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アクティブファンドを投資診断士が解説


アクティブファンドの魅力は何と言っても、長期運用で資産を数十倍に増やせる可能性があることだと思います。
最も有名な例がウォーレンバフェット氏率いるバークシャーハサウェイでしょう。
1965年に同社に投資していれば、2014年の時点で株価は183万%(1万8300倍)に上昇した計算になったことが公開されたことがあります。
49年という長い年月は要しますが、1万円が1億8300万円になる計算ですね。
しかし、投資の世界ではアクティブファンドはインデックスに勝てない、とよく言われます。
本当にそうなのでしょうか?
結論からいうと、実際にはそんなことはありません。
しかし、どんなアクティブファンドでもそれだけのハイパフォーマンスが出せるものでもないのも事実。
そこで、アクティブファンドとはどんなファンドなのかを突き詰め、基本的な情報からインデックスファンドとの比較、アクティブファンドの選び方にいたるまでを網羅的にご紹介していきます。
※インデックスファンドはパッシブファンドとも呼ばれます。
★アクティブファンドのことをよく知らない人
★これからアクティブファンドに投資をしてみたい人
★アクティブファンドの選び方がわからない人
★アクティブファンドとインデックスファンドの比較を知りたい人
★つみたてNISA、iDeCoを利用した投資を考えている人
★投資信託で資産を大きく増やしたい人
アクティブファンドとは
アクティブファンドとは、ファンドマネジャーが独自の銘柄選択や資産配分をすることにより、株価指数等(ベンチマーク)の動きを上回る投資成果を目標とする投資信託です。
アクティブファンドの特徴としては、インデックスファンドと比較すると投資対象や地域などが多種多様で、高利回りを獲得できる可能性があることです。
ただ、運用パフォーマンスはファンドマネジャーの手腕により大きく左右されることには注意が必要です。
アクティブファンドを選ぶ際には、「運用実績」「信託報酬」「運用方針」をチェックすることが重要になります。
★株価指数等(ベンチマーク)の成績を上回る投資成果をめざす
★運用利回りはファンドマネジャーの手腕により左右される
★インデックスファンドと比較すると投資対象や地域などが多種多様
★ハイリターンもねらえる
★アクティブファンドを買う前に「運用実績」「信託報酬」「運用方針」の確認が必要

★アクティブファンドのメリット


★商品の選択肢が多く、自分の目的、好むテーマのアクティブ投信に投資できる
★運用成績次第で、インデックスよりもハイリターンが獲得できる
★ファンドマネジャーの顔が見られる(経歴や投資哲学などを知ることができる)
★適正価格の発見機能
インデックスファンドの場合、日経平均連動型であれば、組み入れ銘柄は誰がファンドを運用しても日経平均採用銘柄になるので、ファンドマネジャーの経歴や考え方はほとんどパフォーマンスに影響されません。
しかし、アクティブファンドの場合はファンドマネジャーの手腕に運用利回りも左右されるので、運用者の顔が見られることは大事ですし、投資者の安心感にもつながります。

★★適正価格の発見機能とは★★
株式市場における株価は非効率的に動くことがあります。例えばリーマンショックのような暴落相場の時、理不尽に株価が急落したりする場合があります。
まら、〇〇ショックがない平時でも、本来の価値が3000円を下らない銘柄の株価が1200円くらいの安値で放置されている場合があります。
こうした非合理的に安値で放置されているバリュー株を発見する機能がアクティブファンドにはあります。
ファンドマネジャーの目利きの力によって、成長性の高い割安株を発見するわけです。





★アクティブファンドのデメリット


★運用コストが高い
★市場平均(ベンチマーク)を下回る場合がある
★マイナスリターンでも優秀ファンドと評価されることがあり、誤解を招く
★運用コストが高い
アクティブファンドは、ファンドマネジャーにより企業分析や聞き取り調査が行われているため、インデックスファンドと比較するとコスト高になります。
★市場平均(ベンチマーク)を下回る場合がある
上述したように、適正価格の発見機能が低下していることもあり、割安な銘柄を見つけにくい状況になりつつあります。
それに加えて、アクティブファンドの運用リターンはファンドマネジャーの手腕に左右されるため、ベンチマークを下回る成績になる可能性があります。
★マイナスリターンでも優秀ファンドと評価されることがあり、誤解を招く
投資の世界には「絶対収益」と「相対収益」という考え方があります。
◎絶対収益とは、どんな相場環境でも必ず利益をあげることを目指す運用方針
◎相対収益とは、ベンチマーク(インデックス)よりも高い運用成績を目指す運用方針
絶対収益を掲げるファンドの代表例はヘッジファンドです。
それに対して、相対収益の代表例は、アクティブファンドに代表される一般の投資信託です。



