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新型コロナ影響でオンライン株主総会急増か?おみやげ目的の投資家には打撃
新型コロナウイルスの影響は株価だけでなく、株主総会にまで及んでいます。
3月は12月決算企業の株主総会が集中する月だったのですが、イベントの自粛が叫ばれるご時世だったため、どのような展開になるのか注目が集まりました。
株主総会は会社法で開催することを定められており、開催しないという選択肢は企業側にはなかったと思います。
そんな中で注目を集めたのが、オンライン株主総会・バーチャル株主総会です。
オンラインで株主総会を開催すれば、一か所に多くの株主が集合することもなく、コロナウイルスの感染拡大の懸念もなくなります。
オンライン株主総会については、経済産業省が容認したことで今後も増えていくことが予想されます。
そうなると、株主総会のおみやげに期待して株主になっている投資家にとっては残念な結果になります。
そのあたりも含めて、バーチャル、オンライン株主総会について語っていこうと思います。
新型コロナがなくてもオンライン株主総会は増加?
2020年3月に株主総会を開催した上場企業はおよそ400社。
カゴメやライオン、ヤマハ発動機、電通など、日本を代表する企業の開催も目立ちました。
ちなみに、カゴメやライオンなどは例年、総会に出席した株主に自社製品のおみやげをくれることでも知られています。
ところが、どちらの企業も今年はおみやげを中止にしました。
今年だけの例外的措置なのかもしれませんが、他の企業でもこの動きは出てきそうですし、これを機に来年以降もおみやげを廃止する企業が出てくる可能性も捨てきれません。
そもそも近年、おみやげを廃止にする上場企業が増えている傾向があるため、コロナ騒動を理由に見直す企業が増える可能性は十分にありそうです。
さて、オンライン株主総会について。
私見を述べますと、コロナ騒動がなくても増加する傾向にあったのではないかと思います。
その理由としては、物理的に株主総会に行けない株主が多いからです。
例えば東京で開催される株主総会に九州や北海道在住の人は参加しづらいことでしょう。逆もしかり。
GMOインターネットや富士ソフトなどは、株主総会の模様をライブ映像として配信したり、バーチャルで参加できるようにするなどの工夫を凝らしました。
今回のコロナ騒動は歴史的に見て、株主総会のあり方を変えるきっかけになるかもしれません。筆者はそう思っています。
6月の株主総会集中月もコロナの影響濃厚か
3月に開催された株主総会は12月決算企業のものでした。
しかし、日本の上場企業の決算月は3月が圧倒的に多くなります。
その3月決算企業の株主総会が集中するのが例年6月です。
もう2か月しかありません。
株主総会の会場を押さえ、案内を株主に送付する日程なども考慮すると、5月中旬くらいまでには、企業は株主総会をどのように開催するのかを決めねばなりません。
報道によると、緊急事態宣言は5月6日までのようですね。
それまでにコロナウイルスが沈静化すれば良いのですが、沈静化すると見るのは楽観的すぎると思います。
おそらくは、6月に株主総会を開催する企業の中にはオンライン株主総会やバーチャル株主総会を導入するところも増えてくることでしょう。
社員と株主の濃厚接触を避けるために、手渡しのおみやげを中止する会社も増えそうです。
イベントを毎年行う会社はそれも中止するかもしれませんね。
おみやげやイベント目的で株を買う人は、4月以降も注意が必要になってくることでしょう。