戦争、食糧危機など…

さまざまな不安要素がはびこる今の相場環境で、ディフェンシブ銘柄ならどれを選んでも良いのでしょうか?

結論からいうと、NO。

では、どんなディフェンシブ株がおすすめなのか。

投資対象としてのディフェンシブ株のおすすめ銘柄の特徴をご紹介します。

  ディフェンシブ銘柄のおすすめ株の特徴

社歴が長くて業績の安定している企業

連続増配している企業

配当利回りの高い企業

内需株

4つの項目をご紹介しましたが、これは日本株でも米国株でも基本的に同じ。

もう少し具体的にどんな銘柄が良いのかイメージしやすくするために連続増配ランキングをご紹介します。

このランキングに登場する企業は、上の4つの条件のどれかに当てはまる銘柄が多いです。

  連続増配年数ランキング「日本」(2022年7月現在)

1位 32年 花王(4452)日用品
2位 24年 SPK(7466)自動車部品
3位 23年 三菱HCキャピタル(8593)リース
4位 22年 小林製薬(4967)医薬品
4位 22年 ユー・エス・エス(4732)中古車オークション
4位 22年 リコーリース(8566)事務機器リース
7位 21年 トランコム(9058)物流情報サービス
8位 20年 ユニ・チャーム(8113)衛生用品
9位 20年 沖縄セルラー電話(9436)通信
9位 20年 リンナイ(5947)ガス器具
9位 20年 KDDI(9433)通信
9位 20年 サンドラッグ(9989)医薬品・日用品
13位 19年 サンエー(2659)小売・流通
14位 18年 パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)小売
14位 18年 ニトリHD(9843)家具
14位 18年 アルフレッサHD(2784)医薬品
14位 18年 ロート製薬(4527)医薬品
14位 18年 栗田工業(6370)水処理
14位 18年 高速(7504)食品軽包装資材
14位 18年 東京センチュリー(8439)リース・再生可能エネルギー

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昔からある有名な企業が多いですね。医薬品や通信、日用品や小売が多いのも特徴的だと思います。
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米国株の方もご紹介しておきましょう。

  連続増配年数ランキング「米国」(2022年7月現在)

1位 67年 アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)ウォーターサービス
2位 66年 ドーバー(DOV)機器・消耗品・ソフトウェア
3位 65年 ジェニュイン・パーツ(GPC)自動車部品
3位 65年 ノースウエスト・ナチュラルHD(NWN)天然ガス
3位 65年 プロクター・アンド・ギャンブル(PG)生活用品・一般消費財
3位 65年 パーカーハネフィン(PH)動力制御機器
7位 64年 エマソン・エレクトリック(EMR)インフラ・ロボット
8位 63年 スリーエム(MMM)化学・電気素材・一般消費財
9位 61年 シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)保険
10位 59年 ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)ヘルスケア
10位 59年 コカ・コーラ(KO)飲料
10位 59年 ランカスター・コロニー(LANC)食品

参考:投資の森

ディフェンシブ銘柄の対義語「シクリカル株」とは

ディフェンシブ銘柄の対義語もご紹介しておきます。

シクリカル株(銘柄)というのがディフェンシブ銘柄の対義語です。

シクリカル株は景気敏感株とも呼ばれ、景気の波によって株価のサイクルがある程度決まっている特徴があります。

石油などはわかりやすいと思います。

2020年にコロナ禍で旅客機のニーズが落ち、燃料の石油需要が落ちたのは記憶に新しいところ。

当時、石油関連株は軒並み大きく下落しました。

  シクリカル銘柄の業種一覧

鉱業
繊維
パルプ・紙
化学
石油
ゴム
鉄鋼
機械
電気機器
造船
自動車
輸送機器
精密機器
陸運
海運
空運
倉庫

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たしかに景気変動の波を受けそうなセクターが多いですね。

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