ですので、優秀なアクティブファンドと評価されていても、それを鵜呑みにするのは危険です。
きちんと過去の運用実績を見て、プラスの運用を毎期しているのかを見る必要があります。
アクティブファンドのおすすめの選び方
アクティブファンドの特徴やメリット・デメリットがわかったら、次のステップは選ぶことです。
アクティブファンドのおすすめの選び方をご紹介していきましょう。
アクティブファンドの選び方で押さえておきたい5つの要素があります。
★運用実績
★運用方針
★手数料
★投資対象
★アクティブファンド投資ブログ


この5つの要素を踏まえたうえで、ご自身がどれだけのリスクを取れるのか、どれだけのリターンを望むのかを考えた上で選ぶことがベターだと考えます。
それぞれの要素を細かく解説していきましょう。
★運用実績
証券会社のHPを見ると投資信託の月次レポートや目論見書がかんたんに入手できます。
過去の運用実績をチェックし、運用リターンが中長期で見てプラスになっているアクティブファンドを選ぶようにしましょう。
過去の運用実績は最低でも3年。できれば5年分くらいは見たいところです。
組成されてから3年未満のアクティブファンドは実績への信頼性が薄く、基本的におすすめできません。


★運用方針
アクティブファンドの運用方針は千差万別。
・ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターンを目指すファンド
・日本株に特化したファンド
・新興国株に特化したファンド
・AIや5Gなどのテーマ株に特化したファンド
・株や債券、コモディティをバランス良く組み合わせたファンド
など、運用方針はファンドの数だけあります。
ですので、アクティブファンドを選ぶ際には、自分が応援したいファンドや、自分のリスク許容度の範囲内の運用方針のファンドを選択するのが良いと思います。

★手数料
アクティブファンドはインデックスファンドと比較して信託報酬が高くなります。
これは企業調査や市場調査など、アクティブファンドが手間をかけて投資先企業の選定を行い、投資しているためです。
短期間の資産運用であれば、影響は大きくはなりませんが長期資産運用になると、信託報酬の差は、あなたの投資パフォーマンスに大きな影響を与えます。
アクティブファンドの中でも、信託報酬はピンキリなので、できるだけ低コストのアクティブ投信を選ぶようにしましょう。
たった0.1%の差でも、運用年数が長くなり、運用額が大きくなるとリターンに大きな影響がでます。
下図をごらんください。
アクティブファンドの投資信託を5年間運用したシミュレーション結果です。
<シミュレーション条件>
◎運用期間は2011年12月~2016年11月(5年間)
◎同じアクティブファンドに同じ金額を投資:投資額500万円
◎信託報酬率1.0%と1.5%で比較
引用元:auカブコム証券
<シミュレーション結果>
◎信託報酬額(運用コスト)に約20万円の差が出た(5年間)
◎運用成績に約25万円の差が出た(5年間)


★投資対象
アクティブファンドを選ぶ時に大切になるのが投資対象です。
投資対象にはさまざまな概念があります。
・グロース株かバリュー株か
・どんなアセット(資産)に投資するのか(株式・債券・コモディティ・不動産ほか)
・国内資産か国外資産か
・先進国か新興国か
・ESG、自動運転技術、5Gといった特定のテーマ
・どの通貨か
アクティブファンドの目論見書を見ると、上記のような投資対象のなかで、どんなアセットに投資する運用方針なのかが書いてあります。
投資対象によって特徴もまったく異なるため、ご自身で選ぶ必要があります。


