
ボーイング墜落事故で東レ株価が連想安の安値更新
わずかな期間に2度の墜落事故…
米ボーイング社の新型機「737MAX」の運行停止措置が本国アメリカや中国など…世界中で広がっています。
2度の墜落事故による信頼の失墜と世界中の国からの運航停止措置により、ボーイング社の株価は急落。

※引用:ヤフーファイナンス
ボーイングは事故を起こした機体を製造・販売している会社なので、同社株が売られるのは理解できます。
しかしながら、株価が下落したのは何も事故を起こしたボーイング社だけではありません。
ボーイング機に素材を納入していた日本企業の株価にも影響がありました。
その中でも、目を引いたのが「東レ」(3402)です。
東レはボーイング社に飛行機の素材となる炭素素材を納入しているため、“連想売り”となって安値更新をするまで株価が下落したようですね。
そこで、今回はこの連想売り(買い)について、お伝えするとともに、東レの今後の株価の可能性についても考えていきます!
東レとボーイングの関係は深い?浅い?
ボーイング機の墜落事故で連想安となってしまった東レ株価。

※引用:ヤフーファイナンス
果たして連想で売られるほど、両社の関係は深かったのでしょうか?
その点について、東レのHPを見てみると、2015年11月9日に下記のようなIRが発表されていることがわかりました。

※参照:東レHP(一部抜粋)
⇒原本記事はコチラ
このIR資料からもわかるように、東レはボーイング社に対して炭素繊維を包括的長期供給する、という契約を締結しています。
その額1.3兆円以上!(見込み)
これほどの規模の契約ですから、東レとボーイング社の関係は浅くはなく、深い関係だったと言っても過言ではないかと思います。
深い関係だからこそ、以下のような連想が投資家の中には浮かぶことでしょう。
・ボーイング社の新型飛行機が墜落事故を連発した…
↓↓↓
・ボーイング社の株価は急落するに違いない…
↓↓↓
・そういえばボーイング社の飛行機に東レが素材納入していたな
↓↓↓
・東レの株価も下がるかもしれない
こんな風に最後の「東レの株価も下がるかもしれない」と思う投資家が増えると、売り注文が増加し、株価も下落していきます。
まさにそれが今回、東レ株に起きたことなのでしょう。
投資の世界には「風が吹けば桶屋が儲かる」と言う言葉がありますが、これはまさに連想する力の強い人が儲けられることを表した言葉です。
今回のボーイング社の飛行機墜落事故はマイナスな要因の連想となりましたが、プラスの要因の連想をしていけるようになる力を身に着けることも、投資力を高めるためにはとても大切なことと言えます。
ボーイング機の墜落事故の影響はいつまで…東レの今後の株価はどうなる?
今回、ボーイングの新型機「737MAX」の2度の墜落事故という痛ましい出来事により、東レの株価は下落してしまったものと思われます。
では、このボーイング機事故の余波はいつまで続くのでしょうか…?
投資家としては気になるところだと思います。
株価が下がれば、倒産しない限りいつかは上昇する可能性を秘めていますからね。
ここで今月に入ってからの東レの株価の状況と一覧表で見てみましょう。

※引用:ヤフーファイナンス
「終値」ベースで見て頂きたいのですが、事故のニュースが流れた後の3/13、3/14と東レ株は2日連続で株価を下げています。
3/14のピンクの帯になっているのは「年初来安値更新」という意味です。
これだけ見ると、3/15も下げているのかなと思いきや、本日(3/15)は株価が反発しています。
ここでようやく売りの圧力が一段落したと言えるかもしれませんね。
ただ、東レの株価に関しては今後も予断を許さない状況が続くと思います。
というのも、同社は韓国に1,000億円規模の投資を増やしているからです。
現在の日韓関係はこれまでにないほどに冷え込んでおり、「元徴用工判決」をめぐる一連の動きの中で、日本政府が韓国への経済制裁を発動させる構えを見せています。
この両国の冷え込んだ関係の影響を東レが受ける可能性は高いのではないかなと個人的には考えています。
逆に、もし両国の緊張関係が緩和される見通しが立てば、株価へのプラス材料になることでしょう。
飛行機事故の余波に関しては、私の経験上短期的には2~3か月以内に解消するものと思います。
東レは日本を代表する企業の1つですので、今回の事故からなんとか株価が立ち直ってほしいと願っています。
今回は連想安で年初来安値更新となってしまいましたが、次回は連想高で年初来高値更新くらいのニュースになれば良いですね。
今後も引き続き、東レのウォッチはしていきます。
何か動きがあればお伝えしていきますね!