★アクティブファンド投資ブログ
アクティブファンドのおすすめの選び方にブログがあります。
つみたてNISAやiDeCoといった国の制度が充実してきたこともあり、投資信託に投資する個人が増加傾向にあります。
最近はインデックスファンドへの投資に人気が集まっていますが、アクティブファンドにも根強い人気があります。
中には、投資記録としてブログを書いている投資家もいて、プロの目から見てもとても参考になるブログも存在します。
※参考までに、下記の記事はインデックス投資のおすすめブログの記事です。
↓↓↓
インデックス投資ブログのおすすめ10選※フォロー推奨
さて、アクティブファンド投資のブログの中で、以下の内容が充実しているブログはおすすめです。
★アクティブファンド投資歴が長い
★ポートフォリオを開示している
★相場観も示している
★楽しみながら投資している
★失敗についてもきちんと書いている
★運用成績も明かしている
★文章がよみやすい
ぜひ、チェックしてみてくださいね。

アクティブファンドとインデックスファンドの比較




投資信託による資産運用を考えるとき、多くの人がぶつかる壁が「アクティブファンド」と「インデックスファンド」のどちらに投資するかという問題。
ここでは、アクティブファンドとインデックスファンドの比較をしていきます。

アクティブファンドとインデックスファンドの比較をかんたんにまとめました。
アクティブファンドとインデックスファンドの比較表を見ると、前者はより積極的に利潤を追求するスタイル、後者はリスクをなるべく排除しながら上昇を目指すタイプといえそうです。
インデックスファンドの場合、ベンチマークを上回ることはできません。
しかし、連動するベンチマークそのものが右肩上がりの上昇をしていれば、アクティブファンドにも負けない運用成績になる可能性があります。
その代表例が米国株指数のS&P500といえるでしょう。

さくらくんの質問にあるように、アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない…
そんな言葉がよく聞かれます。
しかし、これはケースバイケースです。
比較表にも書いたように、アクティブファンドの運用成績は運用者(ファンドマネジャー)の腕次第。
腕の良いファンドマネジャーが運用していれば、インデックスを上回ることは十分に可能です。
たとえば、「日経平均」とファンド人気ランキングの常連「セゾン資産形成の達人ファンド」の過去10年間を比較すると、以下のような結果になります。
【日経平均】(株価)
2011年8月:9,907円
2021年6月:28,791円
10年間で2.9倍のリターン。
【セゾン資産形成の達人ファンド】(基準価格)
2011年8月:6,432円
2021年6月:30,910円
10年間で4.8倍のリターン。


優秀なアクティブファンド一覧(10選)
ここでは優秀なアクティブファンドの一部をご紹介したいと思います。
※投資推奨ではありませんのでご了承ください。投資は自己判断・責任でお願いします。
★グローバル新世代関連株式ファンド
★グローバル・ベスト・ファンド
★大和住銀DC海外株式アクティブファンド
★セゾン資産形成の達人ファンド
★投資のソムリエ
★ファンド「メガ・テック」
★新シルクロード経済圏ファンド
★フィデリティ・日本優良株・ファンド
★三菱UFJ NASDAQオープンBコース
★netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
これらのアクティブファンドは投資信託の人気ランキングでも上位にくるものが多いです。
参考情報としてではありますが、一覧形式でご紹介いたしました。
気になるファンドがありましたらチェックしてみてくださいね。

アクティブファンド投資の参考情報
最後に、アクティブファンドに投資する上で、参考になる記事をご紹介します。
アセットアロケーション(資産配分)やドルコスト平均法など、長期資産運用に必須の知識ですので、ご興味がありましたらチェックしてみてくださいね。
※アセットアロケーションについて
アセットアロケーションの決め方と理想のポートフォリオ
※ドルコスト平均法について
ドルコスト平均法とは デメリットを理解して投資してますか?
※伝説のファンドマネジャー「ピーターリンチ」とは
ピーターリンチ、13年で資産を700倍以上にした伝説の投資家
※ヘッジファンドの帝王レイダリオのポートフォリオ
レイダリオのポートフォリオを解剖【2021年最新版】
アクティブファンドの選び方っ結構難しいので参考になりました。優秀なファンドマネジャーを
どうやって見分けるかも重要ですね。
>アクティブファンド初心者さん
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。ですので、アクティブファンドのファンドマネジャーがわかる場合には、その人の経歴や実績なども調べることをおすすめします。